8割以上が有りと回答! 住宅購入前に知っておきたかった知識とは?

住宅を購入するには、いろいろな課題がでてきます。購入に際して、入念な準備が必要なのは言うまでもないでしょう。しかし、住宅購入の過程において、不測の事態が発生するかもしれません。さらに、購入後に起きることも心配されます。もし、なんらかのトラブルが発生したときは、対応できる知識があると役立つ場合もあるでしょう。そこで、住宅購入前に把握しておきたい知識について、住宅購入経験者のみなさんにお話をうかがいました。

【質問】

住宅購入経験者にお聞きします。住宅購入前に、「これは知っておきたかった!」と思う知識はありますか?

【回答数】

ある:81
ない:19

住宅ローンなど「知っておきたかった知識がある」という人は約8割!

アンケートの結果「ある」と答えた人が多く、回答者の約8割に達することがわかりました。住まいやお金、周辺地域についてなど、知っておきたかった内容はさまざまです。たくさんの声をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

【住まいについて】
・水道管や排水管の位置の移動が可能か、どうかです。キッチンをリビングの対面式にリフォームしたかったのですが、マンションの規約でそれが許されていませんでした。そのことは、マンションを買った後に、管理会社から教えられました。対面キッチンは断念しました。(50代/男性/正社員)
・中古物件でしたが、水まわりの修繕が大幅に必要で、そういう古民家に対する知識がもう少しあればと思いました。(40代/女性/個人事業主)
・注文住宅を建てたのですが、希望通りに家を建てようとすると、隣地斜線規制などいろいろ制約があり、あれもだめこれもだめと言われて苦労しました。法的な勉強も必要だと思いました。(40代/男性/正社員)
・壁紙や外装などの見た目だけでなく、断熱材などの高機能な素材についての知識。(40代/女性/パート・アルバイト)
・最適なリビングダイニングキッチンの広さ。我が家のリビングは8畳。ダイニングテーブルとソファとテレビがリビングに入りきらない。なので、今は隣の和室をリビングと一体化させて生活しています。違和感あり。それに対してキッチン6畳は広すぎた。やはり図面では分からないものです。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・購入後にリフォームを数年後に行う必要があるのは、知っておきたいことでした。(30代/男性/個人事業主)
・壊れにくくはがれにくい壁紙にはどのようなものがあるのか、調べておくべきでした。(40代/女性/パート・アルバイト)
・上手な間取り作りや、生活導線を考慮した家設計について知っておきたかったです。(20代/女性/正社員)
・家族のライフスタイルによって間取りはとても重要です。あとでは変えられないので、慎重に考えることをおすすめします。(40代/男性/専業主婦(主夫))
・床下の断熱材について詳しく知っておきたかった。断熱材の有無、材質によって冬の底冷えがずいぶん違ってくるから。(30代/男性/個人事業主)
・外壁によくヒビが入るので、丈夫な外壁についてもっと知識が欲しかったです。今は、どのような外壁塗装が丈夫で長持ちするか、工務店の人に聞いたりネットで調べたりしています。(40代/女性/専業主婦(主夫))

【ローン・税金・優遇制度について】
・いろいろありますが、住宅ローンの金利については知っておいた方が選択肢が広がり、安く借りられたりすると思います。(40代/女性/個人事業主)
・住宅ローンに関する知識です。もっと金利などの情報が欲しかったです。(40代/男性/正社員)
・住宅ローンの金利を下げる方法を、あらかじめしっかりと知っておきたかったです。(30代/女性/個人事業主)
・確定申告で減税になるなど、住宅ローン控除について理解すべきでした。(30代/男性/個人事業主)
・購入時の補助制度について。自治体だけでなく、会社の労働組合にも補助制度があったのを後から知った。(30代/女性/正社員)
・税金の優遇措置。これを知っていたら、もう少し購入する物件もグレードアップできたのにと思います。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・固定資産税です。まさかこれほど家計を圧迫するとは、夢にも思いませんでした。(30代/男性/正社員)
・家の購入資金やローンのことばかり考えていて、毎年かかる固定資産税のことを前もって理解しておくべきだった。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・固定資産税に関することは知っておいた方が良いと思った。購入後に納税通知がきて、少し驚いた。(40代/男性/正社員)
・固定資産税の金額が知りたかったです。自分の選んだ土地がどれぐらいの価値があるのかを知らなかったので、税金の支払い時に驚きました。(30代/女性/専業主婦(主夫))

【手続きなどの諸費用について】
・住宅購入に掛かる必要経費、不動産業者の仲介手数料や登記費用、不動産取得税などをしっかりと知っておきたかった。(50代/男性/正社員)
・土地を買ったり名義変更をするだけで、お金がめちゃくちゃかかるとは。あらかじめ知っておきたかった。(30代/男性/正社員)
・住宅購入には土地代や建築費用だけではなく、書類作成のための司法書士費用等様々な諸費用が発生することをよく理解していなかったことです。(40代/女性/正社員)
・購入に至るまでの諸経費がそれなりに発生するということです。例えば3000万円のマンションを購入する場合、多く見ておいても10%程度の約300万円は別の支払い分として持っておく必要があります。不動産会社への支払いや登記をするための行政書士への費用など、当時は無知だったのでそんなに掛かる?という状況でした。(40代/男性/正社員)
・住宅購入金額のほかにかかる諸費用(火災保険や税金や登記費用)がどのくらいになるかということが知りたかったです。住宅購入には奥深い知識が要るのだと初めて実感しました。(40代/男性/個人事業主)
・土地が親の名義なので、名義を変更する方法やそれにかかる費用を知っておきたかった。(50代/男性/正社員)
・購入の手続きには様々な届け出が必要であることをまったく知らず、書類の作成に関する知識もほぼ皆無でした。行政書士に書類作成を依頼しましたが、その分だけ余計に出費が増えたのも想定外のことでした。(40代/男性/正社員)

注文住宅では設計に関われるだけに、使い勝手を意識することが大切なことがわかりました。購入後には改修資金などが掛かるかもしれません。マンションを購入する場合は、マンションならではの費用について知る必要があるようです。また、購入資金に目がいきがちですが、手続きにかかる費用やその後の固定資産税についても事前に把握しておいたほうが良いと言えるでしょう。

そんななか見逃せないのが「住宅ローン」の存在ではないでしょうか。金利が返済額に影響することや、住宅ローン控除の申請が節税につながることもわかる結果となりました。

【周辺地域について】
・物件のこと以外にも地域や住人のことについて詳しく調べておいたほうがよい、という知識があればよかったです。(40代/女性/正社員)
・今はあまり気にならなくなったが、家の隣の道が、緊急車両が通る道に指定されていたようで、夜中に通る時などの音が結構大きかった。住むまで分からなかった。(30代/女性/公務員)
・そこに住んでいる人たちが、どんな人たちなのかは知っておきたいことです。(40代/男性/個人事業主)
・住宅を購入すればもう引っ越すことは考えないから、隣近所の情報が分かれば最初に知っておきたかった。(50代/女性/無職)
・事前に地域の治安などについて、不動産屋に確認すればよかった。(20代/男性/正社員)
・住宅を購入すると、一生その場所に住む可能性が高いので、近所にどんな人が住んでいるか、治安のいい場所かは絶対に知っておきたいです。(30代/女性/パート・アルバイト)
・街並みや雰囲気、どんな人物が住んでいるかは特に知りたかったことです。(30代/女性/正社員)
・できるだけ周辺で生活が完結するようにしたかったので、役所や病院、商業施設などを調べました。(40代/男性/正社員)
・近所に買い物できる場所や、病院、学校が多数あるかどうか知りたかった。(40代/男性/個人事業主)
・地域の自治体の活動や、ゴミの分別、周辺に子どもを育てていく上で必要な環境があるのかないのか。(30代/女性/個人事業主)
・町内会の詳細についてと、ご近所や町内会の評判を知っておきたかったことです。通りを1本挟んだ向こう側の住宅地では、町内会に入ることは自由で、町内会自体もほとんど行事を行わないところでした。事前に知っていればそちら側の物件を購入したのにと後悔しています。(50代/女性/専業主婦(主夫))
・住宅購入前に、「これは知っておきたかった!」と思う知識は、町内会の付き合い方です。(40代/女性/個人事業主)

【ハザード情報について】
・地震対策として、地盤の硬さや土地の過去の利用方法についてです。(50代/男性/正社員)
・浸水地域かどうかです。これは近年よく言われるようになった言葉ですが当時はあまり知られていなかったので、事前に知っておきたかったです。(30代/女性/パート・アルバイト)
・河川の氾濫等による、浸水の危険性についての情報。購入後十数年経過した今、購入前に知っておけばと感じることがあるので。(50代/男性/正社員)

これから長く住み続けていく周辺地域、地盤・ハザード情報について、事前にしっかり情報を得ておきたかったという人も多くいました。近隣施設や治安、地域・住民の雰囲気のだけでなく、ゴミの分別、町内会システムを事前に知っておきたかったというリアルな声も届いています。

必要としなかった人も!積極的な情報収集により納得した背景も

一方、約2割の人は知っておきたかったことは「ない」と答えています。

・住宅販売会社の話を聞いて、必要な内容はすべて把握できたから。(30代/男性/正社員)
・建売住宅なので、購入前に近隣の雰囲気などを下見しました。そのため、ほかに知りたい情報はありませんでした。(30代/女性/個人事業主)
・よく考えて購入を検討したので、基本的には満足していて特に知っておきたかった事はないです。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・住宅雑誌を購読したり、住宅をすでに購入した友人に前もって相談したりときっちり予習してから購入に踏み切ったので。(40代/女性/公務員)
・逆に全般的な知識が少なかったので色々と勉強した。セカンドオピニオンも活用した。(50代/男性/正社員)
・いろいろとあるかもしれませんが、終わってみたらなんとかなっていました。(40代/女性/個人事業主)

こちらの回答者からは、『住宅購入に際して積極的に情報収集した』という共通点があるようです。住み始めてから後悔しないためには、住宅会社の担当者としっかり話し合うことが大事ですよね。住宅のある場所まで足を運ぶことや、自ら進んで学ぶ必要があることもわかりました。熟慮したうえで購入すると納得できますが、判断に迷うときは第三者のアドバイスがヒントになるかもしれません。このような人が多いなか、楽観的な考え方にも注目されます。どこまでを必要範囲とすべきか、知識の範囲には個人差が見られるようですね。

住宅購入の前にはいろいろな方面から情報収集を!

住宅を購入するときは、そこでの生活をシミュレーションすることが大事なことがわかりました。暮らし始めてから不測の事態に慌てないためにも、使い勝手やまわりの環境なども含めて、しっかり状況確認する必要があります。そのうえで、住宅ローン関連の情報をきちんと把握することが大切です。また、住宅ローンの支払いだけでなく、持ち家ならではの費用についても知ることが大事ではないでしょうか。購入した住宅で快適な生活を送るためにも、いろいろな方面から情報収集していきましょう。

■調査地域:全国
■調査対象:年齢不問・住宅購入経験者の男女100人
■調査期間:2020年2月7日~21日
■有効回答数:100サンプル

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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