住宅事情の変化により仏壇も従来のものからスタイルを変えつつあります。リビングに置いても違和感のないデザインのものや、より狭いスペースに設置可能な上置き型など、進化し続ける仏壇の最新事情をご紹介します。

主流になってきた洋間にもなじむシンプルなモダン仏壇

一見して仏壇と思えないようなモダンでシンプルなデザインの仏壇が市場に出回り始めたのは約20年前。それまでは、全体に黒の漆塗りが施され、内部に金箔が貼ってある金仏壇や、黒檀や紫檀といった銘木の美しい木目を活かした唐木仏壇といった伝統的なものが主流でした。

しかし住宅事情の変化から、仏間や和室がない場合も多く、洋間のリビングに置いても違和感のないデザインの仏壇のニーズが高まり、今日では現代的なデザインのモダンな仏壇が主流になりつつあります。

また、これら家具調仏壇は椅子に座りながらお参りできるため、立ち座りといった動作がつらい方がいる家庭では、あえてこのタイプを選ぶ場合もあるようです。素材も洋間の家具とコーディネートしやすい「ウォールナット」「タモ」「ナラ」「メープル」などの高級なものが主に使われており、リビングにもしっくりとなじみます。また来客の際は扉を閉めると一見仏壇とはわからないデザインのものも多くあります。

家具調の仏壇が主流

さらにコンパクトな上置き仏壇

リビングのスペースに限りがある、仏壇の掃除が大変といった人を中心に人気が集まっているのは、家具調仏壇よりさらにコンパクトな上置き型仏壇です。棚やテーブル、床の間等に置くことができ、場所を取りません。

材質によっては高価なものもありますが、5万円~30万円程度で購入することができ、15万円前後のものを選ぶ人が多いようです。扉がガラス製のものや、ライトアップできるようになっているものもあり、伝統的な仏壇にはない要素を多く取り入れたものが登場しています。デザインもシックなものからナチュラルなものまでバリエーションが豊富なので、お部屋の雰囲気や故人のイメージなどを考慮して選ぶとよいでしょう。

上置き型はさらにコンパクトに
コンパクトな仏壇に加え、ペット用の仏壇も登場

仏具セットも多彩

宗派によって若干の違いもありますが、仏具セットは花立・燭台・香炉の「三具足」が基本です。加えて、おりんや仏器、茶器などがセットになったものもあります。必要最低限の仏具だけを揃えたい場合には「三具足」があればよいでしょう。仏壇の多様化に合わせて、仏具セットもクリスタル製のもの、明るい色合いのもの、モダンなデザインのものなどこれまでの仏具のイメージを一新する明るい印象のものが豊富です。

セットではなく個々に選びたいという人で、家具調仏壇や上置き型仏壇を購入している場合、納められるスペースに限りがあるので、せっかく購入したのに仏壇に納められないということのないよう、サイズ等を確認しておくことが大事です。また宗派によって必要な仏具が違うため、購入前に必ず仏具店に確認するようにしましょう。

仏具もクリスタル製などおしゃれなものが多数

法要の時はどうする?

自宅で法要を執り行うのが初めてという場合には、飾り方などを含め、前もって仏具店に相談しておくと安心です。仏具店の中には仏事コーディネーターが在籍している店もあり、宗派ごとに必要な仏具やお供えの飾り方、法要についても教えてもらえます。

まとめ

かつて日本の住宅には床の間や仏間があり、仏壇は仏間に置くというのが当たり前でしたが、住宅事情に応じてリビングルームや和室にも合うコンパクトでデザイン性を重視したものが主流となっています。また近年では終活のひとつとして大きな仏壇をコンパクトなものに買い替える人も増えているようです。いずれにせよ仏壇は一度購入したら何十年も使い続けるもの。購入の際はアフターサービスや保証がしっかりしているかどうかも確かめるようにしたいものです。

<取材協力>
岩佐佛喜堂
副社長 岩佐一史さん
明治5年創業の老舗仏壇店の五代目。仏壇仏具の販売の他、全国の寺院のオリジナルお香の企画、お香作りのワークショップ、大学と共同研究したお香の開発など精力的に活動中。

(最終更新日:2019.10.25)
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