江戸時代、五街道の起点として日本の商業の中心だった東京・日本橋が、今、再開発によって大きく変わろうとしています。2004年に、官民共同で日本橋の大規模再開発プロジェクトが進められています。

古さと新しさを兼ね備えつつ、都市機能の多様性を追求

民間企業で主導権を握っているのは三井不動産株式会社です。同社は、日本橋の街づくりの中心にあるのは「人の温もり」とし、江戸時代の頃より培われてきた「心意気」「粋」の精神を、街が新しい形に変化しても未来へしっかり伝えるべきと考えています。再生計画の第1ステージでは、「残しながら、蘇(よみがえ)らせながら、創っていく」を開発コンセプトとし、2004年、同社により「COREDO日本橋」が建設され、開業しました。

第2ステージの期間では、日本橋二丁目地区の再開発を中心に行う計画です。計画は2019年の現在、第三ステージへと進んでいます。日本橋の街の魅力を生かしながら、「産業創造」「界隈(かいわい)創生」「地域共生」「水都再生」をキーワードに、ハードとソフトを融合させて街づくりを手掛けています。

2018年には「日本橋髙島屋三井ビルディング」が竣工となりました。このビルは、地上32階、地下5階、延床面積約14万8,000平方メートルの大規模複合施設。ビルの低層階には「日本橋高島屋ショッピングセンター」を中心としたテナントがあり、上層階はオフィスゾーンとなっています。9階には最大238名収容可能な「日本橋ホール」があり、会議、学会、セミナー、立食パーティーなどのシーンでの利用が可能です。

再開発の計画地内には、国の重要文化財である日本橋髙島屋、太陽生命日本橋ビルがあります。3つのビルをつなぐガレリア空間「日本橋ガレリア」が造られ、また、回遊性のある都内最大級の屋上庭園が出現。新たな賑わいが創出されることになりました。

新しい街区「GREATER日本橋」の誕生

三井不動産株式会社は2019年8月、再生計画の第3ステージの構想を発表しました。今期は、首都高を撤去した後の日本橋川の川沿いを中心とした「親水空間」を開発することになります。

再開発後の日本橋イメージ。江戸橋から、室町1丁目の親水空間を望む(三井不動産ニュースリリースより

旧日本橋エリアとは東京都中央区内の「日本橋」を住所に冠する21の町と八重洲一丁目を加えたエリアです。プロジェクトにより、旧日本橋エリアは「GREATER日本橋」と名付けられました。2019年9月に竣工した「日本橋室町三井タワー」と合わせ、オープンな街づくりを行う予定です。

第3ステージは「豊かな水辺の再生」「新たな産業の創造」「世界とつながる国際イベントの開催」がキーワードになります。首都高速道路の地下化に伴い、首都高速道路があった場所に、川幅を含めた幅約100メートル、長さ約1,200メートルの「親水空間」が生まれるため、そこに商業ビルを建設する予定です。

同社は2016年に一般社団法人「LINK-J」を設立し、地元に拠点に置く大手製薬企業、スタートアップ企業、大学の研究機関などが交流できるような機会を提供してきました。そのため、第3ステージでは、さらに多くのものを巻き込んだ街づくりをしたいと考えて商業ビルも、多くのシーンで活用される見込みです。今後は「食」や「宇宙」などの新領域も日本橋で取り組んでゆく予定です。

「GREATER日本橋」エリアは、2030~40年の完成を目指します。開発エリアは日本橋川沿いの敷地面積約6万7,000平方メートル、施設の延べ床面積約122万平方メートルで、5つの地区を再開発する予定です。

日本橋の再開発は、世界でも例のない独自の親水空間を創出した日本橋川沿いの魅力を生かしたもの。豊かな水辺の再生が実現し、日本橋川を船で行き来することで、浅草から羽田まで水運の回遊性も活用して人を呼び込むことも想定されています。日本橋再生計画により、江戸から続く水の都を世界に強くアピールすることができるでしょう。

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