住宅購入者の約7割が“失敗した経験あり”! お金面でどんなことに悩んだ?

住宅購入にあたって、最も気になるのがお金ですよね。住宅ローンを組むと「月々の返済がどれくらいになるか」「無事に返済できるか」を気にする人も多いでしょう。

お金の問題が心配で、住宅の購入を決断できない人もいるのではないでしょうか。そこで、住宅購入経験者を対象にして、住宅購入資金について失敗したことがあるかどうかを調査してみました。

【質問】

住宅購入経験者にお聞きします。住宅資金・お金の面で失敗したなと思ったことの経験はありますか?

【回答数】

ある:68
ない:32

住宅資金は悩む項目が結構多い?

アンケートによると、住宅資金・お金の面で失敗した経験があると答えた人が多いという結果になりました。頭金や金利など、様々な面で悩むことが多いようです。

失敗した経験ありと回答した人の声

【頭金をもっと用意すればよかった】
・欲しい物件が思いのほか高かったので、もう少し頭金として貯蓄しておくべきだったと思いました。(30代/女性/公務員)
・頭金をためて購入すればよかったと感じています。「その程度の金額を頭金にしても」と当時は思っていましたが、毎月の支払いが少なくなるので、少しでもあれば後々助かります。(50代/男性/正社員)
・頭金をしっかり用意していなかったため、住宅ローンの借り入れ年数が増えてしまったことです。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・もう少し頭金を貯めてから住宅ローンを組んでおけば返済が楽になったのではないかと思っています。(40代/女性/正社員)
・頭金をしっかりと貯めておけば良かったと思いました。ローンの返済は想像以上に大変でした。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・出来る限り頭金を用意して、住宅ローンの返済額を減らすことだと思います。(40代/男性/正社員)
・やはりできるだけ貯蓄をした方が安心です。頭金は多ければ多いほどいいです。(50代/女性/個人事業主)
・頭金としてあまり支払わなかったので、返済期間が長くなりストレスに感じていること。頭金はできるだけたくさん支払っておくほうが後で楽だと思います。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・頭金をもっと貯めておけばよかったと思いました。住宅ローンは組めましたが、正直払っていけるかどうか不安です。(40代/男性/正社員)
・頭金はできる限り出した方が良いと思う。そうすることで返済金額が大きく変わってくる。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・もっと多くの頭金を用意しておくべきだったと思います。そのためには日頃の努力も大切ですが、賞与支給時などの臨時収入を得た時に貯蓄に回す習慣を持つことが大切だと感じます。(40代/女性/正社員)

【頭金を入れ過ぎた】
・頭金を多く入れましたが、子どもの教育資金なども考慮して、借り入れ出来る限度まで借りておけば良かったと思います。低金利だし、余裕があれば繰り上げ返済すれば良い話なので。(50代/男性/正社員)
・借入額を少なくしたかったので貯蓄資金の多くを住宅購入資金に当ててしまい、自由に使えるお金が少なくなったこと。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・全財産を頭金にしたのでその後の生活の立て直しに苦労しました。(40代/女性/パート・アルバイト)
・頑張って頭金を多く入れ過ぎて、その後の生活が苦しくなりました。余裕を持った資金計画をおすすめしたいです。(40代/女性/専業主婦(主夫))

【返済計画】
・月々の返済額を抑えるために、ボーナス時の返済額を多く設定しました。その結果貯蓄がなかなかできないということになりました。(50代/女性/専業主婦(主夫))
・住宅ローンを組む際には、極力ボーナス払いは避けた方が良いと思います。自分の場合、病気になって休職となり、ボーナス払いの時が苦しくなりました。(20代/女性/正社員)
・用意した住宅資金を全て使いきらず、急な出費に備えて少し余裕を持って返済計画をたてた方が良いと思います。(40代/女性/専業主婦(主夫))

【住宅ローンの金利タイプ】
・一戸建てを購入した際に住宅ローンをメガバンクで35年・固定金利型2.72%で借りました。変動で借りて金利が上昇した場合、将来不安だったため長期固定を選びました。しかし2年ほど金利は上がらず、むしろ下がっており、借り換えたら月に3万円程度支払いが減りました。金利選択の検討をした上で、決断できることが重要だと思っています。(40代/男性/正社員)
・固定金利、変動金利はよく考えて決めたほうがいいです。自分だけでなく、世間の景気や政治の情報をしっかり集めないといけないです。(40代/男性/正社員)
・住宅ローンは固定金利が良いと思って契約したが、周囲の方々は変動金利が多いことを知った。ある金融機関で給料振込みや公共料金の支払い、クレジットカードを作るなどをすると、さらに金利が低くなるそうです。もう少し金利の検討をすべきだった。(30代/女性/個人事業主)
・購入したときは銀行の金利が高かったです。その後はかなり下がったので、銀行を変えるかローンの組みなおしをするかなど、いろいろと頭を悩ませました。むずかしいですが、できるだけ金利の動向にアンテナを張っておくことも大事です。(50代/女性/パート・アルバイト)
・住宅ローンの金利はしっかり確認すべき。銀行によって意外に利率に差がある。(30代/女性/正社員)

【諸経費の発生】
・古民家を購入したのですが、水まわりの修繕に予想以上のお金がかかりました。予算の見積もりには、余裕を持つことをおすすめします。(40代/女性/個人事業主)
・管理会社への管理費が思っていたよりも高く、また、購入時に住宅ローンを組んだのですが、そのあと生活状況が変わってしまいローンを払うのが大変な毎日を送っています。(30代/女性/パート・アルバイト)
・今後のことばかり考え、最初にかかる初期費用をあまり考えていなかった。全体の金額を確かめるべきです。(30代/女性/正社員)
・固定資産税など入居してからかかるお金もあるので、事前に調べておくことが大切です。(30代/男性/正社員)
・住宅の資金や引っ越し代など、住宅購入にかかる費用は考えて準備をしていました。しかし実際に引っ越してから、引っ越し先の町の入町費や自治会費が高く、突然請求されて驚きました。土地や住宅購入前に、その土地に住んでからかかる費用も確認しておくべきだと感じました。(30代/女性/パート・アルバイト)
・住宅購入後も固定資産税を支払わなければならないので、それを計算に入れておく必要があります。(40代/男性/正社員)
・住宅購入だけでなく引っ越し資金や家具の購入等、見えづらいお金がたくさんあった。金銭感覚も麻痺しがちになるので、事前にしっかりとシミュレーションしておくことが必要だと思う。(30代/男性/個人事業主)
・マンション購入の場合、ランニングコストとして、住宅ローン以外にも管理費や駐車場代もかかることをよく考えたほうが良い。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・住宅を建てる事に意識が行ってしまいがちですが、外構部分は思っていた以上に費用がかかる可能性があるので、余裕も持った方が良いと思います。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・意外なところで費用が掛かり、頭金がぎりぎりになって、しばらく生活も切り詰めた。(50代/男性/正社員)

【リスクの考慮】
・自然災害などの予期せぬ事態はもちろん、自分や配偶者が病気で働けなくなった場合などのことも考えてローンを組むようにしてください。(30代/女性/パート・アルバイト)
・日本の経済状況など先のことがわからないので、かなり余裕をもって将来設計したほうが良いと思います。(20代/女性/専業主婦(主夫))
・30年ローンを組みましたが、転職して給与が下がり、支払いがきつくなりました。総合的な人生設計が大事だと思います。(40代/男性/正社員)
・自分の考えていた金額よりも少し無理のある契約をしてしまった。契約後に仕事をリストラされたりして返済の面が大変になっている。何が起こるか判らないので金額的な面では余り無理はしない方がいいと思う。(50代/女性/無職)

【税制、補助金等の確認】
・非課税の贈与制度などを、もっと調べた方がよかった。他にもまだ減税できる方法があったかもしれない。(40代/女性/正社員)
・住宅資金に伴う節税や行政の補助金等を十分確認する必要があります。(40代/男性/正社員)

住宅資金と一口に言っても、検討する項目は多岐にわたります。単純にいくら借り入れるかはもちろん、頭金の用意や金利の選択など、悩む機会も多いようです。ローンを組んだときには最適だと考えていても、あとになってから生活環境の変化によって失敗したと感じることもあるのではないでしょうか。

また、一戸建て住宅を購入するときは、建物本体だけでなく、外構部分の予算も残しておく必要があることがわかります。

失敗していないと答えた人も気になっている点は同じ

アンケートの結果、住宅資金で失敗した経験がないと答えた人は、32人と少数派でした。

失敗した経験なしと回答した人の声

【貯蓄・返済計画をたてる】
・高額の買い物なので、きちんと返済の計画を立てた方が良いと思います。(30代/女性/個人事業主)
・将来マンションを買おうと思っていたので、勤務先の財形貯蓄を利用して計画的に貯金していた。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・なるべく返済期間を短くすることで、金銭の目途がつきやすくなると思います(30代/女性/専業主婦(主夫))
・頭金を出来る限り頑張って貯めたので、満足のいく資金計画を組むことができました。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・失敗しないために、予算をしっかりと決めて貯めておくこと。またローンを組むなら、自分で選んで決めたほうが失敗しないと思います。(40代/女性/個人事業主)
・頭金が少ないと住宅ローンによっては金利が上がる場合があるので、ある程度貯金してから購入を検討する。(30代/男性/正社員)
・無駄遣いせずにしっかり貯金をしておくこと。目先のことより未来のことを見据えて計画していくこと。(20代/男性/正社員)

【余裕をもって資金を用意する】
・万が一に備えて、ある程度余裕をもってお金を用意しておくことが大切だと思います。(30代/女性/正社員)
・頭金だけ用意して購入を進めるのではなく、住宅ローンの返済金額等もしっかり事前に確認して購入するかどうか判断しましょう。(30代/男性/個人事業主)
・自己資金を確保しておけば何とかなります。あと住宅ローンが月々いくら払えるかどうかも計算しておいたほうがいいです。(40代/男性/個人事業主)

【しっかり検討・情報収集】
・借りすぎないこと。欲しい物からポイントを絞って、本当に大事なものを探すこと。(30代/男性/正社員)
・住宅ローンに関しては、借り入れを検討する金融機関は1つの銀行ではなく色々な銀行へ相談しに行く事をお勧めします。(50代/女性/個人事業主)
・予算をきちんと考えて、信頼できる情報を収集することが大事だと思います。(40代/女性/個人事業主)
・住宅を購入する際、はじめは金銭面を抑えて検討をするが、いろいろ見ていると、良いものは高い。物件見学をしていると金額が高い住宅の方が間取りの生活動線がよく、一生に一度の買い物だしと当初予算より高くなりがち。絶対はずせないポイントとそうではないポイントはあらかじめ明確にしておくとよい。(40代/女性/正社員)
・結婚や出産などライフイベントが控えている場合は、住宅購入を慎重に行ってください。その後の人生の選択肢が狭まり、切羽詰まる可能性があります。(40代/女性/個人事業主)
・欲張って手の届かない金額の住宅を購入しないことが大切だと思う。(20代/女性/個人事業主)
・住宅ローンは低金利に越したことがない。これからは収入の予想も難しくなることがあると思うので想定すること。(40代/男性/正社員)

失敗していないと答えた人の回答からは、頭金や金利など失敗したと答えた人とほとんど同じような項目で悩んでいたことがうかがえます。失敗していないと感じるということは、当初の予定どおりの返済が進んでいるということなのでしょう。

住宅資金を工面するうえでは、現在だけでなく将来的な人生計画をしっかりと描いておくことが重要なようです。

住宅資金で失敗しないためにも自分のライフプランを考えておこう

今回のアンケートでは、住宅資金やお金の面で失敗していないと感じている人は、借りるときからしっかりした返済プランを想定していた人が多いようでした。ただし、失敗したと感じている人と気にしている項目はほとんど同じです。

住宅ローンを組むにあたっては、金利や頭金など検討する項目は多いですが、結婚や子育てなど自分のライフプランも含めて検討するとよいでしょう。住宅の購入をひとつの機会として、自分の具体的な人生計画を作成してみてはいかがでしょうか。

■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・住宅購入経験者の男女100人
■調査期間:2020年2月7日~21日
■有効回答数:100サンプル

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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