マンションを探している際、「低層住居専用地域」という用語を目にすることも多いのではないでしょうか。「低層住居専用地域」とは、その名の通り、主に低層住宅のための地域で閑静な住宅街として高い人気を誇ります。
「低層住居専用地域」が具体的にはどのような地域なのか、そしてこの地域に多く建つ低層マンションにどのようなメリットがあるのかについて説明いたします。

低層マンションとは

マンションにはさまざまな分類がありますが、高さ(階数)によって分類する場合はおおむね以下の通りとなります。

・2~3階建て:低層マンション
・4~5階建て:中層マンション
・6~19階建て:高層マンション
・20階建て以上:タワーマンション

第一種・第二種低層住居専用地域とは

第一種・第二種低層住居専用地域は低層住宅のための地域

都市計画法で定められた13種類の「用途地域」のうち、低層住宅のための地域を「第一種低層住居専用地域」「第二種低層住居専用地域」と呼びます。

第一種低層住居専用地域とは

「第一種低層住居専用地域」は都市計画法で定められた「用途地域」のひとつで、低層住宅の良好な住環境を保護する地域です。
良好な住環境を保護するため、主に以下のような制限が定められています。

・建築物の高さは10mまたは12m以下としなければならない
・道路や隣地との境界線から建物の外壁までの距離を1mまたは1.5m離さなければならない
・建ぺい率(敷地面積に対する建築面積)は30~60%
・容積率(敷地面積に対する建築延べ面積)は50~200%

以上の理由により、主に1~3階建ての一戸建てや低層マンションがゆったりと立ち並ぶような住宅街が形成されるケースが多くなっています。

なお、第一種低層住居専用地域に建築できるもの、建築できないものもあります。

第一種低層住居専用地域に建築できるもの
居住専用の住宅、個人の住宅兼事務所や一定規模以下の住宅兼店舗、アパート・マンション、寄宿舎・下宿、図書館等、幼稚園、小学校、中学校、高校、一般の公衆浴場、老人ホーム等、診療所、派出所、郵便局、保育所、神社、寺院、教会

第一種低層住居専用地域に建築できないもの
大学、専修学校、店舗、事務所、工場、病院、ホテル・旅館、遊戯施設・風俗施設、自動車教習所など

第二種低層住居専用地域とは

「第二種低層住居専用地域」は、都市計画法で定められた「用途地域」のひとつで、主として低層住宅の良好な住環境を保護する地域です。

第一種低層住居専用地域との違い
第一種低層住居専用地域との違いは、小規模な飲食店や店舗などの建築が可能なことです。建ぺい率、容積率などの制限は第一種低層住居専用地域と同様に厳しいものの、店舗を建てることのできる地域でもあるので、第一種低層住居専用地域の住宅街の道路よりも少し道幅が広く、道路に面した場所が指定されることが多いです。

第二種低層住居専用地域に建築できるもの
第一種低層住居専用地域で建築できるものに加え、以下のものが建築可能です。
・2階以下で床面積が150平方メートル以下のコンビニエンスストアや飲食店など
・2階以下で作業場の床面積が50平方メートル以下のパン屋等の工場

第二種低層住居専用地域に建築できないもの
第一種低層住居専用地域で建築できないものから、上記「第二種低層住居専用地域に建築できるもの」を除いたもの

「第一種・第二種低層住居専用地域」が低層マンションにもたらすメリット・デメリット

低層マンションはメリットが多数

「第一種・第二種低層住居専用地域」と呼ばれる地域は低層マンションにメリットをもたらしています。

まず、低層マンション自体のメリットは以下の通りです。

低層マンションのメリット

・エレベーター待ちが少ないので、ストレスが少なくて済む
・地震や災害、エレベーターの故障点検時にも階段で楽に移動できる
・同じ間取りの部屋が多いので似た家族構成が集まり、コミュニティが作りやすい
・住んでいる人が少なく周囲にどんな人が住んでいるか分かるので、防犯面で安心できる

そして「第一種・第二種低層住居専用地域」に低層マンションが建てられることで、さらなるメリットが生まれます。

第一種・第二種低層住居専用地域のメリット

1.日当たりの良い住環境

最大のメリットは、住環境の日当たりが良いことではないでしょうか。制限により高層ビル・マンションなどの高い建物が建つことがないため、日当たりを十分に確保することができます。
また、マンション購入後に新たな別のマンションが建ち、日照権が侵害されるようなこともありません。

2.ゆったりとした住空間

第一種低層住居専用地域には高い建物が存在しないことと、道路や隣地との距離があることから、ゆったりとした住空間となりやすいのです。

3.自然が豊か

第一種低層住居専用地域では、建物の建ぺい率が低いことから庭が広くなります。必然的に自然豊かな街になり、緑に囲まれた生活を送ることが可能です。

4.価格変動が起こりにくい

第一種低層住居専用地域にはさまざまな制限があることで、理想的な住環境である“日当たりの良い閑静な住宅地”がずっと保障されます。そのため、価格の変動が起こりにくいのです。

第一種・第二種低層住居専用地域は豊かな自然がメリット

第一種・第二種低層住居専用地域のデメリット

第一種・第二種低層住居専用地域にはデメリットも存在します。
第一種低層住居専用地域は、スーパーマーケットやショッピングモールなどの施設が周辺にないため、利便性は決して高くありません。一方、第二種低層住居専用地域にはコンビニなどの施設があるため、第一種低層住居専用地域に比べて利便性は上がりますが、その分、静かさが失われます。
駅から離れている場所も少なくないので、必然的に移動には車が必要となります。通勤、通学には不便でしょう。
また、建築規制が厳しいため、後年家のリフォームを行うのが難しいこともデメリットのひとつです。

マンションを探すときは「低層住居専用地域」に注目

閑静な環境のマンションを探しているときには、「用途地域」にも注目してみましょう。「第一種低層住居専用地域」と「第二種低層住居専用地域」は良好な住環境が保たれており、低層マンションでゆったりと暮らしたいという人に最適です。
ただし、生活の利便性がやや低いというデメリットも存在するので、ご自身のライフスタイルに照らし合わせてマンションを選ぶことをおすすめします。

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