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“一家に1台”といわれて久しいマイカー。しかし実際は、都道府県によりバラツキがあるようです。ARUHIマガジン編集部では、都道府県別の車の保有率と車の所有に関する諸事情について調べてみました。

1996年に世帯数と自動車保有台数が逆転

総務省が発表している「世帯数等の推移【日本人住民・複数国籍】」と(一財)自動車検査登録協会が発表している「自動車保有台数の推移」を比べてみると、1996年に世帯数が自動車保有台数を上回っていることがわかります。以後、自動車保有台数は世帯数を上回り続けており、2019年3月末現在の1世帯当たりの自家用乗用車の普及台数は1.052台。日本国内では1996年から“一家に1台”の時代が継続していることがわかります。

※自動車検査登録協会「自動車保有台数の推移」および総務省「世帯数等の推移【日本人住民・複数国籍】」より

都道府県別1世帯当たりの普及台数ベスト10

1世帯当たりの自動車普及台数を都道府県別に見てみると、普及台数の多いベスト10は表の通り。中部地方や北陸地方、関東地方でも北関東と呼ばれるエリアや首都圏近郊の県名が挙がっています。

※自動車検査登録協会「自家用乗用車の世帯当たり普及台数(都道府県別)」(2019年3月末現在)より抜粋

都市部では1世帯当たりの普及台数が1台未満

一方で、1世帯当たりの保有台数が下位の都道府県は表の通り。首都圏、関西圏に集中していることがうかがえます。テレビのニュースなどで目にする渋滞の光景から考えると意外に思えますが、この渋滞は日中、隣接県などから車両が流入・流出することによって生じているものと考えられます。例えば、警視庁が発表している交通量統計表(平成30年調査)によると、都県境の1日の流出入交通量は約219万台で、流入交通量のピークは7時台、最低は2時台、流出交通量のピークは17時台、最低は2時台となっています。都市部に在住する1世帯当たりの自家用乗用車普及台数が1台未満というのは、交通網や商業施設、生活関連施設などの充実ぶりを考慮すると、妥当な数字といえるかもしれません。

※自動車検査登録協会「自家用乗用車の世帯当たり普及台数(都道府県別)」(2019年3月末現在)より抜粋

車がないと生活が困難! 普及台数が多い地域の悩みとは?

車を所有している人の半数は「バス、電車、地下鉄などの公共交通機関が乏しい」を選択

車を所有している理由について、Twitter上でアンケートを実施したところ、次のような結果になりました(得票数256票)。

Twitterに寄せられたコメントの中には「田舎は人口が少なく、公共交通機関も少ない。生活関連施設も徒歩圏内で賄えることは稀なので、車は必須」(Tさん)、「地方では複数の選択肢が当てはまり、どれか1つに絞れない」(Kさん)といった声がありました。しかし一方では、公共交通機関の減少・衰退の背景にはドライバーの人材不足や人口減少に伴う利用者減のほかに、モータリゼーション(自家用自動車の普及)の進展による利用者減があるという資料もあります(2017年、国土交通省「公共交通の現状と課題」)。

「公共交通機関が少ないからマイカーを利用する」「公共交通機関の利用者が少ないから公共交通機関が衰退する」―現代日本が抱える課題を象徴するかのような“負のスパイラル”が見えてきました。

まとめ

都道府県別のマイカー普及率を見ていくと、都市部と地方との間に大きな差があることがわかりました。また、差が生じる要因として、公共交通機関の現状や生活環境の充実度などが挙げられることも明らかになりました。少子高齢化や人口減少が進むにつれて、マイカー普及率の高い都道府県が増える可能性もあるといえそうです。

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