【キャッシュレス】7割がポイント還元事業が終わっても前向き(調査)

2019年10月1日の消費税率引き上げに伴う消費の冷え込み対策として「キャッシュレス・ポイント還元事業」が実施されたことから、2019年は様々なキャッシュレス決済の方法が登場し、「キャッシュレス決済元年」ともいわれました。さらに政府は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックや2025年の大阪万博開催に向けてキャッシュレス決済を推進していますが、クレジットカードの不正利用や個人情報の流出など、消費者が抱く不安は大きく、2025年までにキャッシュレス決済比率40%を目指す経済産業省の目標を達成するのは難しいとみられています。そんななか、ゼネラルリサーチ株式会社が全国20代〜60代のキャッシュレス決済ユーザーを対象に行った「キャッシュレス決済」に関する調査から、消費者がキャッシュレス決済についてどのように捉えているか考えました。

QRコード決済は若年層の利用が多く、クレジットカードは60代の9割以上が利用

キャッシュレス決済を利用したことがあるか尋ねた質問では、82.8%が「ある」と回答しました。

出典:ゼネラルリサーチ株式会社「キャッシュレス決済」に関する調査

一般社団法人キャッシュレス推進協議会の「キャッシュレス・ロードマップ2019」によると、2016年のキャッシュレス決済比率は韓国の96.4%やイギリスの68.6%に対し、日本は19.9%と低い水準であることが分かっていますが、大多数の人はキャッシュレス決済を利用した経験があることが分かります。

次に、どのような決済方法を利用しているのか年代別に聞いた質問では、以下のような結果になりました。

出典:ゼネラルリサーチ株式会社「キャッシュレス決済」に関する調査

クレジットカードでの決済は、年齢が上がるにつれて利用率が高まっていることが分かります。JCBの調査によると、20代男性のクレジットカード保有率が65.1%なのに対し、60代男性では91.0%となっており、女性も同様に年齢が上がるほど保有率が高くなっています。このことから、クレジットカード保有率と利用率がリンクした結果といえそうです。また、高いポイント還元率から近年注目を浴びているQRコード決済についてみてみると、PayPay、LINE Pay、メルペイなどは、年代が若くなるほど利用率が高くなることが分かりました。総務省の平成30年度版情報通信白書によると、20代・30代のスマートフォン保有率は90%を超えており、若年層はスマートフォンの操作に慣れていることから、スマートフォンアプリを通して決済するQRコード決済を選択する人が多い傾向にあると考えられます。

キャッシュレス・ポイント還元事業終了後も、約7割がキャッシュレス社会に前向き

キャッシュレス決済を利用し始めたきっかけとして、男性の44.1%・女性の53.5%が「ポイント還元が魅力だから」と答えており、キャッシュレス・ポイント還元事業は、キャッシュレス決済の普及に対して一定の効果があったと考えられますが、この制度は2020年6月で終了することが決定しています。ポイント還元が終了してもキャッシュレス決済を利用し続けるか尋ねた質問では、86.3%が「はい」と答えました。

出典:ゼネラルリサーチ株式会社「キャッシュレス決済」に関する調査

自由回答で寄せられたそれぞれの理由として次のような声が寄せられています。

『はい』
・キャンペーン終了は残念だが支払い時モタつかず便利だから(埼玉県/40代/女性/専業主婦)
・以前から日常的に使用していたから(千葉県/40代/女性/パート・アルバイト)
・クレジットカードのポイントは継続してもらえるから(東京都/30代/男性/パート・アルバイト)
・いつもクレジットカードを使っていて便利だし、支払いは後日なので助かる(大阪府/50代/女性/会社員)
・キャッシュレス決済自体が便利だから(長崎県/30代/男性/会社員)
『いいえ』
・現金の方が楽(奈良県/20代/男性/会社員)
・お得なポイントが付かないなら使う理由がない(神奈川県/40代/女性/パート・アルバイト)
・スマホのアプリを立ち上げてバーコードを見せるという操作が面倒(愛知県/50代/女性/パート・アルバイト)

これらを見ると、必ずしもポイント還元だけが理由でキャッシュレス決済を利用しているのではなく、利用者のライフスタイルに合った方法で決済方法を選んでいることが分かります。

また、キャッシュレス社会は良いと思うかどうか尋ねた質問では、69.0%が高い利便性を理由に「良いと思う」と回答する結果になったことからも、今後日本でも、キャッシュレス決済が主流になっていくと予想されます。

出典:ゼネラルリサーチ株式会社「キャッシュレス決済」に関する調査

まとめ

今後決済は現金かそれ以外かどちらを中心にするか尋ねたところ、「現金以外の決済方法」と回答した人は67.0%にのぼりました。キャッシュレス決済は、現金を持ち歩く必要がなくなること、会計時間の短縮、決済履歴がデータ化されることにより家計管理が容易になることなど、消費者にとってメリットの多い決済方法といえます。先のグラフにあった個人情報の流出や不正利用などの不安要素が解消されれば、政府が将来的な目標とするキャッシュレス決済80%が実現する日は近いかもしれませんね。

【調査概要】
「キャッシュレス決済」に関する調査
調査期間:2020年1月16日(木)~ 2019年1月18日(土)
調査方法:インターネット調査
調査人数:1,060人
調査対象:全国20代〜60代のキャッシュレス決済ユーザー
調査主体:ゼネラルリサーチ

ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:ゼネラルリサーチ株式会社

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