毎日の暮らしをちょっと幸せにしてくれるおいしいパン。「絶品パンさんぽ」は、「365日、パンのことで頭がいっぱい!」というライター・斎藤若菜さんが、地元の人に愛されるとっておきのベーカリーをめぐる連載です。第4回は注目のエリア、「清澄白河」駅周辺のパン屋へ。前編となる今回は、地元で人気のベーカリーとカフェをめぐります。

清澄白河ってどんなところ?

2000年に開設された「清澄白河」駅周辺は、江戸情緒を残しつつ急速に発展。今ではおしゃれなショップが点在する注目のエリアです

今回訪れたのは、東京メトロ半蔵門線と都営大江戸線が乗り入れる「清澄白河」駅周辺。「大手町」駅や「上野御徒町」駅へ電車で10分以内の立地で、「渋谷」駅や「六本木」駅にも乗り換えなしでアクセスできます。

清澄橋から見た仙台堀川。川沿いに枝を広げる桜が水面に映り、春は絶好のお花見スポットになります

清澄白河といえば、東京都の名勝に指定されている「清澄庭園」をはじめ、自然を間近に感じることができるスポットが多く、散策にぴったりのエリアです。清澄庭園に隣接している「深川図書館」の趣ある佇まいも必見。東京都現代美術館やアートギャラリーが点在する「アートの街」であり、近年は「カフェ激戦区」としても知られています。

「ブーランジェリー パンタレイ」と「野菜のちから」は後編で紹介します

アートとカフェのイメージが強い清澄白河ですが、実はベーカリーやパンを置くショップも充実しています。今回は、その中でも特に気になる4つのお店を訪問しました。

ひよこが描かれた赤い提灯が目印「コトリパン」

まずは、清澄白河駅から徒歩10分、門前仲町駅からも徒歩圏内の小さなパン屋さん「コトリパン」へ。

コトリが目を引くすだれや赤ちょうちんは手づくり。「老若男女に親しまれる店にしたい」という思いが込められているそうです
10年以上修業を積んだ経験をもとに、多岐にわたるパンを手がける辻由香里さん(左)と総菜パンなどを担当している大川泰功さん(右)
バニラビーンズ入りのカスタードクリームとチョコレートクリームが入った「コトリパン」150円

気軽に入りやすい、老若男女に親しまれる店

オーナーの辻由香里さんは、大手ベーカリー勤務を経て、横浜や三鷹のブーランジェリーで働いてきました。最後の勤め先で出会ったのが、脱サラを経てパンの世界に飛び込んだ、大川泰功さん。そのお店が閉店することになり2人で独立し、2012年春に「コトリパン」をオープンしました。当初は近隣にパン屋さんがほとんどなかったなか「老若男女に親しまれる店にしたい」と、気軽に入りやすい内装や価格帯、あんぱんやメロンパン、コロネといった王道のパンを網羅したラインナップにもこだわっています。
店名の由来は、小鳥のペットショップ跡地で開店を検討していたことから。気軽に足を運んでもらえるように、ブーランジェリーでもベーカリーでもなく、「パン」を名前に取り入れています。

「コトリパン」は、1日36~48個ほど焼く人気商品。描かれているコトリは、辻さんがひとつずつ手描きで仕上げています
店内には定番商品を中心として、季節限定商品も随時並びます

おすすめの来店時間は、たくさんの種類が並ぶ10:00~12:00

数人でいっぱいになってしまうような小さなお店ですが、取り扱っているパンは100種類以上! ただし、1種類につき6個ほどしか製造していないパンも多いため、より多くの種類を体感したければ、10:00~12:00頃の来店がおすすめとのこと。
地元の人々がこぞって購入するという食パンは、1日20斤ほど焼いています。10時から販売を開始し、1人1斤限定にも関わらず、11:00には売り切れてしまうという人気商品です。

調理パンは、食パンと同じ生地を使用。「食パンがほしかったのに人気で買えなかった」という場合、まずは総菜パンで味を知るのも一つの方法かもしれません
大川さんのおすすめ、白パンにさまざまな総菜を挟んだサンドは常時10種類以上

「近隣で働く人に、ワンコインの社食感覚で利用してもらいたい」

上から時計回りに「ラザニアロール」100円、「イカメンチ白パンサンド」150円、「コトリパン」150円、「プチフレンチトースト」50円(通常サイズは150円)で合計450円。「プチフレンチトースト」を入れなければ、飲み物を買ってもワンコインでランチを楽しめます

辻さんや大川さんがかつて働いていたブーランジェリーはハード系のパンが主で、やや高価格帯だったそうです。しかし「独立したら、自分たちの店は老若男女問わず親しみやすい、下町らしい店にしたい」と考えていたとのこと。100円・150円・200円をメインとする同店の価格帯には「理屈抜きでおいしいパンを日常的に購入できる価格で提供したい」という思いが込められています。
「近隣の会社に通うサラリーマンがワンコインでランチとして利用できる店にしたい」と考え、パンを3つと飲み物を購入して500円に収まるように設定しているそう。日常使いの一軒として「近所にほしい」と思わずにはいられないお店でした。

コトリパン
住所:東京都江東区福住2-7-21
営業時間:8:00~パンがなくなり次第終了 ※食パン類は10:00〜
定休日: 月曜
公式ホームページ:https://www.instagram.com/cotoripan/
Twitter:@cotori_pan      

コトリパン×コーヒー「ARiSE Coffee Entangleアライズ コーヒー エンタングル」

清澄白河は「ブルーボトルコーヒー」の日本1号店がある街としても有名で、ここ数年は、本格的なコーヒー店が多数集まるエリアとして知られています。続いて向かったのは、自家焙煎コーヒーに定評がある「ARiSE COFFEE ROASTERS(アライズコーヒーロースターズ)」が2014年にオープンした「ARiSE Coffee Entangleアライズ コーヒー エンタングル」です。

ブルーボトルコーヒーがある街として知られる清澄白河
「アライズコーヒーロースターズ」は、「ブルーボトルコーヒー」の目と鼻の先にあります
店外にも店内にもディスプレイしているツタのオブジェは、タイで買い付けたもの
かつてはブルーボトルコーヒーに勤務しつつ、アライズコーヒーロースターズにお客さんとして通っていたという藤森さん(左)と店長の松本さん

コトリパンのバゲットを使用したサンドイッチとコーヒーを楽しめる!

店内では淹れたてのコーヒーとともに、コトリパンのバゲットを使ったサンドイッチを提供しています。定番のサンドイッチは「ハムとカマンベールのサンドイッチ」「生ハムとルッコラのサンドイッチ」「ザワークラウトとソーセージのサンドイッチ」の3種類。コトリパンにはイートインスペースがないため、ゆっくりパンを味わいたい人はこちらに足を運ぶと良さそうです。

ちなみに、「アライズコーヒーロースターズ」ではコトリパンのパンを10~14種類程度販売しています。パンは毎朝オーナーがコトリパンに足を運び、自身がコーヒーと合うパンをセレクトしています。中でもフレンチトーストはファンが多いとのこと。本格的なコーヒーとコトリパンのコラボを楽しめます。

1番人気「ハムとカマンベールのサンドイッチ」450円は食べ応え抜群。コーヒーともよく合います

産地の異なるコーヒーを飲み比べる楽しみを

コーヒーは、注文を受けてから1杯ずつ、ハンドドリップで丁寧に入れて提供されます。同じ品種でも産地により味が異なるため「産地別で味を飲み比べてほしい」と、店長の松本さん。今回はおすすめの、タイとドミニカのコーヒーを飲み比べてみました。
タイ産のコーヒーを飲むのは初めての経験でしたが、タイはアジアのコーヒー生産国の中でも近年注目を集めていて、ここ5年ほどで品質が各段に向上しているとのこと。あっさりとした飲みやすいコーヒーで、どんなパンとも合いそうな味に感じました。一方、ドミニカ共和国産のコーヒーは、一口飲んだだけでベリー系の甘みと香りを感じ、コトリパンで販売しているベリー系のタルトなどがよく合いそうです。

タイ北部ドイ・チャンにあるウサミ農園のコーヒー(左)は、穀物のような香ばしさが特徴。本店の「アライズコーヒーロースターズ」でも人気が高いドミニカの「プリンセサ ワイニーナチュラル」(右)はいちごのような果実味が強く、味わいの違いに驚かされました
コーヒーは全て中煎り。常時6~9種類程度の豆を常備しています
ハンドドリップで一杯ずつ、丁寧に淹れたコーヒーを楽しめます
白と黒を基調とした店内はゆったりとしたつくり。常連客がスタッフと会話を楽しみながらのんびりとくつろぐ姿が印象的でした

アライズ コーヒー エンタングル
住所:東京都江東区清澄3-1-3
営業時間:9:30~18:00
定休日:火曜
公式ホームページ:http://arisecoffee.jp/

後編では、行列のできるベーカリーやパンと野菜を楽しめる八百屋さんをめぐります。お楽しみに!

※営業時間や税込み価格、パンの焼き時間など、記事内の情報は取材時点(2020年1月)のものです。変更される可能性がありますので、お出かけの際はホームページなどで最新情報を確認ください

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(最終更新日:2020.11.17)
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