リフォーム瑕疵(かし)保険の仕組み、どんな住宅が対象に?

(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターが発表した住宅相談統計年報 2019によると、2018年度のリフォームに関する新規相談件数は11,744件。うち住宅のトラブルに関する相談は61.4%を占めています。中でも、雨漏りやひび割れなどの不具合に関する相談は4,785件と多く、工事後に不具合が発生した人の多さを示唆しています。

こうしたトラブルへの対応策として「リフォーム瑕疵(かし)保険」に注目が集まっています。リフォーム瑕疵保険の特徴をご紹介します。

検査と保証がワンセット! リフォーム瑕疵保険とは?

リフォーム瑕疵保険とは、リフォーム時の検査と保証がセットになった保険制度です。「瑕疵(かし)」とは、不完全であること、不具合があることを指し、リフォームの場合は契約時に約束していた通りの品質や性質を確保できていない状態を指します。リフォーム瑕疵保険に入っていれば、瑕疵が発覚した場合に保険金を請求し、補償を得ることができます。

特徴1:第三者検査員(保険会社の建築士)による現場検査

リフォーム工事の施工中や工事が終わった後、第三者検査員(建築士)が現場検査を行います。つまり、工事のミスや手抜きなどがあっても、プロが指摘してくれるという訳です。こうした体制により、質の高い施工を期待できます。

特徴2:工事に欠陥があれば事業者が保証

どんなに注意深く工事をしても、欠陥が見つかってしまう可能性はあります。リフォーム瑕疵保険に入っていれば、リフォーム後に工事の欠陥が見つかった場合、補修費用調査費用、そのために生じた転居・仮住まい費用などの保険金が事業者に支払われ、無償で直してもらうことができます。支払われる保険金額は、修繕費用などから免責費用10万円を引いた額の8割です。

特徴3:リフォーム事業者が倒産しても補修費用を請求可能

工事の途中でリフォーム会社が倒産してしまうリスクもゼロではありません。そんな時に、損害分の料金を受け取ることができます。自身で保険会社に費用を請求することになりますが、修繕費用などから免責金額の10万円を引いた残り全額が保証されます。

リフォーム瑕疵保険の対象になる住宅は?

リフォーム瑕疵保険は、住宅の一部、または住宅と一体になった設備にかかる増築や改築、補修工事が対象となります。築年数や建物の構造、工法は問われません。

ただし、店舗付きの戸建てなど併用住宅を含む共同住宅は、「3階建て以下で、500平米未満の共同住宅」もしくは「4階建て以上、もしくは500平米以上の共同住宅(各住戸の専有部分のリフォーム工事のみ)」が対象となります。

 

 

リフォーム瑕疵保険の支払い対象と保険期間は?

リフォーム瑕疵保険が支払われる対象となるのは、構造耐力上主要な部分(土台や柱、梁など)と、雨漏りの浸入を防止する部分(屋根や外壁・窓など)。保険期間は5年以内です。それ以外の瑕疵についての保険期間は、1年以内です。

参照:住宅瑕疵担保責任保険協会ホームページより

 

リフォーム瑕疵保険を取り扱っているのは5法人のみ!

リフォーム瑕疵保険は、一般的な保険会社では取り扱いがありません。国土交通大臣が指定した5法人のいずれかを自由に選択し、保険契約を締結することができます。 5法人は以下の通りです。

(株)住宅あんしん保証
住宅保証機構(株)
(株)日本住宅保証検査機構
(株)ハウスジーメン
ハウスプラス住宅保証(株)

 

まとめ

リフォーム瑕疵保険に加入していれば、万が一施工が杜撰なリフォーム会社に依頼をしてしまった場合も、リフォーム会社が倒産してしまった場合も、修繕費用などを保険金でカバーできます。加入は任意で、保険料は安くありませんし、保険期間は1~5年、増改築の場合でも10年と限られています。そのため、誰もが利用する保険ではありませんが、加入すれば大きな安心を得ることができるでしょう。リスクを軽減するため、リフォーム瑕疵保険を検討してみてはいかがでしょうか。

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