緊急事態宣言が解除され、少しずつ日常が戻り始めています。筆者も何回か電車に乗る機会がありましたが、満員ではないものの通勤・通学する人で車両は埋まっていました。緊急事態宣言発出中は多くの人がリモートワークをしていましたが、再びオフィスに通勤する方も増え始めています。さて、コロナショックを経て、私たちは未来に対してどのような備えをしていったのでしょうか。

リモートワークが消費に与えた影響

まず、コロナ禍における、私たちの消費について見てみましょう。総務省が発表した4月の「家計調査(2020年4月―二人以上の世帯)」によれば、物価の変動を調整した実質ベースで、消費支出は前年比11.1%の減少となりました。昨年の10月に消費増税が行われてから、7ヶ月連続で減少していることになります。

(出所)総務省『家計調査(家計収支編)』のデータを基に株式会社マネネが作成。 (注):二人以上の世帯。季節調整値。

消費増税に新型コロナウイルス感染症という「泣きっ面に蜂」状態の日本の家計ですが、全国的にリモートワークが浸透したため、光熱・水道への支出が増えていることが分かります。また、外出自粛に伴い、交通への支出は大幅に減ったはずですが、統計の都合上、通信と合わせて「交通・通信」として計上されているため、前年比での減少率が小さくなっています。実際に通信だけを見れば前年比で+8.1%となっています。これらのデータから、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が日本人にリモートワークを普及させたといえるでしょう。

パソコン周りの動きにも変化

総務省が発表した消費支出という経済指標を見てみましたが、他のデータも見てみましょう。総務省が発表している4月の「消費者物価指数」の内訳を見ていきます。

(出所):総務省統計局『消費者物価指数』のデータを基に株式会社マネネが作成。

新型コロナウイルス感染症は2020年1月から社会問題になったとみなして、1月から4月まで月次でデータの推移をグラフにしました。デスクトップ型パソコンの価格はノート型パソコンの価格の下落に反して価格が上昇し続け、外出自粛要請が出た3月、緊急事態宣言が発出された4月で、今度はプリンタの価格が上昇していることが分かります。

このデータから分かるのが、3月にリモートワークが指示され始め、4月に入ってから環境を整えつつ、5月からリモートワークに順応したということでしょう。

徐々にリモートワークの欠点にも気づき始めている

野村総合研究所(NRI)が3月と5月に実施した「新型コロナウイルス感染拡大による生活への影響調査」によれば、従業員の規模に関係なく、3月にリモートワークが導入され始め、徐々に浸透していき、500人以上の規模の会社では約半数の会社がリモートワークを導入していったということが分かります。


しかし、非常に興味深いことは、リモートワークをしてみた直後は通勤するよりも効率的でいいと考えていた人達が、徐々にリモートワークの欠点にも気づき始めているということです。

3月からはじまったリモートワーク。それによって、徐々にリモートワークに適応してきたことは消費データ(家計調査や消費者物価指数)からも分かってきましたが、一方でリモートワークの欠点も見え始めました。それでは、私たちは今後に備えてどう動けばよいのでしょうか。

AIが示すアフターコロナの動き

そこで参考になるのが、私たちの興味関心がどこに向かっているかというデータです。AI企業のスリーアイズ社の⾃然⾔語処理AIを活⽤して、私たちがどのような記事内容に興味を持っていたのかを分析しました。調査期間は2020年1⽉から4⽉の4ヶ⽉間で、調査対象とした掲載先は約40媒体、データの基になっている人数は延べ35万⼈分となります。

(出所)株式会社スリーアイズのデータを基に株式会社マネネが作成。

非常に興味深いのは、日本で新型コロナウイルスに人々の興味関心が集まったのは3月からなのですが、それ以上に4月になると早くも新型コロナウイルスそのものよりも、いわゆるアフターコロナにおける働き方に興味関心が移ったことが分かります。

コロナ禍で仕事を奪われてしまった人達や、職種上、リスクを冒して屋外へ出なければいけなかった人達が、次にまた社会混乱が起きた際に、職を失わないように、または自宅でも仕事が出来るようにと、自己研鑽に関連する単語に興味関心が集まっているのです。

新型コロナウイルス感染症は未だにワクチンや特効薬があるわけでもなく、第二波が来る可能性も指摘されています。また、来年も疫病や天変地異、戦争やテロなど、何かが起きて世界的な混乱が生じる可能性もあります。よって、私たちは何があっても大丈夫なように、平時の段階からリモートワークの環境を整え、そもそもリモートワークが出来る職に就けるようにするなど、緊急事態を想定した準備が必要なのです。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。

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