若手社会人の7割が「生活に不安」と回答、年金問題等が背景か(調査)

老後2,000万円問題や年金問題を背景に、老後に不安を持つ若者が増えています。若者は就職先を選ぶ上で何を重要視しているのでしょうか。メンタルヘルスケア事業や就業障がい者支援事業を展開する株式会社アドバンテッジリスクマネジメントが、就活生、および入社1〜3年目の若手ビジネスパーソン824人を対象に実施した「企業の選定に際し重要視することや福利厚生への意識」というアンケートの調査結果から探っていきます。

企業選びは「業務内容」を重視、次いで「福利厚生」が上位に

企業を選ぶとき重視することについて尋ねた結果、「業務内容」73.4%、「給与・昇給・昇格」68.8%、「勤務時間・所在地」66.3%、「福利厚生」61.8%の順に上位を占め、企業名などの「会社概要」は低い結果となりました。「企業の雰囲気」や「従業員を大切にしている」などの職場環境も上位に挙がっていることから、若者にとって安心して働ける環境が整っていることが就職先を選ぶ大きなポイントとなっているようです。

Q.企業を選ぶとき、どのような点を重視していますか?(いくつでも)(n=824)

出典:株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント ホームページ

7割近くが「生活に不安」と回答、「安定的な収入」に最も不安を感じている

「生活において不安がありますか」という問いに、「あてはまる」「ややあてはまる」と答えた人は全体の67.9%に上りました。その内訳は「安定的な収入」52.1%、「今後のキャリア」47.0%、「今後のマネープラン」39.0%でした。年金問題などを背景に、将来の安定した収入に対して不安を感じている若者が多いことがわかります。

Q.生活において不安はありますか?(n=824)

出典:株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント ホームページ

Q.どんなことに不安を感じますか?(n=824)

出典:株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント ホームページ

魅力ある福利厚生は「病気やけがをした時の給与の補償」

「どんな福利厚生に魅力を感じますか」という問いでは、「病気やけがをした時の給与の補償」が54.7%と最も多い結果となっています。次いで「企業年金制度」45.1%、「社有社宅や独身寮の提供」44.1%、「病気やけがをした時の治療費などの補償」40.7%と続き、生活を支援してくれる制度への関心が高いことがうかがえます。一方で「レジャー関係の補助」25.8%、「カフェテリアプランの利用」19.1%のように、業務や生活支援とは直接関係のない、個人の自由な意志に委ねるものにはあまり魅力を感じていないことがわかりました。

Q.どんな福利厚生に魅力を感じますか。(いくつでも)(n=824)

出典:株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント ホームページ

働けなくなった場合の補償制度は?

それでは社員が病気やけがなどで長い期間働けなくなった場合、どのような補償制度があるのでしょうか。公的な制度として「傷病手当金」と「障害年金」が挙げられます。

【傷病手当金】
健康保険から給付されるもので、業務外でのけがや病気で休業中に被保険者とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。被保険者が病気やけがのため連続して休まなければならない場合、有給休暇の日数を超えて、4日目以降休んだ日に対して支給されます。休業してから最長1年6カ月の間、支給開始日の以前12カ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)が支給されます。

【障害年金】
公的な年金の一つで、20歳〜65歳の間に病気やけがによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取ることができます。初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は「障害基礎年金」、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」が請求できます。

長期休業を余儀なくされている従業員はどのくらい?

厚生労働省の調査によると、厚生年金被保険者3,495万人に対し、長期休業によって障害給付を受けている人は43万人に上っています。障害厚生年金は退職後も65歳までは受け取れるため、現職者の数とイコールではないものの、厚生年金被保険者の約90人に1人が長期休業による障害給付を受けていることになります。
(平成30年1月現在の厚生年金保険・国民年金事業の概況より)

アドバンテッジマネジメントが実施したアンケート調査では、「GLTDという制度を知っているか」という問いに「知らない」「あまり知らない」と答えた人は全体の75%でした。一方で、「福利厚生制度としてGLTDに加入している企業を就職先として魅力と思いますか」の問いに「思う」「やや思う」が76.5%にも上りました。GLTD の認知度は低いものの、制度の内容についてはとても魅力に感じている人が多いようです。

Q.「GLTD」という病気やけがで働けなくなったときに最長で定年年齢までお給料を補償する制度は知っていますか。(n=824)

出典:株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント ホームページ

Q.「GLTD」は福利厚生制度として企業で加入できます。このような制度を設けている企業は就職先として魅力的と思いますか。(n=824)

出典:株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント ホームページ

まとめ

若者が就職先を選ぶとき、企業の業務内容だけでなく福利厚生を重要視していることがわかりました。特に「病気やけがをした時の給与の補償」には高い関心を寄せています。将来の見通しが立ちにくいことへの不安から、若者は安定して働くためのサポートを企業に求めているのかもしれません。GLTDへの加入など具体的な施策を講じることが、会社の魅力の向上や若者の採用、定着へつなげる大切な要素となりそうです。

[調査概要]
調査目的:若年層が就職先企業を選定するにあたり重視することや福利厚生への意識などの調査から企業に対する期待を考察する。
調査方法:インターネット調査
実施期間:2019年7月26日〜7月28日
調査対象:就活生及び社会人1,2,3年目の男女
サンプル数:824名(上記セグメントにて各103名)

ニュース提供元:PRTIMES

情報提供元:株式会社アドバンテッジリスクマネジメント

※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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