2020年4月から、給付型奨学金に加えて授業料免除が受けられる、経済的に困難な学生を支援する制度がスタートします。今までの給付型奨学金よりも対象範囲が広いので、今までは対象外だった方も、給付型奨学金が受けられる可能性があります。

修学支援の新制度は「給付型奨学金+授業料減免」のセット

大学や短大、高等専門学校(4年・5年)や専門学校(以下、「大学等」と略します)に進学する方・在学中の方を対象とした、新しい修学支援制度が2020年4月から始まります。

新制度の支援は、日本学生支援機構の「給付型奨学金」と進学した大学等での「入学金や授業料の免除・減額」がセットになっています。給付型奨学金を受けられる方は、制度対象の進学先に申し込めば、授業料等の減免の支援対象となります。

進学先の大学等が制度の対象となるかどうかが気になるところですが、2019年10月18日時点で、大学・短大の97%、高等専門学校の100%、専門学校の62%の計約2,800校が対象校となっています。

支援額は、世帯収入や、国公立か私立か、自宅通学か自宅外通学か、で異なります(図表1参照)。
また、給付型奨学金は、日本学生支援機構の貸与型奨学金と一緒に申し込むこともできます。

図表1:支援の金額例

支援の金額例
文部科学省「保護者のみなさんへ 経済的理由で進学をあきらめないよう 学びたい気持ちを応援します!」より筆者作成

※住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生への支援額は上記の2/3または1/3になります

対象者は「住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯」の「学ぶ意欲のある学生」

新制度の対象者は、収入が一定以下(住民税非課税世帯およびそれに準ずる世帯)とされており、世帯収入に応じた3段階の基準で支援額が決まります。住民税非課税世帯でなくとも、その3分の2または3分の1の支援を受けられるのです(図表2参照)。

図表2:支援を受けられる年収の目安と支援額

支援を受けられる年収の目安と支援額
※文部科学省ホームページ「学びたい気持ちを応援します 高等教育の修学支援新制度」より筆者作成

上記の目安は、本人が18歳、中学生が15歳の場合です。本人の年齢によっても目安年収は異なります。実際には多様な形態の家族がありますので、基準を満たす世帯年収は家族構成等により異なります。支援の対象となるか、どれくらいの支援が受けられるか、日本学生支援機構のホームページ(進学資金シミュレーター)で大まかに調べることができます。

また、「進学先で学ぶ意欲のある学生であること」も求められますが、高校等の成績だけで判断されるのではなく、レポートなどで学修意欲を評価するとされています。

なお、「高校等を卒業後2年の間に入学が認められ進学する予定の人・申し込み時点で卒業後2年以内の人」なら給付型奨学金に申し込めるので、浪人生も利用可能です。

まずは、給付型奨学金の申請から

制度を利用する手続きは、給付型奨学金の申請から始まります。すでに現時点(2019年11月)では、2020年4月に大学等に進学する方(現在の高校3年生等)の申請期間は終了しており、11月からは大学等に在学中の方の申請期間となっています。申請の際には、子と保護者のマイナンバーの提出が必要です。

図表3:2020年4月から支援を受けようとする場合の申請スケジュール

2020年4月から支援を受けようとする場合の申請スケジュール
※文部科学省「学生のみなさんへ 学びたい気持ちを応援します」「保護者のみなさんへ 学びたい気持ちを応援します!」より筆者作成

学業不振の場合は、支援が打ち切られることも

このように、対象者の条件が広くなり、利用しやすくなった修学支援制度ですが、国の予算を使って支援することもあり、入学後に「学ぶ意欲」があるかどうかが厳しく確認されます。進学時の「学ぶ意欲」を維持して、社会での自立や活躍に生かせるように学んでいきたいですね。

図表4:支援打切りなどの基準

支援打切りなどの基準
※文部科学省ホームページ「学びたい気持ちを応援します/支援を受けるにあたって大切なこと」より筆者作成

このように、2020年4月から始まる修学支援の新制度は、今まで経済面や成績の条件を満たせず、奨学金受給をあきらめていたような学生も利用できる可能性があります。経済的な理由で進学を迷っている方や、在学中で経済的につらい方は、まずは「進学シミュレーター」で制度が利用できるかどうかを試してみるとよいでしょう。利用できそうなら、学校で必要書類をもらって、時期を逃さず申請できるように準備しておきましょう。

日本学生支援機構「進学資金シミュレーター」

参考
文部科学省「学びたい気持ちを応援します/高等教育の修学支援新制度」
独立行政法人 日本学生支援機構「奨学金の制度(給付型)」

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