2016年4月1日にスタートした「電力自由化」により、ライフスタイルや価値観に合わせて、電力会社やサービス内容を自由に選べるようになりました。それからしばらく経過しましたが、われわれの生活はどのように変わったのでしょうか。この記事では、新電力への切り替え状況と電力会社を変えるメリット・デメリットなどを紹介します。

現在、電力自由化はどうなっているのか

2016年4月1日にスタートした「電力自由化」の切り替え率は?

現在、電力自由化に伴う新電力等への切り替え(スイッチング)はどの程度進んでいるのでしょうか。
経済産業省 が発表した2018年9月末時点のデータをもとに説明します。

まず、一般家庭の新電力等への切り替え件数は約1,284万件。割合にして20.5%です。
内訳は以下の通りとなります。

・既存の電力会社から新電力(※1)へのスイッチング件数が約795万件(12.7%)
・既存の電力会社内のスイッチング(※2)件数が約489万件(7.8%)
(※1)大手電力会社10社以外の新しい電力会社のこと
(※2)同一事業者内のプラン変更のこと

地域別の切り替え率(契約口数ベース)は以下の通りです。

最も切り替え率が高いのは中部エリアです

中部エリア(29.0%)、関西エリア(26.1%)、関東・東京エリア(22.5%)と都市部を中心に切り替えが進んでいることがわかります。

逆に、10%を切っているのが東北エリア(8.2%)、北陸エリア(7.2%)、沖縄エリア(0.4%)です。

既存の電力会社に強力な競合他社があるかないかが、切り替え率を大きく左右しています。なお、沖縄は自家発電設備を持つ企業が少ないという事情もあり、電気の調達が難しいため、他地域に比べて新電力の数が少なくなっています。

そもそも「新電力」とは?

電力自由化に伴い、ちょっと意外な企業も参入しています

先に説明した通り、「新電力」とは大手電力会社10社以外の新しい電力会社のこと。電力自由化に伴い、どのような企業が参入しているのでしょうか。主な会社を紹介します。

都市ガス会社系
東京ガス(営業エリア:東京都都市部と関東地方1都6県の主要都市)
大阪ガス(営業エリア:京阪神を中心とした近畿地方など)
東邦ガス(営業エリア:愛知県、岐阜県、三重県)
静岡ガス(営業エリア:静岡県中東部(静岡市、富士市、沼津市、三島市など))
西部ガス(営業エリア:北部九州主要都市(福岡市、北九州市、熊本市、長崎市など)
北海道ガス(営業エリア:札幌市、石狩市、北広島市、恵庭市、千歳市、小樽市、函館市、北斗市、北見市など)

LPガス会社系
ミツウロコグリーンエネルギー
レモンガス
サイサン

通信会社系
ソフトバンクでんき
auでんき(KDDI)
J:COM 電力

意外なところでは、コンビニエンスストアのローソン(サービス名:まちエネ)、旅行代理店のエイチ・アイ・エス(サービス名:H.I.S.でんき)、インターネット通販の楽天(サービス名:楽天でんき)が電力小売事業を行っています。

新電力各社のシェアは、1位が東京ガス(20%)、2位がKDDI(11%)、3位が大阪ガス(10%)となっており、上位3社で40%以上のシェアを占めています。都市ガス会社系は、自社のガスと電気を同時に契約することで割引になるプランを用意しており、このことがシェアアップにつながっていると考えられます。

電力自由化で変わったこと

「電力自由化」に伴う大きな変化といえば、やはり電力会社やサービス内容を自由に選べるようになったことではないでしょうか。それまでは、自分の住んでいる地域の電力会社と契約する以外の選択肢はありませんでしたが、今では自分のライフスタイルや価値観に合わせて電力会社やサービス内容を選ぶことができます。

異業種から多く電力事業に参入したことで、電力業界も活性化。自社のサービスと電気料金を組み合わせたさまざまなプランが用意されています。

電力会社を変えるメリット、デメリット

電気代が安くなるほか、さまざまなメリットが考えられます

では、改めて「電力自由化」のメリット、デメリットを確認していきましょう。

電力会社を変えるメリット

電気料金が安くなる
月々の電気料金が安くなるというのが最大のメリットでしょう。新電力のほとんどは、既存の電力会社よりも電気料金が安くなるプランを用意しています。

セット販売などのお得なプランが選べる
先ほども説明しましたが、新電力には都市ガス系の会社、通信系の会社などがあり、自社サービスとのセット割引を提供しています。消費者は、生活スタイルに合ったプランを選ぶことができます。

環境に優しい電気を選べる
新電力の中には、再生可能エネルギーの電気を使いたい方向けに、水力発電や太陽光発電を使用したプランを提供している会社もあります。ただし、ほとんどのケースで料金は割高になります。

電気の品質は変わらない
新しい電力会社なので電気の品質が不安…という人もいるかと思いますが、新電力であっても環境は一切変わらず、停電しやすくなるということもありません。また、仮に新電力の会社が倒産しても、既存の電力会社がバックアップしますので、送電がストップすることもありません。

電力会社を変えるデメリット

料金が割高になることもある
「月々の電気料金が安くなるというのが最大のメリット」と説明しましたが、新たに選択したプランと生活スタイルが合っていない場合には、料金が割高になる可能性があります。

事前の試算が難しく、使ってみないとわからない部分もありますので、プラン変更前後の電気料金を比較しておくとよいでしょう。

違約金がかかる場合がある
新電力の一部の会社では、解約時に違約金がかかるケースがあります。長期契約が割引の条件となるようなプランでは、こういった違約金に注意が必要です。契約前に解約条件を確認しておきましょう。

支払い方法が限られる
既存の電力会社はクレジットカードやコンビニ払いなどさまざまな支払い方法に対応していますが、新電力の場合は支払い方法が限られるケースもあります。

検針票が届かなくなる
既存の電力会社が毎月発行している紙の検針票。新電力の場合は発行されずにインターネット上で確認、または有料での発行となることが多いようです。

まとめ

「電力自由化」による、新電力への切り替え済みの家庭は約20%。5軒に1軒が切り替えているという計算になります。

一般家庭においてはこの「電力自由化」のメリットは大きく、切り替え件数も年々増えてきています 。自分のライフスタイルや価値観に合うサービスがあるようでしたら、検討してみてはいかがでしょうか。

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