購入したマイホーム、実は半数以上が売却を視野? 購入経験者100人の声

マイホームの購入を目指して貯蓄に励むなど、日々努力をしている人も少なくないでしょう。人生の節目のなかで、マイホームの購入は大きな買い物と言っても過言ではありません。また、購入した住宅が終の棲家になる人もいるでしょう。一方、将来は売却予定の人もいるかもしれませんね。そこで、購入したマイホームを終の棲家にしたいかどうかを知るために、購入経験者のみなさんからお話をうかがいました。

【質問】

住宅購入経験者にお聞きします。マイホームの購入後、終の棲家として考えていますか?またいずれ売却も視野にいれていますか?

【回答数】

終の棲家:45
売却も視野:55

住み替えも視野に! マイホーム購入後には新たな課題も

アンケートの結果「売却も視野」の回答者が55%いることがわかりました。売却も視野に入れている人たちは、どのような理由があるのでしょうか。

【高齢になったら】
・エレベーターが無いため、足が悪くなった場合に住み続けることができない可能性があります。その時は、在宅医療などを受けるか、賃貸物件に引越しをするか、まだ先のことは正直わかりません。(40代/女性/個人事業主)
・最終的には老人ホームに入ってしまう可能性もあるので、売却も検討しないといけないと思います。(30代/女性/正社員)
・4階建ての階段なしのマンションに住んでいますが、高齢になると階段を登れなくなる可能性があるからです。(20代/女性/正社員)
・売却もしくは貸家にしようと思っている。今のマンションだとバリアフリーがあまり整っていないように思ったため。(30代/女性/パート・アルバイト)
・もう20年くらい住んでいて、土地勘もあるので、ずっと住みたいと考えています。ただ、老後、老人ホームに入居する可能性もあるので、その時は売却を考えています。(40代/女性/正社員)
・リビングが2階にあるし、老後のことを考えると、売却することも考えています。(40代/男性/専業主婦(主夫))

【子どもが独立したら】
・購入当初は終の棲家として考えていましたが、子どもが独立した後は広すぎるので売却も視野に入れるようになりました。(50代/女性/専業主婦(主夫))
・子どもが独立した後に夫婦2人には広すぎるので、終の棲家は現在の家を売却した資金で小さな家を買いたい。(30代/女性/正社員)
・3LDKと広いので、子どもが独立した後に夫婦だけの生活になった時は、売却も考えています。立地条件が良く、資産価値が下がりにくいので購入時とあまり変わらない価格で売却できるのも理由の一つです。(40代/女性/個人事業主)
・子どもが1人しかいないので、子どもが成人して独立したら、売却を考えています。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・マイホームはあくまで子どもたちが自立するまでと考えていますので、なるべく綺麗に住み、子どもたちの自立後は売却してコンパクトな住居を探す予定です。(30代/女性/パート・アルバイト)
・子どもが独立したら引っ越しも考えている。私も妻も地元ではないため。(40代/男性/正社員)

【実家に戻る】
・将来、義父母宅の管理があることを承知で購入しました。時期が来たら売却するつもりでした。(50代/女性/専業主婦(主夫))
・近所に実家があるので、いずれその家を相続する予定です。マイホームは売却するか、子どもに贈与も検討中。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・最終的には、自分の実家を引き継ぎたいと思っているので、良きタイミングがあれば売却も考えています。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・最終的には、自分が住み慣れている実家に戻りたいと思っている。(30代/女性/専業主婦(主夫))

【修繕費やリフォーム代を考慮】
・マンションなので、長生きした場合はかなり老朽化してしまうし、修繕費もかかりそうなので、将来的には売却したい。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・終の棲家にするためには大規模なリフォームが必要なので、それよりも価値のあるうちに売却した方がいいと思うからです。(30代/女性/パート・アルバイト)
・あまり深くは考えていませんが、現在はマンションで住宅ローンの支払いが将来的に完了しても、修繕積立金、管理会社への管理費の支払いは生涯支払いが続くので、両親が住んでいる土地付き一戸建てに移ることも考えています。(40代/男性/正社員)

自分たちが高齢になったときや亡くなったあと、子どもが独立したあとに売却を考えている人が多いようです。実家を引き継いだり、老後は住み慣れた地元に戻りたいと考えている人もいました。

一方、「バリアフリー化が不十分なため」など、現在の住まいに満足していない人がいる点にも注目されます。将来のことを考えると心配ですよね。管理費などの負担がずっと続く場合は、戸建て住宅に住み替えたほうがよいかもしれません。マイホームを購入して終わりではなく、住み続けるうちに新たな課題が出てくることがわかりました。

終の棲家に!マイホームに対する思い入れの強さが反映

一方「終の棲家」と答えた45%の人の意見も気になるところです。

【愛着があるから】
・苦労して建てた家なので愛着があり、手放すつもりはありません。この家で死にたいと思っています。(40代/男性/正社員)
・自分たちの代が死んだ後も、子どもたちに譲ってあげたいと思うからです。(50代/女性/個人事業主)
・自分たちで建てた家なので愛着があり、終の棲家と考えています。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・生まれてはじめて購入した家で愛着があるので終の棲家と考えています。(40代/男性/個人事業主)

【満足しているから】
・今の家と生活に満足しているので、最期まで住み続けたいと思います。(30代/女性/パート・アルバイト)
・理想の家を購入できたし、近所の人とも仲良くできているのでこのまま住むことを考えています(40代/女性/個人事業主)
・気に入った内装や外見で建てたので、終の住処として丁寧に住んでいきたいから。(40代/女性/パート・アルバイト)

【終の棲家として購入したから】
・老後に安心して生活できるようにと考えて住宅を購入したので死ぬまで住み続けたいと思っています。(40代/女性/正社員)
・今後の生活や貯金や収入の事を考え、終の棲家として考えました。(30代/女性/パート・アルバイト)
・もともと、これが最後の引っ越しときめ、物件の購入も決断したから。(20代/女性/個人事業主)
・終の棲家を想定して、家の中に手すりをたくさんつけたからです。(40代/男性/正社員)

【その他】
・35年の住宅ローンを組んでおり、返済し終えるのが85歳の時なので終の棲家です。(30代/女性/個人事業主)
・引っ越しや売却の手続きなどが面倒なので、そのまま住んでいたい。(20代/女性/個人事業主)
・終の棲家とまでは考えてはいないが、売却はさらに考えていないので、終の棲家になるのもありえると思っている。(30代/女性/専業主婦(主夫))
・父が買って、私がそれを買い取った経緯があるので、よほどのことがない限り、終の棲家にするつもりです。(50代/男性/個人事業主)

老後に備えてバリアフリー対策をした人などには、現在の住まいが終の棲家になる可能性が大きいようです。そのうえで、子どもへ譲渡すると考えていることもわかりました。購入に大変な思いをした人や、親から購入した人は、マイホームへの気持ちが強いのかもしれません。借入返済の都合もあり、新たな住まいを探すのが難しいとの声も寄せられています。「よほどのことがない限り」とのコメントもありますが、それだけマイホームへの思い入れが強いことがわかる結果となりました。

マイホームの購入は長く暮らすことを想定したうえで!

「終の棲家」よりも「売却も視野」と考えている人のほうが少し多いとはいえ、回答者数には大差ないことがわかりました。ただし、その理由は対照的な内容も少なくないようです。マイホーム購入後に不都合な点に気付いた場合などは、生涯住み続けるのは難しいかもしれません。子どもがいる人は、自分たちの逝去後について伝えておく必要もあるでしょう。マイホームの購入を予定している人は、長く暮らすことを想定したうえで行動に移してはいかがでしょうか。

■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・住宅購入経験者の男女100人
■調査期間:2020年2月7日~21日
■有効回答数:100サンプル

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
~こんな記事も読まれています~

この記事が気に入ったらシェア