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地方の田舎でのんびりと暮らすロハスな生活、自然に抱かれながら自給自足の暮らしなどがブームを迎えている今、古民家に人気が集まっています。しかし古民家をおしゃれにリノベーションしてマイホームにする場合、予想以上に費用がかかったというケースも珍しくありません。そこで今回は、自然素材を使った家づくりやリフォームが好評で、店舗なども幅広く手掛ける樹工舎の代表取締役社長・矢野智大さんに古民家をリノベーションする際の注意点についてお話を伺いました。

古民家にしかない魅力とは

昔ながらの梁など、家の持つ歴史が魅力

むき出しの梁や桁、茅葺き屋根、台所や仕事場など複数の役割を兼ねる土間、独特の間取りなど昔ながらの特徴がそのまま古民家人気の理由といえます。「新築にはない、家本来の持つ歴史こそ古民家の魅力です。100年、200年と息づいてきた年月が風格や雰囲気を醸し出しています」と矢野さん。

使われていた木材を再利用することも

使われている木材についても「経年劣化した木材ならではの風合いは、新しいものを加工しても決して出せません。柱に刻まれたキズが何ともいえない味になったりすることもあります」。古き良き時代に作られた空間に住まう憧れの古民家暮らし。しかしいくつかの注意したいポイントもあるそうです。

古民家を購入する際の注意点

古民家をリノベーションして住もうと物件探しをする場合に注意しておきたいのが”家の状態”です。「最も入念にチェックしておきたいのが白アリ。長年放置されている家屋では白アリの被害があるケースも多いので注意が必要。外観が綺麗でも調べてみると柱の中や床下などが白アリに食い荒らされてスカスカになっているケースがあります。こうなったら新たに基礎から作り直さなければならないので相当の費用がかかることになります」と矢野さん。次に注意したいのは屋根。古民家をリノベーションする場合、屋根の吹き替え工事を行う場合がほとんどですが、その場合でも事前に雨漏りがないかなども入念にチェックしておきましょう。

古民家リノベーションに詳しい専門家を交えてチェック作業を

古民家リフォームの実績のある業者に依頼を

とはいえ、家のどこに問題があるのかを素人が判断するのは至難の業です。矢野さんは「自己判断は危険。古民家のリノベーションの経験が豊富な工務店や大工さんなどに事前に相談し、物件をチェックしてもらうことをおすすめします。プロの目で床下や屋根、外壁などをチェックすると、リノベーションが可能かどうか、また費用はどのくらいかかるのかなどを知ることができます」。

快適に住まうための必須条件とは

夏は涼しい日本家屋ですが、こと冬の寒さ対策となると万全ではないことが多いもの。そこで矢野さんが古民家で快適に住まうため、リノベーションで外せないポイントとして挙げるのが断熱です。「夏は涼しく、冬は暖かく住まうための断熱は必須だと思います。古民家の場合は外壁を外して断熱材を入れ、新たな外壁で覆います。こうすることで夏は涼しく、冬も温かく、また光熱費も結果的に抑えることができます」。

費用は新築の方が安い場合も

憧れの古民家暮らしですが、通常のリノベーションとは違い、思った以上に費用がかさむ場合がほとんどだといいます。「屋根の葺き替えや外壁の塗装など、年に1度はメンテナンスが必要となるなど、リノベーション費用に加え、維持管理に思った以上に費用が発生することもあります。まずは古民家のリノベーションについて十分な知識と経験、技術のある業者選びが重要です。費用も新築のほうが安い場合も少なくありませんから後悔のないようしっかりと検討してください」と矢野さんは言います。信頼できる業者との出会いこそ、快適な古民家暮らしのスタートといえそうです。

取材協力:矢野智大(やのともひろ)
株式会社樹工舎代表取締役社長。1977年香川県出身。
外構、土木工事の経験を経て22歳で大工の棟梁に弟子入り。大手ハウスメーカーの工事など様々な現場を通じて経験を積む。10年前に独立。2016年12月に株式会社樹工舎を設立。現場での経験を活かしながら新築住宅、リフォームをはじめ、古民家を結婚式場にリノベーションし注目を集めるなど、住宅だけでなく商業施設の物件も数多く手掛けている。
http://kikousha.jp/

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