【買う前に知る】 車のランニングコストは法律で決められているものも

車を所有する際には、車両本体価格だけではなく、保険や駐車料金、メンテナンス費用など、維持費についても念頭に置いておく必要があります。ここでは、いったい総額でどのくらいの費用がかかるのかを詳しく解説していきます。初めて車を購入する予定の人はもちろんですが、買い替えを検討している人もぜひ確認してみてください。

法律的に必要な費用

まず車を購入する際、必要になってくるものは自賠責保険、自動車重量税といった法律で定められている費用(法定費用)です。

1. 自賠責保険料

自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)とは自動車損害賠償保障法によって「すべての車の所有者に加入が義務付けられている損害保険」のことで、強制保険とも呼ばれています。加入していなければ一般道を走行することはできません。自賠責保険が切れた状態で一般道を走行した場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金、違反点数6点が付加されるため免許停止処分になります。

すべての所有者に義務付けられている自賠責保険

保険料は

自家用乗用自動車で

25ヶ月:26,680円~

37ヶ月:36,780円

軽自動車で

25ヶ月:25,880円

37ヶ月:35,610円

となっています。

自賠責保険の更新、保険料の支払いは車検と同時に行います。車検は自動車の種別や用途によって異なりますが、自家用乗用車を新車で購入する場合は初回の車検が3年後、以降2年ごとになります(中古車の場合はこの限りではありません)。そのため保険期間には25ヶ月、37ヶ月という保険期間が設定されており、車検の有効期間中に自賠責保険に未加入となることがないようになっています。

2.自動車重量税

自動車重量税は1年ごとにかかるものですが、新規登録、あるいは車検時に、車検証の有効期間にまとめて支払います。自家用乗用車は車両の重さ0.5トンごとに税額が変わります。軽自動車は車両の重さにかかわらず税額は定額です。また、新車の新規登録から13年以上経過すると税額が上がり、18年以上経過するとさらに税額が上がります。

3.自動車税(年1回)

自動車税とは年1回、自動車を所有している人に課税される道府県税です。
軽自動車で10,800円、1.5ℓのコンパクトカーで34,500円、2.5ℓで45,000円となっています。郵送されてくる納税通知書により5月末日(納期限)までに納めます。前もって申し込んでおけば銀行口座からの引き落としやカードで支払うこともできます。

4月1日の時点で自動車を所有している場合、所有者に自動車税の納税義務が生じます。下取りに出したり売却したりする場合、廃車にする場合は3月31日までに完了する必要があります!

4. 車検費用

車検とは、「自動車検査登録制度」を略したもの。検査で安全に使用できる車であることを確認し、所有権を法律的に認めてもらう制度のことです。軽自動車の場合は初回が3年、2回目以降は2年ごとに設定されています。

車検費用には上記に挙げた、国に支払う費用である「法定費用」の1.自賠責保険、2.自動車重量税に加え、手続きに必要な印紙代と、車検に必要な点検・整備や手続き代行のために業者に支払う「点検・整備費用」の2つが含まれています。

「点検・整備費用」は業者によって異なりますが、車検に最低限必要な保安基準を満たしているかを点検する費用は必ず含まれます。さらに、今後も安全に走行するための点検や整備、部品の交換などの費用、車検手続きの代行手数料が含まれることもあります。
車の状態によって、費用は異なりますが、1.2.を含め、数万~十数万円程度となっています。

点検や整備、部品交換の状況によって車検費用は異なります

5.法定点検料

法定点検には、1年ごとに行う12ヶ月点検と、2年ごとに行う24ヶ月点検があります。点検内容はそれぞれ項目が異なります。法定点検の費用は業者によって違いますが、ディーラー、指定整備工場、認証整備工場の相場はおおよそ、1年点検が10,000~15,000円、2年点検が20,000~25,000円です。

それ以外に必要な走るための費用は?

法律的に納めなくてはならない費用の他にも車に乗って走るために必要な費用は様々です。

1.任意保険料

自賠責保険はあくまでも最低限の被害者補償を目的とするため、カバーされる責任や被保険者の補償の面で不十分な部分があります。この不十分な範囲を補う十分な保険を行うため、任意で加入できる保険商品が民間の保険会社などから販売されています。これを、一般的に自動車保険あるいは任意保険といいます。

任意保険の保険料は車種やドライバーの年齢、運転頻度など様々な要素を加味して決められます。

そのためかなり料金に幅があるのですが、年間2万~5万程度の方が多いようです。

2.駐車場代

自宅に駐車スペースのない場合は駐車場を借りる必要があります。マンションや借家など賃貸料に駐車料金が含まれている場合を除き、地域差は大きくなりますが月4,000~30,000円程度は必要です。東京都内の場合は8万~9万円など家賃に匹敵するような高額な駐車料金が必要な場合もあります。

3.ガソリン代

遠方に通勤するなど特殊な場合を除き、平均で月1万円程度と考えられます。ただし時期や燃費・走行量により個人差があります。また旅行や帰省など遠出をする場合には出費が増えることになります。さらに遠方に出かける場合には高速料金なども必要になります。

ガソリン代は、時期や燃費、走行量により差が生じますが、月平均1万円が目安です

4.その他整備費、消耗品費用

部品の多くは消耗品なので、必要に応じて交換、修理をする必要もあります。最も高額なのはタイヤです。平均で5年に1度の交換が必要になり、車種にもよりますが、1回5万~10万円程度となります。他にもオイル、エレメントなどの交換で年間に数千円~1万円程度がかかります。また万が一のパンクや事故など不意の出費があることも念頭に置いておきましょう。

まとめ

今回は車を購入する場合に必要な税金や保険、ガソリン代やメンテナンス費用について解説しました。任意保険はネットで申し込むと割引特典がありますし、定期点検もディーラーのメンテナンスパックなどを利用すると、お得になる場合もあります。車を購入する際には車両本体価格以外に必要な費用も調べた上で、月々のローン支払い額などを設定するようにしましょう。

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