捨てる? 売る? 譲る? 引っ越しで出た「ゴミ」どう処分する問題

引っ越しの際、必ずと言っていいほど不用品が出てくるものです。片付けが進むにつれて、古くなった家具・家電や、もう使わないカバンや着られなくなった洋服などの身の回り品など…気づけばどんどんいらないものが出てきた人も少なくないのでは。

捨てきれないからと言って、とりあえず引っ越し先の家に持って行こうというのは、あまりおすすめできません。ものが増えるほど引っ越し費用がかさむうえに、せっかくの新居が不用品で溢れてしまうという事態になりかねないからです。

とはいえ、可燃ごみや不燃ごみなど、一般的なゴミであれば簡単に捨てられるけれど、荷造りの際に使った大量のダンボールや大きな家具は処分に困りますよね。

不用品の処分方法は、大きく分けて「捨てる」「売る」「譲る」の3パターンに分けられます。まずは、処分したいものの状態を見た上でざっくり仕分けていきましょう。処分の方法と注意点を合わせて紹介しますので、引っ越しの際にはぜひ参考にしてみてください。

【捨てる方法その1】地方自治体の粗大ごみ回収に出す

貰(もら)い手が見つからなさそうなものは、ごみとして処分するのが無難かも

例えば、脚が折れてしまったテーブルや、スプリングが飛び出しているソファなど、壊れていたり汚れていたりするものでも、つい捨てずに放置してしまったこともありますよね。なかなか売ることも譲ることもできないので、思い切って捨てる方が賢明です。

最も一般的な方法は、粗大ごみの回収に出すことです。住んでいる自治体によって回収のルールや手順が違うので、役所に直接確認を取ったり、ホームページで確認したりするなど、事前に調べておきましょう。大抵の場合、粗大ごみの回収は有料となっているので注意して下さい。

なお、粗大ごみとは「最も長い部分が30cmを超えるもの」であり「素材が金属やプラスチック、木でできたもの」を指します。タンスやソファ、テーブル、自転車などはそれに該当しますが、小さめの家電製品(アイロンやドライヤーなど)は不燃ごみとなります。

また、家電リサイクル法対象のテレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫などは粗大ごみでの回収は行われないので気を付けましょう。

【捨てる方法その2】不用品回収業者に依頼する

自治体の粗大ごみ回収サービスが、日程指定不可かつ指定場所への運び出しが必要なのに対し、不用品回収業者は都合の良いタイミングで自宅に引き取りに来てもらえるといったメリットがあります。また、家電リサイクル法対象の家電なども引き取り可能。

ただし、地方自治体に依頼する際と同じく、処分費用はかかることが多いです。さらに、家電リサイクル法対象のテレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫を処分するにはリサイクル料金が別途かかります。業者の一括見積サイトを利用し、料金の相場や各業者のサービスを比較しながら検討しましょう。

また、中には悪質な回収業者もあるので要注意。見積もりと実際に支払う金額が大きく違った…なんてトラブルも起こりえます。心配であれば、不用品回収のサービスも行っている引っ越し業者に依頼するのも一つです。引っ越しと処分が同時に行えるので、業者を探す手間もかかりません。ただその分、引っ越し費用が上がってしまうので、予算との兼ね合いを見て検討すると良いでしょう。

【売る方法その1】近隣のリサイクルショップへ持ち込む

できるだけ効率よく、高値で売る方法を考えたいもの

処分したいものが比較的きれいな状態で、まだ使えそうなものの場合は、「売る」という選択肢がおすすめです。不用品を引き取ってくれるだけでなく、お金も戻ってくるので一石二鳥。

大量の不要品を売る場合、多くの人がリサイクルショップへの持ち込みをイメージするのではないでしょうか。洋服や雑貨、小さめの家電製品など、ジャンルを問わずまとめて売ることができるのが大きなメリット。細々したものを一気に片付けたいときには非常に便利です。

ただし、買取価格が少し低めの設定なのが少々ネックに。少しでも高く売りたい場合は、持ち込む前に軽く拭いたり掃除をしておきましょう。汚れやにおいを取るだけで、査定額アップが期待されます。

【売る方法その2】自宅ですべて完結!宅配買取サービスを利用する

「リサイクルショップが近くにない」「忙しくて売りに行く暇がない」という場合に利用したいのが、ネットや電話で申し込める宅配買取サービスです。

申し込み後は、売りたいものを箱に詰めて送るだけ。梱包資材を事前に送ってくれる業者が多いので、わざわざダンボールやガムテープ、緩衝材を買いに行く手間もありません。配送会社に連絡すれば、着払いで引き取りに来てもらえるサービスを行っているところもあるので、比較してみると良いでしょう。

高く売るコツとしては、洋服やアクセサリー、パソコン機器、書籍など、売りたいもののジャンルによって業者を変えること。例えば、パソコンがメインの買取業者に洋服を売っても、あまり買取価格は期待できないでしょう。逆に、かなり古い型式のパソコンでも、値段がつく可能性が上がります。こだわりすぎると手間がかかってしまいますが、できる範囲で業者を分けるのは不用品売却のテクニックとしてとても有効です。

【売る方法その3】値が付きそうなものはオークションサイトやフリマアプリで売る

もう使わないけれど、ブランド品やレアものの雑貨、高価な食器など、リサイクルショップで売るにはもったいないものもありますよね。そんなときは自分で好きな値段をつけて売ることができる、ネットオークションやフリマアプリがおすすめ。気軽に出品できるので、利用者も近年急増しています。ユーザー同士のやりとりや、希望の価格で売れる楽しさを味わえるのもサービスの醍醐味です。

ですが、ユーザー同士のやり取りがほとんどなので、説明が不十分だと「商品に傷がついていた」「商品の発送が遅い」などのトラブルに発展する可能性が高いのも、オークションやフリマアプリの特徴です。出品の際には、商品状態の詳しい説明や写真をアップしたり、取引の際の注意点を購入者にしっかり伝えておきましょう。また、大抵の場合はユーザーの評価をチェックできるので、印象の悪い評価が多いユーザーとは関わらないようにするのもトラブルの予防策になります。

【譲る方法その1】家族や友人に声をかける

自分では不用品だと思っていても、意外と需要がある場合も

自分はいらないと思っているものでも、他の人にとっては必要なものである可能性もあります。捨てようと思っていたけれどまだ使えそうなものがあるなら、まずは家族や友人に声をかけてみるのが良いでしょう。SNSを使って、友人限定で呼びかける人も少なくありません。家に来てもらい、実物を見てもらえれば、すぐに引き渡せるのでスムーズです。ただし、タンスやテーブルなど大きな家具は、運び出しの際に住まいを傷つけてしまう恐れがあるため、運送会社などプロの力を借りた方が良いかもしれません。

【譲る方法その2】福祉・ボランティア団体に寄付する

サイズが合わなくて着られなくなった衣類、古くなったぬいぐるみやおもちゃ。これらは寄付するという方法もあります。国内外のボランティア・福祉団体をはじめ、病院や保育施設といった公共施設など、寄付先はさまざま。本来なら不用品として捨てられるはずだったものを、必要としている人の元に送り届けることは、社会貢献にもつながります。

寄付を募っているものの種類は団体や施設によって変わるので確認が必要です。事前に問い合わせるなどして調べておきましょう。

引っ越しは、断捨離をするのに良い機会でもあります。心機一転、新しい生活を気持ちよくスタートさせるためにも、不用品処分のコツやポイントを覚えて身の回りを整理しましょう。

(最終更新日:2019.10.05)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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