外出の際、天気予報をチェックする方は多いのでは。「雨が降りそうだから、折りたたみ傘を持って行こう」「気温が下がりそうだから上着を一枚持とう」など、荷物の準備を変えていますよね。夏場に限らず前線接近時などニュースで「大気の状態が不安定」という言葉を発している場合は雷が起きやすいもの。万が一、雷が接近してきたら絶対にしてはいけない行動と対策についてまとめました。

雷雲ができるまで

上昇気流が起きたり、大気の状態が不安定になったりすると発生するのが「積乱雲」

朝は晴れていたのに、昼ごろから急に雨雲が出てきて、雨が降りそう…。そんなときにできているのは「積乱雲」と呼ばれる雲です。「入道雲」とも呼ばれますが、夏の夕立を引き起こす雲として有名ですよね。地表面の空気が温められたことによって、上昇気流が起きたり、季節の変わり目などで大気の状態が不安定になったりした際に発生しやすくなります。

地表面に温かい空気の層があり、冷たい空気が上空にある状態だと、温かい空気は上空へとのぼり、冷たい空気は下へとおりてくるため、空気の対流が起きます。そのときに地上付近の空気の湿度が高いと、上空で冷やされて積乱雲になるのです。短時間のうちに発達するので、夕立のように急な大雨や雷になります。激しいときはひょうや竜巻などを引き起こすことも。

雷雲接近時にやってしまうとNGな行動

雷が発生した場合の避難場所も注意が必要です

雷が鳴り始めても屋外にいる

「雷は高いところに落ちる」と言われますが、これは山など標高の高い場所に落ちるということではありません。雷はその地点での“背の高い物体”へ落ちる性質をもっています。例えば、その地点にある高い建物や木、人体などが考えられます。また遠くで鳴っていたとしても油断できません。雷雲はものの数十分で接近することもありますし、頭上で雲が急発達すると近くで落雷することもあります。「鳴り始めたら、すぐ避難」心がけましょう。

木の下で雨宿りする

“背の高い物体”へ落雷しやすいということで、高い木に雷が落ちる恐れがあります。落雷の衝撃で木が破裂したり倒れたりする可能性があるため、木の根元にいるのは危険です。また、人体は水分が多く通電しやすいため、落雷した電流が人体へ伝わる現象が起きることがあります。よくあるのが、登山中に雨が降り出したのでカッパを着るために木の下へ入って、その数分のうちに落雷に遭うという事故。短時間でも木の下での雨宿りは避けましょう。

大きい岩陰や塀に隠れる

雷が鳴るときは、暴風雨になることも多くあります。周囲に建物がない場合、風をよけるために大きい岩陰や塀があれば、その風下に入りたくなりますが、当然ながらそれらも“背の高い物体”。岩や塀からもなるべく離れるようにしてください。

テントの中に避難する

キャンプ中に雷が鳴り出した場合、雨宿りを兼ねてテントに避難したくなる気持ちはわかりますが、過去にはテントに落雷したケースもあって危険です。また、あずまや(休憩や眺望のためにある小建築物)も同様に危険です。避難どころか、結果として危険を招くことになります。

川や海の堤防を歩く

下流域の河川敷や海辺は開けていることが多く、その付近にある堤防は一段高くなっています。その上が道になっていると、つい歩いてしまいがちなのですが、歩行者がそのエリアで一番“背の高い物体”になってしまう場合が多くなります。なるべく堤防以外の経路を通り、すみやかに丈夫な建物へ避難するようにしてください。

金属を身につけていると…

かつては、雷が落ちたら貴金属を外すように言われていました

「貴金属を身につけていると雷が落ちやすい」とよく言いますが、現在ではこの説は否定されています。ベルトや時計などを身につけていても問題ないそう。もっとも、傘やゴルフクラブ、登山用のステッキなど長いものを頭上に掲げていれば、それは“背の高い物体”を作り出しているということになるので、危険率は上がります。雷が鳴っているとき、それらは頭より低い位置に持つようにしましょう。

結局のところ安全な場所はどこ?

しっかりした建物に避難

当然ですが、安全なのは避雷針のついた建物です。鉄筋コンクリート製や木造建築の建物なら、仮に雷が落ちても電気は壁を通して地面へ流れていくので、基本的には安全です。ただ、避雷針がない場合は、万が一、建物へ落雷した場合に電気器具、天井・壁から側撃雷を受ける可能性がありますので、落雷が発生している場合は(電気器具、天井・壁から)1m以上離れるようにしましょう。

パソコンやスマホの充電はもちろん避けた方が無難です。軒先での雨宿りもよくあることですが、電流は壁を伝わるので危険です。必ず屋内へ避難するようにしましょう。

車への避難

周りに建物がなければ、車の中に避難するのも悪くはありません。仮に車へ落雷しても、雷は金属の車体を通ってタイヤを経由し、地面へ流れます。車の中に電気は入り込みにくいので、安全とされています。念のため、サンルーフや窓を開けたり、窓ガラスには体をつけたりしないようにしてください。

周囲に何もない場合

避難できる構造物がなく、木や電柱、鉄塔といった高い物体がそばにある場合は、先端を45度以上の角度で見上げる範囲内で、その物体から4m以上離れたところに避難します。枝や葉からも2m以上離れるようにしてください。

その際、立っていては危険です。「雷しゃがみ」と呼ばれる姿勢をとるのが○。

・荷物を地面に下ろしてしゃがみ

・頭を下にかがめます

・両手で耳をふさぎ

・足は両かかと同士をつけて

・つま先で立つようにします

両足のかかとをつけておくことで、雷の電気が足から入ってきても、片足から反対側の片足へ流すことができます。こうすると、上半身へ電流を流さずに済みます。

また、つま先で立つと、地面と接する部分を小さくできるので、電気の侵入を最小にできます。地面にうつぶせになると、地面との接地面積が大きくなってしまうので避けましょう。

近くの人が落雷被害に遭ったら

落雷によって感電してしまった場合、安全な場所に避難してから救命措置を

雷が落ちて感電すると、皮膚のやけどや心室細動、心停止などが考えられます。また、中枢神経や脳、鼓膜などにダメージを与える恐れも。

近くにいる人が落雷によって心停止してしまったら、速やかに救急車を呼び、もし近くに建物がありAEDが設置されている場合は準備を。並行して、心肺蘇生法を実施します。なお前提として傷病者も含めて安全が確保されている場合です。同じ場所に留まり続けると、再度落雷する可能性があります。安全な場所に避難避難してから、救命措置を行うようにしましょう。

すぐに救命措置が行われた場合、落雷による心停止は非常に回復する確率が高いことが知られています。救急車が到着するまで、心肺蘇生を続けてください。

天気予報の精度が上がり、かなりの割合で雷の発生予測ができるようになってきています。発生予測が出ているときに屋外にいないことが重要ですが、もしも、外出先で雷が鳴り始めてしまったら、適切に対処し、落雷の被害を防ぐようになりましょう。

 

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