中古物件を選ぶとき、まず気になるのが「立地の良さ」や「価格の安さ」ではないでしょうか。もちろんそれも大切なポイントなのですが、単純に立地や安さだけを重視して物件を選ぶと実際に住み始めてから後悔してしまうこともあるのです。今回は、中古物件だからこそ注意しなければならない点をはじめ、おすすめの選び方などについて紹介していきます。

中古物件は実際の建物を必ず見て決める

購入する物件を選ぶとき、遠方だったり忙しかったりすると実際の建物をあまり見ずに購入するケースもあります。まだ完成していない分譲マンションなど、モデルルームだけ見て購入を決めることもあるでしょう。新築物件であればそれでも大きな心配はないかもしれませんが、中古物件はそうはいきません。

中古物件は、基本的には誰かが一度購入して住んでいた建物です。以前の住人の住み方や築年数、その土地の環境などにより、建物の状態はさまざま。たとえば、築年数はそれほど経っていなくても、掃除やメンテナンスがほとんどされておらず、建物がボロボロになっているというケースもあるかもしれません。

このため、中古物件の良し悪しは単純に築年数だけで判断してはいけません。実際の建物を見ることで「なぜ売りに出されているのか」がわかる場合もありますし、築年数や建物自体に問題がなくても周囲の環境に問題があるケースもあるでしょう。実際に自分で建物や部屋の中を移動してみて、間取り図ではわかりにくい使い勝手の悪さが見つかる可能性もあります。

このように、中古物件には自分の目で直接確認しないとわかりにくいことも多いため、必ず実際の建物をチェックしたうえで購入することが大切なのです。

設備は設置年数や仕様まで確認する

中古物件は、新築同然のものから築何十年というものまで、幅広く売られています。立地が良くお買い得な価格で売られている物件があっても、よく見れば築40年が経っていたというケースも珍しくありません。中古物件は基本的に築年数が経過しているため、最新の設備を備えているものはほとんどないのです。このため、目当ての中古物件が見つかったら、忘れずに設備の設置年数や仕様まで確認するようにしましょう。

たとえば、「インターホン」が備えられた物件があったとします。最新のインターホンはモニターが付いており、カメラで自動的に訪問者を撮影したり、訪問者がいなくても外の様子を確認できたりするなど、便利な機能を搭載しています。

しかし、インターホンが普及し始めた頃のベーシックなタイプにはモニターもなく、電話のように外と通話することしかできないものが多くあります。

同じ設備でも設置した時期や仕様により、使い勝手が大きく異なります(画像:PIXTA)

古くてあまり便利に使えない設備の場合、取り外して最新のものと交換する必要が出てくるかもしれません。設備の劣化がひどければ、設備だけでなく周辺の壁紙や水まわりなども含め、大がかりなリフォームをしなければならないケースもあります。このような思わぬ出費を避けるためにも、購入前に設備面までしっかり確認することが欠かせません。設備が心配な場合は、すでに最新のものにリフォームしている中古物件を選ぶというのもおすすめです。

その場合は一般的な中古物件よりも価格相場が高くなりますが、細かい部分までしっかりリフォームされていれば、自分が住み始めてから修繕する手間も時間もかかりません。部分的にリフォームしていくよりトータルコストが割安になる可能性もあるので、検討してみるとよいでしょう。

住宅ローンを組めないケースがある

マイホームを購入する際、現金で一括払いできる人は多くなく、住宅ローンを利用するケースがほとんどです。中古住宅においても原則的に住宅ローンを組むことは可能ですが、中には住宅ローンを組めないケースもあるので注意しなければなりません。

住宅ローンは、住宅や土地を担保として金融機関からお金を借りるというものです。万が一返済が滞ると、金融機関は住宅を差し押さえ、競売などにかけて融資額を回収することもあります。このため、金融機関は「その住宅は融資額にふさわしい価値があるか」を重視して、住宅ローンの審査を通すかどうかを決めます。

したがって、価値が低いと判断される物件だった場合、返済が滞った場合に融資額を十分に回収できないリスクが高まるため、住宅ローンを組んでもらえないケースがあるのです。新築と比べて住宅の価値が下がった状態で購入する中古物件は、金融機関が評価した担保額よりも、実際の購入価格のほうが高くなることも少なくありません。

住宅購入にかかる諸費用やリフォーム費用まで含めた借り入れをしたい場合、借入額が増えるためますます住宅ローンを組むのは難しくなるでしょう。希望通りの額でローンが組めなかったり、住宅ローン自体を利用できなくなったりする恐れもあるので、資産価値の高くない中古物件を購入するなら頭金をしっかり貯めておくことも検討しておきましょう。

最新の建築基準を満たしていない可能性がある

建物は、安全かつ適切に使用するためにさまざまな建築基準が設けられています。建築基準は法律によって定められており、時代の変化や建築技術の発展などに伴って何度も改正されてきました。このため、中古物件が建てられた時期によっては最新の建築基準を満たしていない可能性もあるのです。

例えば、地震が起きた際に建物が倒壊し、中にいる人や周囲の人や物に損害を与えるのを防ぐために定められた「耐震基準」を見てみると、1981年と2000年に大規模な改正が行われています。1990年に建てられた中古物件の場合、1981年の改正には対応しているものの、2000年に定められた最新の基準には対応していません。

改正以前の古い耐震基準で建てられた物件は、建てられてから耐震補強工事でも行っていない限り現行基準を満たしておらず、安全に使用できない可能性があるのです。このため、建築基準を満たしていない中古物件を購入すると、後付けで耐震補強工事などのリフォームが必要になり、余計な費用がかかってしまうこともあります。建ぺい率や容積率、家の前の道幅なども含めて建築当初から違反建築物だったタイプと、法改正により既存不適格建築物になってしまったタイプがあるので、購入する前によく確認しておくことが大切です。

瑕疵担保責任免責の内容に注意する

中古物件は誰かが使用したことのある住宅であるため、設備や内装などがダメージを受けていることが多いです。使用感があるというだけでなく、中には「瑕疵」が隠れているケースもあるので注意しなければなりません。

瑕疵とは、外から見ただけではすぐに発見できない欠陥のことです。物件を売買する際、欠陥があるとなかなか売れないため売り主が修繕したり、買い主が欠陥を納得したうえで安く買ったりするのが一般的です。しかし、瑕疵は売り主も気づいていないケースも多く、売買後に発覚して売り主と買い主の間でトラブルになることも少なくありません。

このような事態を防ぐため、住宅を売買する際に売買契約書で「瑕疵担保責任」について明記し、瑕疵が見つかった場合に売り主が買い主に対して責任を負うことをあらかじめ定めていることが多いです。瑕疵があれば、買い主は売り主に対して契約解除や損害賠償請求などを行えます。瑕疵担保責任条項は中古物件にも基本的に設定されていますが、中古物件は築年数によってはダメージが蓄積していて当然だったり、以前の住人が問題なく使用できていたりすることもあります。このため、責任を負う範囲や買い主が損害請求できる期間などが民法の規定と比べ極端に狭いなど、売買契約書で瑕疵担保責任が限定的になっている可能性が高いのです。

以前誰かが問題なく住んでいたからといって瑕疵がないとは限らないので、売買契約書の瑕疵担保責任に関する項目は注意点としてしっかりチェックしておきましょう。

重要事項説明書は契約日より前に入手する

中古物件に限らず、不動産取引の際は必ず「重要事項説明書」が発行されます(画像:PIXTA)

重要事項説明書とは、物件に関する重要事項を明記した書類で、業者が購入予定者に対して必ず説明しなければならないと宅地建物取引業法によって定められたものです。対象物件に関する事項と取引条件に関する事項が書かれているのですが、項目数や専門用語が多いためなかなか確認しきれないこともあります。理解していないまま書類に署名・捺印してしまうと、後日トラブルが起きても「こちらは重要事項説明書できちんと説明した」「買い主の確認不足」と判断され、こちらが不利になりかねません。

契約の当日に渡された重要事項説明書をその場で完璧にチェックするのは難しいため、業者に依頼して契約日以前に渡してもらい、隅々までじっくりと内容を読み込んでおきましょう。

注意深く物件を見定めることが大事

便利な立地にお得な価格で売られている中古物件があると、つい即決したくなるかもしれません。しかし、中古物件は築年数や設備、住宅ローンや建築基準など、さまざまな注意点を持ち合わせているため、安易な決断は避けたほうがよいでしょう。これから何十年も住むことになる可能性のある住宅だからこそ、状態を注意深く見極めることが大切です。

この記事が気に入ったらシェア

オススメコンテンツ

おすすめ記事