”蚊”に刺されないためにできる対策。間違っていると効果半減?

夏の時期に気になるのが虫刺され。しっかり対策していたつもりでも、いつの間にか刺されていた… なんてことも少なくないですよね。問題なのは、不快なかゆみだけでなく、蚊によって感染症が媒介されること。2014年にはヒトスジシマカによるデング熱の国内感染が確認され、予防意識も高まってきている昨今。今回は虫よけ剤の種類や正しい使い方について紹介します。

虫よけ剤の種類と選び方

虫よけ剤は特徴に合わせて適切に使用することが肝心です

一般的に見られる蚊は、アカイエカやヒトスジシマカ(ヤブ蚊)など。水のきれいなところを好むものや、汚い場所を好むもの、広いところを好むものなど蚊の種類によっても多様です。そのため、生息場所もさまざま。外出時だけでなく、普段からきちんと対策するようにしましょう。

蚊の活動が最も盛んなのは真夏という印象があるかもしれませんが、気温にすると25~30度といわれています。つまり、暑さが弱まって過ごしやすくなる9月になってからも油断大敵です。

さて、虫よけ対策となると、スプレータイプの虫よけ剤や置き型タイプをはじめ、最近ではシールタイプの製品もありますし、定番の蚊取り線香などさまざまなものが存在します。それぞれ虫刺されの予防に効果がありますが、効果が高いのはどんな製品なのでしょうか。

虫よけ剤は、大きく3つに分けられます。

蚊のいやがる香りを発する

ハッカ油をはじめ、ユーカリやレモングラスなどのハーブ類、ヒノキ油など、蚊は強い香りを嫌がって近寄らなくなります。比較的体に優しい一方、効果の持続時間が短めなので、こまめに使用するのが○です。

殺虫する

蚊取り線香に代表されるような、蚊を殺す作用がある薬剤のこと。直接衣服にかけるタイプや軒先に置くタイプなどさまざま。殺虫剤なので、肌に直接かけることはしません。間違って、殺虫タイプの製品を体にかけてしまうケースも増えているので注意が必要です。

目隠しする

皮膚に塗ると、塗った部分を蚊が人だと認識できなくなる効果があります。ただし、効き目のある範囲が極めて狭いので、塗り残しがあった場合は刺されてしまいます。

一番多く売られているのは、「目隠しする」タイプです。それぞれ特徴が異なるので、レジャー時や自宅での対策など、使用状況によって使い分けましょう。
肌や衣服に塗布するものであれば、医薬品(または防除用医薬部外品)という表示があるものがまずは間違いないでしょう。体に使用する虫よけ剤の多くは、「ディート(ジエチルトルアミド)」という有効成分が含まれています。現在は、ディートの濃度が12%以上のものは「医薬品」、10%以下は「医薬部外品」と分類されています。濃度の高いほうが効果が高いというわけではなく、濃度に比例して持続時間が長くなります。しかし、夏は汗で虫よけ剤の成分が流れてしまうので注意しましょう。

虫よけ剤の正しい使い方

正しく使うことによって効果を損なわないようにしましょう

虫よけ剤をしていても、正しい使い方をおさえていなければ効果がなくなってしまうことも。まずは基本の使用法を守るようにしましょう。

夏は2~3時間ごとに塗り直す

虫よけ剤の基本的な使い方のポイントは、こまめに塗り直すこと。汗をかくと、虫よけ剤の成分が汗と一緒に流れ落ちてしまいます。夏場は2~3時間ごとに塗り直すことが肝心です。また、スプレータイプは、噴霧した後に、手で塗布するようにするとより効果が高まります。スプレーをすれば、完成… ではなく、丁寧に塗布することが大切です。
また、虫よけ剤の上に日焼け止めを重ねて塗ると、効果が弱まる場合も。日焼け止めを塗るときは、必ず最後に虫よけ剤を使用するようにしましょう。虫よけ成分が含まれた日焼け止めもあるので、そちらをチェックしてみるのもいいですね。

塗り漏れをできるだけなくすこと

虫よけ剤をしっかり塗ったとしても、どうしても“塗り漏れ”があることも。顔や手足などは丁寧に塗られていても、首まわりや耳、足首周辺など見落としがちな部位があるものです。特に、首の横からアゴまわりは体温が高く、蚊も寄ってきやすいので要注意。塗り漏れがありそうな部分は、入念に塗布するようにしましょう。

空間用タイプは商品選びと設置場所に注意

「吊るすだけ」「置くだけ」といった空間用虫よけ剤。設置するだけで虫が嫌がる臭いや成分を放出しますが、虫よけの対象となる虫の種類が少ないというデメリットも。商品ごとに異なるので、よく選んで購入することが重要です。
また風通しのよい場所では薬剤が滞留しないので、効果を疑問視する意見も。玄関やベランダなど、比較的風邪通しがよい場所に置いている家庭が多いので、設置場所は見直す必要があるかもしれません。

蚊に刺されやすい人の特徴は?

蚊の好む特性によって、刺されやすいタイプがあります

「蚊に刺されやすい血液型がある」「太っているほうが刺されやすい」などの噂を耳にしたことがある人も少なくないかもしれません。実際のところはどうなのでしょうか。
蚊は、汗に含まれる乳酸や二酸化炭素を敏感に察知します。そのため、汗をかいている人や、運動や飲酒などで二酸化炭素を多く吐き出す人のところに寄ってきます。暑くて汗をかいているときや、運動や飲酒をしている際は注意が必要です。汗をかいたら、こまめにタオルなどでふき取ることが有効です。
また、蚊は比較的温度が高いものを好みます。そのため、大人に比べて体温が高い子どもや基礎代謝が上がって体温も高くなる妊娠中の女性も蚊に刺されやすいもの。できるだけ注意するようにしましょう。

子どもは、大人に比べて外で過ごす時間が長い傾向にあります。夏は薄着で遊びに行くことが多いですが、できるだけ長そで・長ズボンを着用して肌の露出を少なくしたいところです。嫌がるお子さんもいるかもしれませんが、汗を吸い取りやすく、通気性の良い素材の服を選び、なるべく涼しく過ごせるように工夫するといいかもしれませんね。そのほか、蚊は暗い色を好むので、黒やネイビーの服も避けたほうが無難です。

それでも刺されてしまったら…

刺されてしまった場合は、かゆみを抑えるために冷却&虫刺されの薬を!

蚊に刺されてしまったときは、強いかゆみに思わずかいてしまいたくなります。子どもが刺された場合は、特に我慢できなくてかきむしってしまうことも。しかし、かいてしまうと皮膚の炎症がひどくなり、かゆみも増してしまいます。傷口に細菌が侵入して化膿する恐れもあるので、絶対にかかないようにしましょう。氷や流水で冷やすと、血管が収縮してかゆみもおさまるといわれています。
お出かけの際は、虫刺され用の薬も忘れずに持っていくようにしたほうが安心ですね。今の時期はできるだけ万全に対策し、もしも刺されてしまったらすぐに薬を塗るようにしましょう。

(最終更新日:2019.10.05)
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