ドラマでも話題「コーポラティブハウス」のメリット・デメリットとは?

テレビドラマに出たことでも話題になった「コーポラティブハウス」をご存じでしょうか。こだわりがつまったマンションを探している人にぴったりの集合住宅です。
マイホーム選びの新たな選択肢ともいわれるコーポラティブハウスとは、一体どんなものなのでしょうか。コーポラティブハウスはどうやって建てられるのか、メリット・デメリットについてご紹介します。

コーポラティブハウスとは

コーポラティブハウスとは、入居を希望する人たちが組合をつくり、自らが事業主となって建物の企画・建築を行う集合住宅のこと。テレビドラマ『隣の家族は青く見える』(フジテレビ系)で初めて知ったという人も多いのではないでしょうか。
現在、戸建ての注文住宅と分譲マンションの両方のメリットを兼ね備えているコーポラティブハウスの注目度が上昇中なんです。

コーポラティブハウスのメリット

ライフスタイルに合わせ自由に設計できるコーポラティブハウス

それでは、コーポラティブハウスのメリットをチェックしていきましょう。
1.自由に設計できる
コーポラティブハウス最大のメリットは、なんといっても設計が自由であること。戸建ての注文住宅と同様、自分のライフスタイルに合わせた住まいづくりができます。間取りはもちろん、キッチンやバスルームなどの設備も自由な選択が可能。自分の趣味嗜好を反映させた、世界にひとつだけの「理想の生活空間」をつくることができます。
2.価格が安く済み、透明度も高い
コーポラティブハウスは、入居希望者が全員決まってから計画がスタートします。物件が既に埋まっている状態なので、モデルルームなどの広告宣伝費を使う必要がありません。したがって、通常の分譲物件に比べると低価格となります。

また、コーポラティブ方式は、土地の仕入れや建物の建設などを居住者自らが行います。事業費はすべてガラス張りとなり、自分たちの希望に合った建物にするために予算をコントロールすることが可能です。
3.良好なコミュニティ
コーポラティブハウスは居住者同士の一体感が生まれやすく、良好なコミュニティが期待できます。

コーポラティブハウスに入居を希望すると、住居が完成するまでの間、他の入居希望者とコミュニケーションをとる機会が多くあります。この間にお互いの価値観のすり合わせなどを行えば、入居するときにはお互いのことがよくわかっている状態で新生活がスタートします。
コーポラティブハウスが完成した後も、「自分たちでつくった」という意識が強いことから、建物に愛着が湧き、入居後の管理もしっかり行われるケースが多いといわれています。

コーポラティブハウスのデメリット

こだわりの強さがかえってデメリットになることも

コーポラティブハウスのデメリットは大きくふたつ。メリットの裏返しともいえるでしょう。
1.売却しにくい
コーポラティブハウスの物件は個性の強いものが多く、売却時に買い手が見つかりにくいといわれています。こだわりのあまり、間取りや設備が個性的となって、誰もが問題なく使えるものではないからです。自分好みの設計が可能なコーポラティブハウスの特長が、売却時にはデメリットに転じます。
2.完成までに時間がかかる
コーポラティブハウスのもうひとつのデメリットは、完成までに時間がかかること。早期入居を希望する場合には向いていません。

組合の立ち上げからコーポラティブハウスの完成までの期間は、1年半から2年が目安です。この間、参加者全体、または建築家との打ち合わせなどが定期的に行われます。理想の生活空間をつくるための重要なプロセスですが、一般の分譲マンション購入に比べると、はるかに手間がかかります。

コーポラティブハウスのトラブル事例

完成までの間にトラブルが起こることも

入居希望者同士が密にコミュニケーションをとって建築するコーポラティブハウスであっても、やはりトラブルは避けられないようです。

ひとつとして建築前のトラブルに、計画自体がなくなってしまうことが挙げられます。組合の立ち上げから完成までの間、入居予定者の資産状況が悪くなるなどの環境の変化が起こることも。また、入居希望者が揃わないことには組合が成立せず、計画もスタートできません。

組合立ち上げ後に起こるトラブルには、入居予定者同士の意見がまとまらないことがあります。コーポラティブハウスを選ぶ人は住まいに対するこだわりが強く、自由度が高いことも相まって、打ち合わせ時に意見をまとめるのが大変な作業となります。

そして完成後のトラブルが、近所付き合い。密にコミュニケーションをとってきた分、距離が近づきすぎてしまい、近所付き合いが煩わしくなることもあるようです。

コーポラティブハウスとコレクティブハウスの違い

コーポラティブハウスに似た「コレクティブハウス」というものも存在します。似た名前ではありますが、一体どこが違うんでしょうか。

コレクティブハウスとは、個々の住居以外に「コモンキッチン」「コモンバスルーム」などと呼ばれる共有スペースを持つ賃貸住宅のことです。
住まいを「つくる」コーポラティブハウスに対し、コレクティブハウスは住まいを「借りる」点が特徴。双方とも共有スペースの維持・運営に対してルールを守ることが必要です。しかし、コーポラティブハウスがルールつくりから携わることができる一方、コレクティブハウスは既存のルールに従う必要があります。
また、コレクティブハウスには「コモンミール」と呼ばれる、日々の食事を当番制でつくる仕組みが存在することも、コーポラティブハウスとの大きな違いといえるでしょう。

コーポラティブハウスとコレクティブハウス。言葉は似ていますが異なる部分が多いため、混同しないようにしましょう。

コーポラティブハウスでマイホーム選びの選択肢が広がる

戸建ての注文住宅と分譲マンションの両方のメリットを兼ね備えているコーポラティブハウス。住まいにこだわりたい方、“理想の生活空間”をつくりたい方に最適の住居といえるでしょう。デメリットも少なからず存在しますが、自分のライフスタイルに合わせたこだわりの住居が欲しいという方にはおすすめです。
戸建ての注文住宅、分譲マンションに続く選択肢として、検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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