都心部において「直線距離では近いのに、電車で乗り継ぐと時間がかかる…」という場合も少なくありません。そんなときに活用したいのが路線バス。電車よりバスの方が便利な移動ルートや、帰りが遅くなったときの深夜バス事情、物件選びとバスの関係について説明します。

バス移動は電車よりも便利⁉

行き先によってはバスを使ったほうがスムーズなことも

バスより電車での移動のほうが早くてスムーズな印象もありますが、ルートによってはバス移動のほうがラクな場合があります。

【ケース1】渋谷から六本木ヒルズへ移動する場合
渋谷から六本木ヒルズへ電車で移動する場合の主なルートは以下の通り。

・渋谷駅から東急東横線「中目黒」駅→東京メトロ日比谷線「六本木」駅(所要時間約20分・運賃199円)
・渋谷駅からJR山手線「恵比寿」駅→東京メトロ日比谷線「六本木」駅(所要時間約15分・運賃304円)

いずれにしても乗り換えが発生します。
しかし路線バスを利用すれば、乗り換えなしで移動可能です。

■系統番号[RH01](都バス)
渋谷駅と六本木ヒルズの間を循環するルートで走っています。本数は日中でだいたい1時間に4~6本。乗車時間は約14分。渋滞さえなければ電車で移動するよりはるかにスムーズです。運賃は210円。

■系統番号[都01](都バス)
もう一つ、[都01]というバス路線があります。こちらは1時間に最大23本運行されており(平日8時台)、さほど待つことなく乗車することが可能です。乗車時間は約11分。ただし、降りるバス停は六本木ヒルズまで徒歩で約2分の「EXシアター六本木前」となります。運賃は210円。

また、ルートが若干異なる[渋88]も利用可能です(乗車時間13分)。

【ケース2】三軒茶屋から下北沢に移動する場合
三軒茶屋から下北沢に移動する場合の主なルートは以下の通り。

・三軒茶屋駅から東急田園都市線で渋谷駅→京王井の頭線で下北沢駅(所要時間約20分・運賃263円)

この区間も、バスを利用すれば乗り換えなしで移動できます。

■系統番号[下61](小田急バス)
駒沢陸橋と北沢タウンホールを結ぶ路線です。本数は1時間に5本程度。乗車時間は約7分。
電車で移動した場合は乗り換え時間込みで約20分ほどかかりますので、渋滞さえなければバスの方が早く到着します。運賃は210円。

【ケース3】東京西部を南北に移動する場合
都心・副都心エリアからは少し離れますが、もう一つ便利なバス移動を紹介します。

東京西部は西武池袋線、西武新宿線、JR中央線、京王線、小田急線など東西に走っている路線が多く、南北に走っているのは路線は数えるほどしかありません。このエリアを南北に移動する場合も、鉄道よりバスを利用するほうが便利なケースが多そうです。

筆者が西武池袋線「ひばりヶ丘」駅(東京都西東京市)近くに住んでいたころ、JR中央線「武蔵境」駅行きのバスをよく使っていました。
「ひばりヶ丘」駅から「武蔵境」駅の間を電車で移動する場合の主なルートは以下の通り。

・「ひばりヶ丘」駅から西武池袋線で「秋津」駅→徒歩でJR「新秋津」駅 →JR武蔵野線で「西国分寺」駅→JR中央線で「武蔵境」駅(所要時間約47分・運賃486円)
・「ひばりヶ丘」駅から西武池袋線で「所沢」駅→西武新宿線で「東村山」駅→西武国分寺線で「国分寺」駅→JR中央線で「武蔵境」駅(所要時間約50分・運賃429円)

しかし、路線バスを利用すれば、乗り換えなしで移動可能です。

■系統番号[境03](西武バス)
ひばりヶ丘と武蔵境を結ぶ路線です。日中は1時間に6~8本程度運行。乗車時間は約31分。運賃も242円と、電車での移動に比べると安く済みます。
ルートが若干異なる[境04]も利用可能です。

※バスの乗車時間は交通事情により長くなることがあります
※電車の運賃はICカード利用の場合を掲載しています

終バスが早い!? 今は「深夜バス」も

帰宅が遅い人にとっても深夜バスは便利な存在

「バスは最終が早い」というイメージを持っている人も多いと思いますが、地域によっては「深夜バス」が深夜11時以降にも運行されているケースもあります。中には深夜1時台までバスが走っている路線も。

運賃は通常の2倍かかりますが、タクシーを利用するよりは安上がりです。また、深夜バスには都心部のみを走るものもあります。
渋谷と新橋を結ぶ系統番号[深夜01]のバスは、途中、六本木・赤坂・虎ノ門などを経由。東京駅と有明を結ぶ系統番号[深夜13]のバスは、途中、有楽町・築地・勝どき・新豊洲などを経由します。

運賃はいずれも420円(通常の2倍)。深夜11時台~12時台に運行されています。

終電を逃しても安心!? 深夜急行バス

終電が発車した後でも、深夜急行バスを使えば座って帰宅することが可能です。

東急バスの場合
東急バスは東急電鉄の終電発車後、深夜1時台に深夜急行バスを運行。渋谷駅から主に東急東横線、東急田園都市線方面に向けて走っています。

渋谷からたまプラーザに帰る場合の終電と深夜急行バスを比較してみました(平日の場合)。

渋谷→たまプラーザの終電・深夜急行バス比較

深夜ということもあり、バスの運賃は割高となりますが、所要時間はバスのほうが短いです。必ず座れる(高速道路を通るため、立席は不可)ので、混みがちな終電よりあえて深夜急行バスを選ぶという手もあります。運行は毎日。一部路線を除き、金曜日と祝前日は1便増発されます。

京王バスの場合
京王バスは京王電鉄の終電発車後、深夜12時台から深夜急行バスを運行。新宿駅西口・渋谷駅・大手町・東京駅南口から主に京王線、京王井の頭線方面に向けて走っています。

新宿から多摩センターに帰る場合の終電と深夜急行バスを比較してみました(平日の場合)。

新宿→多摩センターの終電・深夜急行バス比較

こちらも深夜ということもあり、バスの運賃は割高となります。所要時間もバスのほうが長いですが、確実に座れます。ただし運行は平日のみ。土・日曜、祝日、お盆、お正月期間は運休となりますので注意してください。

そのほかの深夜急行バス
ほかにも多くの駅から深夜急行バスが走っています。運行距離が長いものでは、東京発(00:25発)平塚行き(03:01着)[運賃:4,050円]、新橋発(00:30発)成田空港行き(03:15着)[運賃:2,000円]などがあります。
運賃が割高で、到着も深夜3時台ではありますが、終電後も座って帰れるのは、やはり便利だといってよいでしょう。

「学バス」がお得?

都営バスが運行している「学バス」をご存じでしょうか?
「学バス」はJRの最寄駅から大学までの距離がやや遠い場合に設定されている路線系統のことです。運賃はほかのバスより安い180円(ICカード利用で178円)。

「学バス」とはいうものの、誰でも乗ることが可能です。
中でも便利でおすすめなのが、広尾にある「日赤医療センター」に行く場合。広尾駅からはややきつい登り坂となっていますが、「学バス」を利用するとスムーズにアクセスできます。
渋谷駅から系統番号[学03]の学バス、または恵比寿駅[学06]の学バスが利用可能。渋谷からは約15分、恵比寿からは約10分で到着します。学バスということもあり本数も多め。
[学03]は平日の日中で10~23本、[学06]は同じく7~15本走っていますので、そんなに待たされることもありません。

「物件選び」とバス路線

バス利用を視野に入れることで、物件の選択肢も増えます

また、物件選びの際にも、バスの利用しやすさを考慮すると○。どうしても駅近くの物件を選びがちですが、バスのアクセスが良ければ、駅から遠くてもメリットは大です。

バスアクセスの良い物件のメリット
駅チカにこだわらないことで物件の選択肢が広がり、好みの家が見つかる可能性が高くなります。
また、鉄道駅から離れると物件価格の相場が下がりますので、安く購入することができるかもしれません。
バスを利用するぶん、バス代が別にかかってしまいますが、社会人であれば乗車距離などに応じて通勤時の交通費が支給されるので、そこまで問題はないでしょう。

バスアクセスの良い物件のデメリット
最大のデメリットは、道路事情などでバスが遅れがちなことでしょう。通勤や移動に余計な時間がかかってしまいます。
また、場所によっては「終バス」(最終バス)が早いことにも注意です。22時台でバスの運行がほぼ終了、というケースもあります。

物件を探す際に確認するポイント
路線バスの利用を想定して物件探しをする際に、確認するポイントは以下の3点です。

・複数のバス停が使えるか
路線の異なる複数のバス停が使える場合、バスの利便性がグッと上がります。

・バスが何本走っているか
特に朝夕のラッシュ時の本数は重要です。路線によっては、朝夕のラッシュ時に1時間20本以上のバスが走っている場合があります。単純計算で3分に1本ですから、電車よりも本数が多いケースもあります。

・混み具合は問題ないか
最寄り駅まで遠い場合など、あまりにバスが混んでいると朝から疲労してしまいます。

まとめ

東京都内、特に山手線の中のエリアは電車よりバスでの移動がスムーズな場合も少なくありません。
時刻表通りに来ないことも多い路線バスではありますが、路線によっては電車移動より遥かに便利なことも。時間やお金の節約にもつながります。

また物件を探す際も、バス利用を前提に考えると、選択肢が大きく広がるため、気に入った物件を安く手に入れられる可能性もアップします。路線バスをうまく利用すれば、生活にゆとりが出てくるかもしれません。

この記事が気に入ったらシェア

オススメコンテンツ
おすすめ記事