皆さんは、「コンサバトリー」という言葉を聞いたことがありますか? ヨーロッパでは古くから見られる、サンルームのようなガラス張りの空間で、日本でも「住まいに取り入れたい」と、ガーデニング好きの人などを中心として注目を集めています。また、マンションの間取り図に「コンサバトリー」の表記を見つけた人もいるのではないでしょうか。ここでは「コンサバトリー」の活用方法やメリット・デメリット、注意点などを紹介します。

コンサバトリーとは?

コンサバトリー(Conservatory)を直訳すると「温室」です。日本と比べて冬の日照時間が短く寒さが厳しいヨーロッパでは、古くから自然光を住空間に取り込む工夫がなされてきました。コンサバトリーは、イギリスで植物を育てる温室として発展し、世界中に広まったと言われています。従来のコンサバトリーは、壁も天井もガラスで囲まれた温室を指しましたが、時代とともに、屋内と屋外の中間のような位置づけの多目的な住空間として発展しました。最近では、マンションに設けたインナーテラスのような空間をコンサバトリーとして表記するケースも多いようです。

コンサバトリーの使い方

コンサバトリーはいうなれば「日当たりの良い多目的スペース」で、様々な使い方ができます。ここでは、代表的な利用方法を紹介します。

【コンサバトリーの使い方1】ガーデニング

前述の通り、コンサバトリーは元々「温室」を意味する言葉。自然光がいっぱいに入り、植物にとって特等席です。ガーデニング目的でコンサバトリーを設ける場合、床材は耐水性があり、汚れにも強い素材にするとよいでしょう。寒さに弱い植物を育てる場所として重宝します。手入れに自信がない場合は、土を必要とせず、わずかな水分だけで育つエアプランツから始めてみては。ハンギングロープで天井から吊るしたり、壁に掛けたりする場合は、フックなどを用意しておきましょう。

【コンサバトリーの使い方2】リビング・ダイニングの延長として

リビング・ダイニングとひと続きの空間としてコンサバトリーを設ければ、明るく伸びやかな空間を演出できます。リビング・ダイニングから見守りやすい子どもの遊び場として、ペットが日だまりでくつろぐ場所として、テーブルセットを用意して家族と食事やお茶を楽しむ場所としても最適です。夜は夫婦でお酒を嗜みながら、のんびりと星空を眺めてみてはいかがでしょうか。

【コンサバトリーの使い方3】パーティスペースに

かつてヒットした映画「ノッティングヒルの恋人」で登場したテラスハウスには、裏庭に面したコンサバトリーがあり、テーブルを囲んでパーティをするシーンがありました。イギリスなどで見る本格的なコンサバトリーはキッチンとつながっているレイアウトが多く、ガラス越しに美しい庭を眺めながら食事を楽しむことが多いようです。このように、間取り次第ではセカンドダイニングのような位置づけで利用することができます。

【コンサバトリーの使い方 番外編】洗濯物を干す

本来の用途ではありませんが、ガラス越しに太陽の光が降り注ぐコンサバトリーは洗濯物が乾きやすく、室内干しスペースとしている人も多いようです。天候を気にする必要がなく、「花粉症などの理由で外に洗濯物を干したくない」「マンション規約により外に洗濯物を干すことができない」といった場合にも便利。洗濯物を干す頻度が低い場合は、目立たない「ワイヤー式」や、使用するときだけ天井に取り付けることができる「ポール式」、普段は天井にすっきりと収納できる「天井昇降式」の室内物干しを選べば、生活感が出にくいでしょう。

コンサバトリーのメリット

コンサバトリーは、毎日の暮らしに必須の空間ではありませんが、あることで豊かな生活を送ることができます。コンサバトリーがあると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

【コンサバトリーのメリット1】明るく開放的

一般的に、コンサバトリーは自然光を多く取り入れることを念頭に設計されています。明るく開放的な空間は、縁側でひなたぼっこをするときのような心地良さが魅力です。本格的なコンサバトリーであれば、庭の景色や空の美しさなども同時に楽しめるでしょう。

【コンサバトリーのメリット2】外気をやわらげる

コンサバトリーは、家の中と外をゆるやかにつなぐ空間で、リビング・ダイニングと隣接するように設けるケースが多いでしょう。コンサバトリーが緩衝帯となって夏の直射日光を遮りながら、やわらかな光と風をリビング・ダイニングに取り込み、快適に過ごすことができます。冬は太陽の位置が低いため、リビング・ダイニングまでやわらかな自然光が届き、あたたかな空間となるでしょう。

【コンサバトリーのメリット3】趣味を楽しめる

日当たりが良いコンサバトリーは、家の中で居心地が良い場所です。前段落で紹介したように、ガーデニングに興じたり、パーティスペースとしたりと多目的に利用できますが、趣味を楽しむスペースとしても活躍します。のんびりと読書をするも良し、身も心も開放してヨガに興じるも良し、イーゼルを用意して絵を描くも良し。様々な用途で活用できる空間です。

コンサバトリーのデメリット

様々な用途で利用できて重宝するコンサバトリーですが、デメリットも存在します。事前にマイナス面も理解し、対策を講じた上で導入を検討しましょう。

【コンサバトリーのデメリット1】暑さ・寒さ対策

採光に優れたコンサバトリーは夏になると暑く、直射日光を受けて温度が上昇。冬は室内の熱が外に逃げやすく、暖房効率が落ちてしまいがちです。コンサバトリーに設置する窓は、風の通り道に合わせた大きさや開閉方向などを意識して選びましょう。空調設備が効きやすいよう、気密性や断熱性能への配慮も必要です。

【コンサバトリーのデメリット2】メンテナンス

本格的な全面ガラス張りのコンサバトリーであるほど、定期的なメンテナンスが欠かせません。せっかくのコンサバトリーも、ガラスが汚れていては魅力が半減してしまいます。天井のガラスなどは自力で掃除することが難しければ、清掃のプロに依頼することも視野に入れましょう。

【コンサバトリーのデメリット3】コスト

本格的なコンサバトリーを設けるには、100万円単位の費用がかかります。また、壁と屋根で覆われている「部屋」のため、外のような感覚で利用する場合も固定資産税が発生します。
コンサバトリーの暑さをやわらげ、プライバシーを守るには、カーテンの設置も必要です。ガラス面が多ければ多いほどたくさんのカーテンが必要となり、特注品となればさらに費用がかさむことを、頭の片隅に入れておきましょう。

コンサバトリー導入時の注意点

家の中にいながら、外で過ごすように開放的な雰囲気を味わえるコンサバトリーですが、開放的であればあるほど、外部からの視線が気になるところ。周辺環境によっては、プライバシーを保つ工夫が必要です。通風や採光を損なわずに空間をゆるやかに仕切る、ルーバーなどを設置すると良いでしょう。

コンサバトリーを快適に活用するために

前述の通り、コンサバトリーは日当たりの良い場所に設置するため、夏の暑さ対策が必要です。庭に面している場合は、窓際に落葉樹を植え、直射日光を木漏れ日に変えてしまうと良いでしょう。また、ガラスやサッシの性能も、快適性に直結します。低放射ガラスや熱線反射ガラスなど断熱性能に優れたガラスを採用する、ガラス部分にカーテンやブラインドなどを設置し、日差しを遮るといった工夫が必要です。断熱性や気密性を高め、空調設備も整えましょう。

まとめ

コンサバトリーがあれば、遠出をするのが難しいときでも気軽に日光浴ができ、毎日の生活が少し豊かになります。興味がある人は、メリットとデメリットを理解した上で、設置を検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。

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