【プロ直伝】まとめ買いは本当に得? 食費を節約するための買い物のコツ

家計の出費を抑えるために、まずは食費を節約しようとする人も多いのでは。そこで、家事アドバイザーである矢野きくのさんに食費節約のための買い物術やまとめ買いのコツを教えてもらいました。

「まとめ買いした食材を腐らせてしまった」「自炊のほうが外食より高くついた…」など、多くの人が経験する“買い物時の失敗”を防ぐためにはどうすれば良いのでしょうか?

食費節約の第一歩は?

買った食材はすべて使いきることが節約の第一歩です

 ―食費を節約しようと思ったときに、まずはどこから手をつけるべきでしょうか?

最初にやるべきことは「買ったものをすべて食べきること」です。驚かれるかもしれませんが、近年話題の食料廃棄や食品ロスはコンビニや飲食店よりも一般家庭のほうが多いんです。食材を腐らせてしまったり、調理後に食べきれず捨ててしまったり…。こういったムダをなくすことが節約の第一歩になります。まずは、残っている食材がないかをチェックすることから始めてみましょう。

 ―自炊をするために買い物した結果、「外食よりも高くついてしまった…」なんてこともありますよね。買い物の際、どんなところに気をつけるべきでしょうか?

大前提として、調理代・光熱費などが含まれた外食費よりも自炊のほうが高くなることは基本的にありません。仮に自炊のほうが高いと感じている場合は、「1食分にかかった費用のみで比較している」「食品ロスが生じている」などの原因が考えられます。買った食材を数日間かけて全部使い切り、トータルの食費を比較すれば、自炊のほうがお得になりますよ。

たとえば、ロールキャベツを作るためにキャベツを一玉購入した場合、残ったキャベツを腐らせてしまったらムダになりますよね。野菜炒めやサラダの材料にして、翌日以降にしっかり一玉を食べきることが重要です。

まとめ買いって本当にお得?

買い物の回数に応じて出費も増えるので「まとめ買い」がおすすめです

―「まとめ買い」と「都度買い」。節約する上ではどちらが最適なのでしょうか?

ズバリ、節約のためにはまとめ買いがおすすめです。買い物に行くほど出費も増えてしまうので、1週間に買い物に行く回数をあらかじめ決めておくとよいでしょう。一般的な家庭であれば、週1~2回の買い物周期がベストです。買い物に行く前の日は、残っている食材のみを使用して作ると決めておけば食料廃棄の減少にもつながります。

―まとめ買いのときには、業務スーパーやコストコなどを利用する人も少なくない印象です。これらを利用する上で知っておきたいポイントはありますか?

業務スーパーやコストコ利用時に重要なのは、「小分けして冷凍・冷蔵できるもの」を選ぶことです。大きなブロック肉などをそのまま冷凍すると、完全に冷凍されるまでに時間がかかってしまって鮮度や味が落ちてしまいます。細かくカットされている商品や最初から冷凍されている商品を選ぶと、まとめ買い後の手間が省略できますよ。

プロが実践している節約のポイントは?

カット野菜や加工済みの食材は光熱費節約や時短にも○

―矢野さんが実践しているまとめ買いのコツや、「これは買っておくべき!」といった食材を教えてください

業務スーパーなどでまとめ買いをするときは、「ひと手間加えられたもの」を購入するようにしています。たとえば、あらかじめカットされている野菜や調理加工済みの食材。それらを使えば節約だけでなく、料理の幅も広がりますよ。

【おすすめ食材1.冷凍パプリカ】

パプリカを丸々1個使ったメニューって意外と少ないんですよね。赤・黄・緑のパプリカが入った「冷凍パプリカ」は、使い勝手も良くておすすめです。細切りになった状態で冷凍されているので、食べたい分だけサッと取り出せますよ。内容量もたっぷりなので、まとめ買いにはぴったりです。

【おすすめ食材2.冷凍オニオンソテー】

業務スーパーにある「飴色玉ねぎ」も重宝している商品のひとつ。カレーやハンバーグなど、さまざまな料理で活躍するので常備しておくと便利です。また、すでに茶色くなるまでしっかり炒められているので、調理時の光熱費節約に繋がりますよ。

【おすすめ食材3.冷凍とろろ&大根おろし】

ひと手間加えられた状態で冷凍されている「冷凍とろろ」「冷凍大根おろし」も、まとめ買いには最適。調理時間の短縮にもなりますし、使い勝手も良いんです。

―買い物の際、余計なものを購入しないためにできることがあれば教えてください

先ほども説明しましたが、買い物の回数に比例して出費も増えてしまうもの。余計な買い物を減らすためには、「つい買っちゃった」ということをなくすのが重要だと思っています。

余計なものを購入しないための工夫として、最近はネットスーパーを活用中です。ネットスーパーであれば、食材の在庫や合計金額を見ながら買い物ができるので「買いすぎだから、チェックを外そう」「家に残っている食材で代用できそう」など、ムダ遣いを抑止できます。また、買い物に行くための時間と労力をカットできるのも大きな魅力。節約初心者さんにもおすすめの工夫です。

まとめ

食費を節約するために重要なポイントは、とにかくムダをなくすこと。買い過ぎや食材廃棄を減らすことで、毎月の出費をグッと抑えられます。ネットスーパー利用やまとめ買い時のコツを取り入れながら、少しずつ食費節約のイロハをつかんでいきましょう。

取材協力/家事アドバイザー 矢野きくのさん
家事の効率化、家庭の省エネなどを専門にテレビ、雑誌、講演などで活動。時短家事、100円グッズ、便利グッズ、業務用食品の情報にも精通し、生活用品や便利グッズの企画にも携わる。Honda、イオン、東芝など大手企業や日経新聞電子版、共同通信などでの連載実績も多数。

(最終更新日:2019.10.05)
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