冬でも暖かく快適に暮らすために、床暖房にリフォームしたい人もいるでしょう。しかし、いくらマイホームとはいえ、マンションの場合はスムーズにリフォームできるものなのか気にかかるのではないでしょうか。そこでこの記事では、マンションの床暖房リフォームにかかる費用や注意点、工事の流れなどについて解説していきます。

床暖房にするメリット、デメリット

マンションの床暖房に使われるパイプなどの耐用年数は30年ほどで、設備としてはかなり長持ちする部類です。また、メンテナンスは基本不要なので、一度設置すると数十年は余計なお金がかかりません。

床暖房は床下に設置してあるので場所を取らず、一部の暖房器具にあるような音の問題もなく大変静かです

また床暖房は床から遠赤外線で暖めるので、そのほかの暖房器具ではなかなか暖めにくい足元を暖められるほか、部屋全体の温度が均一になりやすいです。つまり、ほかの暖房設備にありがちな、足元が寒いのに頭部は暖かすぎてぼーっとしてしまうという状態が避けられ、頭寒足熱の生活環境を作ることができるというメリットがあります。

一方で、床暖房にはデメリットもあります。床暖房では前述のように遠赤外線によって部屋がじんわりと暖まっていくため、暖まるまで時間がかかります。そのため、住む地域によっては床暖房のほかに、別の暖房器具を用意したほうがよいこともあります。
また、初期費用もランニングコストもほかの暖房設備に比べて高いのがデメリットです。少しでもランニングコストを低くするためにも、床暖房の種類とその特徴を知り、自分のライフスタイルに合った最適なものを選ぶ必要があります。

マンションで施工できる床暖房の種類

マンション用の床暖房には、大きく3つの種類があります。

電気式床暖房

発熱体に電気を通し、その熱で暖をとるタイプのものです。こちらは初期費用が安いという長所がある一方で、ランニングコストがやや割高になるという短所があります。暖める熱源に電気を使うので、導入する床面積によっては電気使用量と基本使用料ともに高くなってしまうことがあるのです。ただし、温度センサーにより設定した温度まで上がるとオフに、一定以下まで下がるとオンになる機能があるため、使い方次第で上手に節電することができます。

ヒートポンプ式温水床暖房

空気の熱で沸かしたお湯を床暖房パネルの配管内に循環させて部屋を暖める方式のもので、お湯がラジエーターや床暖房パネルを循環することで部屋を暖めます。メリットはランニングコストが比較的安く、すでに電気給湯器を設置していればさらに初期費用を抑えられる点です。ただ、ランニングコストが安くなる理由は電気代が低くなる夜にお湯を沸かすからです。したがって、タンク内のお湯が昼に切れてしまうと、昼間の電気代でお湯を沸かさなければならず、電気料金が高くなることもあるので注意しましょう。

温水パネルの温水式床暖房

ガスでお湯を沸かして暖める仕組みです。ガス給湯器は電気式のものと比べると小ぶりであるため設置費用が抑えられやすく、マンションに設置することにも向いています。また、電気のものと比較するとお湯の温度が高いため早く部屋が暖まるのも特徴です。しかし、床下へのパネルの設置にはお金と時間がかかるため、トータルで見ると初期費用が格安というわけではありません。また、場合によってはマンションの共用部分にも工事が必要なケースがあり、その場合は管理組合の承認が必要となります。

床暖房リフォームにかかる費用相場

気になるのは、リフォーム費用

直張りの電気式の場合は、6畳で37万円前後が目安です。一方で、張替えタイプの電気式の場合には、6畳で42万円前後かかります。また、同じ直張りでも温水式の場合には6畳で44万円前後、張替えの温水式では6畳で49万円前後が相場です。リビングルームなど広い部屋に導入するケースでは、面積あたりのコストはもう少し下がります。たとえば、16畳に対する電気式の直張りと張替えはそれぞれおよそ81万円と86万円、温水式の直張りと張替えはそれぞれおよそ98万円と104万円となります。

このように電気式と温水式でコストの差が出る理由は、前者がリフォーム費用のみなのに対し、後者はそれにプラスして専用の給湯器を設置する必要があるからです。ただし、温水式のほうが光熱費が安くなることが多く、長い目で見るとトータルコストが低くなる傾向にあります。そのため一概に初期コストだけで決めるのはあまりよくないでしょう。どのタイプを導入するかは、長期的な観点からも考えてみる必要があります。

床暖房リフォームの流れ

床暖房リフォームでは、まず現地調査の手配をします。できるだけ複数の業者に依頼し、現地調査をしてもらいましょう。手配をしてもすぐに業者が来てくれない可能性もあるので、2週間ほどは余裕を持って調査依頼をすることをおすすめします。

調査が済んだら見積もりを出してもらいます。このとき複数の業者の見積もりがあれば、比較検討がしやすいので便利です。各業者の価格に差があれば、内訳を見てなぜこの業者は高いのか、あるいは安いのかを調べましょう。高いと思った業者でも他社の見積もりを見せながら交渉すれば、多少の値引きをしてもらえる可能性もあります。

自分の条件に合う業者を見つけたら、さっそく契約して施工を開始します。施工は簡易なものであれば短期間で終わりますが、工事する部屋数やリフォームの形態などによっては長くかかる場合があります。たとえば、直張りの工期は1~2日程度ですが、張替えだと4~5日程度に延びることも覚えておきましょう。

現地調査の手配から施工完了までは、すべて合わせると2ヶ月前後はかかります。そのため、暖房が必要になる秋冬の前に、ゆとりを持って手配をすることが重要なポイントとなります。

床暖房リフォームをする際の注意点

マンションでリフォームをする際には、管理規約に反していないかを確認する必要があります。床暖房の工事も例外ではありません。また、工事の際には少なからず騒音が発生するので、ご近所トラブルを回避するためにも、事前に工事期間などを連絡しておくことが重要です。もしも管理規約でリフォームに制限がある場合は、導入したい床暖房のケースではどうなるかを管理組合に問い合わせましょう。

問い合わせの結果、直張りは大丈夫でも張替えは禁止など、管理組合の返答によっては工事の方向性を見直さなければならないかもしれません。できれば、現地調査を手配する前に管理規約を読んだり組合に話をしに行ったりして、業者にきちんと説明できるくらいマンション規約を熟知しておくとよいでしょう。

思わぬトラブルにならないよう、事前の準備はしっかりとしておきましょう

快適に過ごしたいなら床暖房を検討してみよう

寒い季節にマンションで快適に過ごしたいのであれば、床暖房はおすすめの暖房器具です。送風式の暖房とは違い部屋の乾燥を防げますし、部屋を均一に暖めてくれるので、頭部が暑く足元が寒く感じることも減るでしょう。

また、高齢者や小さな子どもがいる場合、暖房機による事故を未然に防ぐこともできます。床暖房を設置するメリットは多く、冬を気持ちよく過ごすための快適アイテムであることは間違いありません。

また併せて、快適性を左右する6つの要素も知っておくと良いかもしれません。

<人間側の要素として>
1. 身につけている衣服の量
2. 代謝量(どの程度動いているか、運動しているか)

<建物側(環境側)の要素として>
3. 温度
4. 湿度
5. 空気の流れ
6. 床、壁、天井の温度

床暖房の場合は床の温度が上がるため快適性が向上します。おおよその体感温度は部屋の温度と表面温度を足して2で割った数値といわれていますので、部屋の温度が上がればさらに快適性が上がるのです。

さらにリフォームでは熱を逃がさない(または入れない)ために内窓を設けるのがとても有効です。リフォームには床暖房と併せて検討してみましょう。

(最終更新日:2019.10.24)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。

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