近年のインターネットを利用した通信販売(EC)市場の拡大などにより、宅配便の需要は急速に伸びています。国土交通省の報告によると2008年度は約32.1億個だった宅配便取扱個数が、2018年度には約43億個と、10年間で3割以上も増加していることが分かっています。また、食料品や日用雑貨の購入に通信販売を利用する例も増えており、もはや宅配便は生活の中で欠かせない存在となったといえるのではないでしょうか。

一方で、全体の取扱個数のうち約2割が再配達になっているという現状があることも事実です。再配達によるCO₂の排出量増加や労働生産性の低下は社会問題化しており、政府は2020年度の再配達率を13%程度にすることを目標に掲げています。そこで今回は、再配達率削減のために各社が行っている実証実験について掘り下げて見ていきます。

再配達率49%→8%に減少した例も! 相次ぐ宅配ボックスの実証実験

宅配便の再配達によるCO₂の排出量増加や労働生産性の低下が社会問題となったことを受けて、不在時の受け取りを可能にする宅配ボックスを使った、再配達率削減の実証実験が各地で行われています。具体的な実証実験をいくつか紹介します。

パナソニック株式会社

2016年11月中旬から2017年3月31日に、パナソニック株式会社が福井県あわら市と共同で行った宅配ボックスの実証実験では、開始前に49%だった再配達率が実証実験開始後4ヶ月平均で8%に減少したという結果が出ています。

次に、2017年11月8日から2018年1月31日に、京都市などと共同で行った実証実験では、アパート用の宅配ボックスを設置した結果、学生アパートでの再配達率が43%から15%に減ったことが分かっています。

さらに、2018年12月3日から2019年1月31日にかけて世田谷区の子育て家族50世帯に宅配ボックスを設置した実証実験では、再配達率が34%から14%に減少。

どの実験でも大幅に再配達率を削減できたことが分かっています。またこれらの実証実験から、宅配ボックスの利用によって再配達依頼の手間や荷物の受け取りのための待ち時間の解消が可能となり、受け取る側のストレスを軽減させる効果があることも分かっています。

株式会社LIXIL

LIXILはIoT宅配ボックスを利用した実証実験を実施中です。このIoT宅配ボックスにはセンサーとカメラが内蔵されており、荷物が届くとスマートフォンへ通知される仕組みになっています。

また、複数の荷物を受け取ることができたり不在時に集荷依頼をすることもできたりするのが特徴です。2019年5月1日から9ヶ月の間行われる予定の同実験ですが、2019年9月に発表された中間報告によると再配達率が41%から16%に減少したことが分かっています。

こちらも9割以上のユーザーが、受け取りに関するストレスが軽減されたと答えており、日々の暮らしに変化や効果がみられることが分かっています。

置き配バッグ「OKIPPA」による実証実験も実施

LIXILによると戸建て住宅の宅配ボックス普及率は1%未満となっており、設置工事が必要な場合が多いことと、コストが高めになることがネックになっていると考えられます。そこで、宅配ボックスに代わる不在時の荷物の受け取り手段として注目されているのが、Yper株式会社の置き配バッグ「OKIPPA」です。

OKIPPAとは、玄関先などにつりさげて宅配ボックスのように利用できるバッグ型の簡易宅配ボックスのこと。設置が簡単なのが特徴で、専用のOKIPPAアプリと連動させれば荷物が届いた際に通知が届くシステムとなっています。省スペースで利用可能なので、戸建てだけでなく、コーポやアパートといった集合住宅でも利用できそうです。

Yper株式会社が2018年12月の1ヶ月間、東京都杉並区の1,000世帯を対象にOKIPPAを無料配布して行った実証実験では、再配達率が61%削減されたことが分かっています。また、参加者の過半数が満足度80点以上と答えているだけでなく、配達を担当した社員の94%が「OKIPPAを(配達先に)利用してほしい」と述べており、受け取り手だけでなく配達する側にとってもメリットが高いことがうかがえます。

同社は今回の実証実験で大きく再配達率を削減できたことから、100万個のOKIPPA設置を目標に掲げており、それにより再配達率を現状の半分以下に短期間で削減できると見込んでいます。

まとめ

各企業の実証実験の結果から、宅配ボックス、置き配バッグともに、再配達率の削減に大きく貢献していることが分かってきています。OKIPPAを使った実証実験は今後も続く予定で、2020年1月20日から2月16日の期間、大阪府八尾市で1,000世帯を対象に実施されることが決定しています。設置方法が簡単で大型の荷物も受け取り可能なOKIPPAに対して、今後も大きな期待が寄せられています。

ニュース提供元:PRTIMES
情報提供元:Yper株式会社

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