毎日の暮らしをちょっと幸せにしてくれるおいしいパン。「絶品パンさんぽ」は、「365日、パンのことで頭がいっぱい!」というライター・斎藤若菜さんが、地元の人に愛されるとっておきのベーカリーをめぐる連載です。第1回の新高円寺に続き、第2回は「国立(くにたち)」駅周辺のパン屋へ。当日はあいにくのお天気でしたが、豪雨もなんのその! 前編となる今回は、食パンの専門店を紹介します。

国立ってどんなところ?

「国立」駅北口の様子。2020年には向かいに旧駅舎が再築される予定で、公共施設としての利用が決まっています

今回訪れたのは、文教都市として知られるJR中央線「国立」駅周辺。東京西部のターミナル駅「立川」の隣で、新宿駅から直通で30分程度の立地です。

四季折々の表情を見せる、国立のメインストリート「国立大学通り」(画像/PIXTA)

パンさんぽの合間に立ち寄りたいのが、南口からすぐの「国立大学通り」。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉、冬はイルミネーションが美しい並木道で、秋の恒例イベント「天下市」が開催されることでも有名です。「国立市くにたちベンチ事業」により、寄附による「記念プレート付きベンチ」があちこちに設置されていることも特徴。当日は、雨というより土砂降りに近い豪雨に見舞われかないませんでしたが、購入したパンを食べる場所としても最適です。

「アカリベーカリー」と「ユニコーンベーカリー」は後編で紹介します

国立駅周辺には一度に回り切れないほどたくさんのパン屋さんがありますが、今回はその中でも気になる3つのお店を訪問しました。

「生まれ育った国立でおいしいパンを」。食パン専門店「エスプリ」

最初に紹介するのは、国立駅南口から旭通りを歩いた先にある食パン専門店「エスプリ」です。

1人入ればいっぱいになってしまう、小さなお店です
小さな店内に飾られた絵は、オープン時から勤めるパートさんが描いたもの。季節に合わせて入れ替えているそうです
「職人のパンを街に認めてもらいたい。自分にしかできないパンを提供したい」と服部さん

イースト菌に対する豊富な知識を活かしたパンづくり

国立で生まれ育った服部洋幸さんは、イースト会社の研究開発室で開発に従事したのち、「最後は自分が育った地でおいしいと思えるパンを作りたい」と思い国立に戻り、2016年7月に「エスプリ」をオープンしました。服部さんがよく訪れていた菓子店「菓子の木」が閉店し、たまたま空き店舗となっていたことも、この地で店を出すきっかけとなったそうです。

「最新の設備を入れてしまうと、機械がパンを作ってしまう。単純な性能の機械だけを使用し、“僕が作って僕が売る”ことをモットーにしています」と服部さん。手づくりのパンに対するこだわりはもちろんのこと、服部さんの人柄や豊富な知識も同店の大きな魅力で、自分でパンを作りたい人にレシピを公開したり、イースト菌を分けたり、質問があれば気軽に答えてくれます。

筆者も取材時に、たくさんの豆知識を伝授してもらいました。たとえば、食パンを常温で保存する場合の最適な温度は意外と高く、26~28度程度で、22~23度以下で保存すると硬くなってしまう性質があるそうです。涼しい時期は冷凍保存がベストで、適温であれば3日間程度、常温で保存できるとのこと。常連さんとも、このようなパン談義に花を咲かせることが多いそうです。

オープン当初は食パン以外販売していなかったそうですが、来店した人々の要望に応えるかたちで、現在は10種類前後のパンが店頭に並んでいます

添加物・化学調味料・卵不使用の食パンが人気

看板メニューは、しっとりとふんわり、2種類の食パン。「しっとり食パン」は熊本産小麦粉がメイン。香りがよい北海道産小麦粉を配合し、フランス産の発酵バターでしっとりと焼き上げました。噛むごとに、熊本産小麦粉の味わいが深まります。
「ふんわり食パン」はカナダ産小麦粉とドイツ産のバター、たっぷりのミルクが練り込まれています。「しっとり食パン」と比べて弾力があり、見た目の白さも特徴。甘みを感じる仕上がりのため、子どもに人気が高く、離乳食にする人もいるそうです。どちらも卵や添加物を使わず、生クリームを入れることでやわらかな食感に。24時間以上熟成させ、ストレスをかけないように仕上げています。ちなみに、取材時のスタッフには「ふんわり食パン」が人気でした。

2大看板商品「しっとり食パン」(830円)、「ふんわり食パン」(700円)。どちらも、焼成時間を調整し、バランスよく焼き上げやすい1.5斤サイズです。毎週4~5本購入する常連客や、購入したその場で食べ切ってしまい、もう1.5斤を買い足す人もいるほどの人気があり、常連客の中には、粉のロットが変わったことに気づき「粉が変わったね」と言い当てる人もいるのだとか

店頭には食パンを中心とした10種類程度のパンが並び、時には国立で採れた食材を使った季節のパンが並ぶことも。秋は栗で作った「和栗のパン」や、バターを加えて煮たかぼちゃを包んだ「かぼちゃパン」などが並ぶそうですが、取材日には残念ながらすでに売り切れでした。
また、日曜限定で、北海道産小麦のバゲットも販売しているとのこと。香りがよく、もちもちとした食感が特徴で、不純物が少なくミネラルが多いベトナムの塩を使用。毎日食べるものであることを意識し、塩分を抑えめにしているそうです。

食パンから作った「チョコラスク」(300円)や「シュガーラスク」(200円)。フランス産のオーガニックジャムも販売しています

エスプリ
住所:東京都国立市東2-13-22
営業時間:10:00~18:00(売り切れ次第終了)
定休日:月ごとに変更
公式ホームページ:
Instagram https://www.instagram.com/lesprit2017shokupankunitachi
ブログ https://ameblo.jp/lespritkunitachi
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCj8EEk8Ot4GpIjofgnas_mQ

後編では、ホームメイドブリティッシュアメリカンスタイルのベーカリーなどをめぐります。お楽しみに!

※営業時間や税抜き価格(個別表記がある場合を除く)、パンの焼き時間など、記事内の情報は取材時点(2019年10月)のものです。変更される可能性がありますので、お出かけの際はホームページなどで最新情報を確認ください

(最終更新日:2020.11.17)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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