長期休暇や年末年始に、祖父母と一緒の三世代旅行に出かけるというファミリーは多いはず。みんなでわいわい旅行するのは楽しいけれど、旅先で子どものやりたいことと祖父母世代の過ごし方は、必ずしも一致するとは限りません。パパ・ママからすると、義父母が一緒だと何かと気を使う場面も……。祖父母、親、そして子どもみんなが納得するお宿を選ぶのは、実は大変です。そこで今回は子連れ旅専門のトラベルエディターが、三世代旅行のポイントやお宿の選び方を、三世代旅行レポートとともにお届けします。

館内移動の少ない温泉宿がやっぱり安心

普段あちこち出歩くタイプではない祖父母と一緒なら、ゆったりくつろげる和風の温泉宿を選ぶのが安心です。よかれと思って話題のスポットやおしゃれすぎる最先端ホテルを選んでも、慣れない環境に疲れてしまい楽しんでもらえない可能性も。今回筆者が三世代旅行に誘った義父母も、旅行は数年に一度ということだったので和風温泉宿の一択。静岡県の伊東温泉にある星野リゾート 界 伊東を予約しました。

星野リゾートにはさまざまなブランドがありますが、なかでも界は客室やアクティビティに地域の伝統文化や和の趣を盛り込んだ温泉旅館ブランドで、最も三世代旅行向き。全国各地で展開していて、今回泊まった界 伊東は静岡県伊東温泉で、源泉掛け流しの露天風呂や足湯などを楽しめる旅館です

和風温泉宿への旅行は、観光というより宿の中でゆっくりくつろぐのが主な楽しみ方。祖父母にも負担がかかりにくいし、パパ・ママも温泉につかってのんびり日々の疲れを癒せます。

チェックインしたら、備え付けの作務衣に着替えてさっそく足湯につかります。距離感がぐっと縮まり、「保育園はどう?」「最近は何で遊ぶのが好きなの?」など、お互いの近況報告タイムに
大人の人数が増えると手が増えるので、子どものお世話もいくらか軽減。祖父母は孫とふれあえて、パパ・ママがほっと一息つける時間も少し生まれます

祖父母世代がすんなり馴染めて過ごしやすい和風温泉宿ですが、純和風すぎると実は祖父母にとって逆に体に負担がかかってしまうことがあるというのは知っておいたほうがいいポイント。高齢の場合、和室に布団を敷いて寝るよりベッドのほうがラクだったり、座敷での部屋食だと膝が痛いからテーブルで食べるほうがいいなど、一見和風だけれど造りはモダンになっている宿のほうが喜ばれるかもしれません。これらのポイントは、宿を決めるときに祖父母に確認すると旅の満足度が大きく変わってくるはずです。

(左)6歳以下の子どもには、和食のよさを伝える子ども向け和食膳が。日本の伝統的な食材である豆、ごま、わかめ(海藻類)、野菜、魚、しいたけ(きのこ類)、いもを頭文字で表現した「まごわやさしい」をとり入れています。大人は伊豆の魚介を中心とした季節の会席料理がいただけます (右)界 伊東での夕食は食事処のテーブル席で。とはいえ半個室になっているのでプライバシーは確保。三世代みんな一緒に食事できる広いテーブルもたくさんありました

 

寝室が2部屋ある和室で、祖父母の落ち着く場所を確保

今回は三世代にぴったりの「三世代みずいらず旅プラン」を予約。昨冬に新しくできたばかりの広い特別和室で、最大8人まで泊まれます。

界 伊東の特別和室。広いリビングには子どもが遊べるコーナーと、ゆったりくつろげるソファコーナーがあります

ポイントになったのは、ただ広いだけでなくリビングとベッドルーム2室で部屋が分かれていること。みんなでずっと同じ空間にいると、祖父母もパパ・ママもお互いに気を使ってどうしても疲れてしまうもの。祖父母世代にとっては、元気いっぱいの孫にずっと付き合うのも大変です。逆に小さな子どもがいると日中にお昼寝タイムがあり、同じ部屋にいて起こさないようにするのは一苦労。寝室が分かれていることでお互いの自由度が増し、みんながストレスをためずに1泊過ごすことができます。以前に三世代で別の場所を旅行したときは、こうした心配をクリアするためわざわざ2部屋を予約。ただ、隣同士にしてほしいと事前に確約をとることはできず、「せっかく一緒に旅行しているのに夜はバラバラ、でもずっと一緒だとお互い気を使うし……」とモヤモヤした気分でした。でも今回のような2ベッドルーム仕様ならそんな心配も無用です。

(左)祖父母用の寝室。界 伊東は段差をなくし障害を軽減する「バリアレス」の取り組みが進められていて、リクエストすればベッドに手すりを付けてくれたり、室内用杖やシャワーチェアの貸し出しにも対応してくれます
(右)パパ・ママと子ども用の寝室。川の字で寝られるように、ベッドをくっつけておいてくれました

客室や館内に子どもの遊び場があると退屈知らず

祖父母やパパ・ママはゆっくりくつろぐことができる和風温泉宿ですが、子どもたちは遊ぶ場所がないと退屈してしまいます。宿を出て外に遊びに行くとなると結局ゆっくりもできません……。今回泊まった特別和室は室内に子どもが遊べるコーナーがあり、おもちゃ・絵本の無料貸し出しにも対応してもらえました。

広いリビングで子どもたちは自由にプレイタイム。祖父母はお茶を飲みながら見守っていました。ベビー用(昼寝布団、おむつ用ゴミ箱、おもちゃなど)・キッズ用(絵本、おもちゃ、踏み台など)のアメニティは予約時にリクエストしておくと対応してくれます(数に限りあり)

三世代みんなで楽しめたのは、“思いだすごろく”というこのプラン専用で作られたオリジナルすごろく。「生まれた日の思い出を話そう」「クリスマスの思い出は?」など家族のイベントや楽しい思い出を振り返りながら楽しめる内容になっていて、かなり盛り上がりました!

すごろくは「三世代みずいらず旅プラン」専用のサービス。しっかりした造りなので、お持ち帰りして何度でも楽しみたい!
客室に用意されていた大きなサイコロを使って。おじいちゃん、おばあちゃんと一緒にサイコロをふって、娘も楽しそう! サイコロはこれよりもう一回り大きいバージョンも用意されていました

館内にプールがあると、水遊びが大好きな子どもたちはさらに楽しめます。伊東温泉は全国有数の湯量を誇る温泉で、大浴場だけでなくプールも源泉! 客室の内風呂や足湯も贅沢に源泉が使われています。

子どもにはライフベストの貸し出しもあります。源泉であたたかいので夏以外もプールを楽しめそうです。祖父母はプールサイドで、楽しむ孫を見守ります。水遊び用の道具はないので、子どものサイズに合う浮き輪は持参するのがベター
界 伊東は地域文化を楽しむご当地楽というアクティビティが無料で体験できます。伊東市の市花でもある「椿」の種を搾る「椿油づくり体験」にチャレンジ。搾り出した油はお持ち帰りでき、皮膚の保湿などに使えます

これまでの経験上、子どもが館内でたくさん遊んでくれるとほどよく疲れて早めに寝てくれることが多いです。子どもが寝たあとは、待望の大人時間。日頃、ゆっくり話す機会がとれない義父母とのビールタイムを楽しみました。こうした時間をつくれるのも三世代旅行のよさですね。

子どもが寝ると、ようやく解放された気分に。界 伊東の三世代プランにはご当地ビールやおつまみが含まれていて客室に用意されていたのでお得な気分でした

駅近か無料送迎付きの場所なら、現地集合も可能

界 伊東はJR伊東駅から徒歩約10分、タクシーに乗れば3分程度で到着します。祖父母と離れて暮らしていて宿や駅に現地集合する場合でも、駅から近いか、無料送迎バスなどがあると移動がかなりラク。お互いの家の中間地点になりそうなエリアで宿を選ぶのも、双方に負担がかかりにくいのでおすすめです。界ブランドは全国で展開されていますが、三世代旅行に特におすすめなのは界 伊東のほか栃木県日光市にある界 川治、石川県・山代温泉にある界 加賀、静岡県浜松市にある界 遠州。どこも露天風呂付き客室があり、離乳食の準備や施設によっては無料送迎サービスがあります(界 加賀の無料送迎サービスは期間限定)。

石川県・山代温泉にある界 加賀。露天風呂付き客室は眺めも抜群。8月31日までの期間限定でご当地の加賀棒茶かき氷を提供しているそうで、子どもたちは飛びつきそう
栃木県日光市の界 川治。石臼が置いてあり、さまざまな大豆から好きな種類を選んできな粉を作る石臼体験は子どももハマりそう。界ブランドの夏の名物、ご当地かき氷はきな粉ミルクのかき氷(8月31日まで)
静岡県・舘山寺温泉にある界 遠州。全室から浜名湖を望めるそう。ご当地かき氷、遠州綿紬かき氷(煎茶といちご味)を8月31日まで宿泊者に無料提供中

アクティブな祖父母ならモダンなリゾートホテルもアリ

和風にこだわらず、孫と一緒に今どきのアクティビティを楽しみたいという元気な祖父母なら、子連れにやさしいリゾートホテルを選ぶのも手です。親世代はお世話がさらにラクになり、祖父母世代は新鮮で刺激的な旅行になるはずです。

熱海にある星野リゾート リゾナーレ熱海も「三世代みずいらず旅プラン」を用意。全室オーシャンビューで、最大6人が一部屋に泊まれるテラスリビングスイート(2ベッドルーム)にステイ。テラスで贅沢なティータイムを楽しんだり、施設内にある森のアスレチック「森の空中散歩」に、祖父母と孫で一緒にトライしてみるのもおすすめ

そうそう行けない特別な三世代旅行だからこそ、どの世代も満足できて、家族の親睦を深められる楽しい旅行にしたいもの。今回挙げたポイントをもとに、ご自身の三世代にぴったりの宿探しをしてみてください。

<取材協力>
星野リゾート 界 伊東星野リゾート リゾナーレ熱海

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