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グラスウールは最も広く知られている断熱材ですが、結露の心配や人体への影響について気になるという声もあります。グラスウールはどんな特徴を持つ断熱材なのか、他の断熱材との比較を交えつつご紹介します。

グラスウールってどんな断熱材?

リサイクルガラスを利用して作られた断熱材

グラスウールは知名度の高い、一般的に利用されている断熱材です。主にリサイクルガラスを利用して作られており、繊維系断熱材の一種に分類されます。では、グラスウールはどんな断熱材なのか、他の断熱材と特徴を比較しながらご紹介します。

他の断熱材とグラスウールの違い

グラスウールとは、一言で言えば価格と性能のバランスが良い断熱材。他の断熱材と比較しても平均的な価格帯で、際立ったデメリットがないことが広く受け入れられている理由でしょう。

グラスウールは吸音性、不燃性、安全性などさまざまな観点で優れた点を挙げることができます。最も優れているポイントは、性能の持続性。他の素材と比べて、年月を得ても変形や劣化がなく、施工時点と同じ性能を保つことができます。何十年も住むことになる住宅ですから、性能の持続性は断熱材を選ぶ際には重要なポイントとなります。

一方で、一定の断熱効果を引き出すためには、ある程度の厚さを持たせた施工が必要です。また、湿気を通しやすい性質がありますので、防湿層の施工が必要になります。

グラスウールより厚さが薄くても断熱性を保てる発泡プラスチック系断熱材もありますが、そちらを選んだ場合はやや費用がかかります。

グラスウールはなぜネガティブな印象がある?

グラスウールについて、「結露が起こる」という印象を持っている方が多いかもしれません。この現象は、断熱材が全国的に普及したころに実際に頻発したものです。しかし、これはグラスウールの持つ性質の問題ではなく、正しい施工が行われなかったことに起因するトラブルだったそう。

もともと断熱材は北海道を中心とした寒いエリアで求められていたものです。氷点下となる冬を越えるために、家の温度を保つ断熱住宅の技術は必要不可欠でした。

断熱住宅が通年快適に過ごせるということがわかったあと、断熱材の利用は全国に広がりました。しかし当時の本州では、防湿層の施工が不十分であったため、グラスウールを施工した住宅で結露が生じる事態が発生しました。こうしてグラスウールにネガティブな印象がついてしまいましたが、現在は十分な防湿を行う施工が普及しています。

グラスウールの特徴は?

吸音効果が高いため、人間の生活音を低減できる

グラスウールは他の断熱材と比較して劣っている断熱材ではないというだけでなく、そのほかにも特徴があります。グラスウールは断熱材ですが、利用することで、住まいや暮らしに様々な付加価値を与えます。

吸音性に優れている

グラスウールは高い吸音性を持っており、生活音対策の役割も果たします。中音域から高音域まで広く対応するため、音楽ホールなどの開放的なスペースで吸音を目的に用いられることもあります。また、遮音シートなどと組み合わせることで、より効果を発揮します。他の断熱材と比較して騒音対策と相性の良い素材といえるでしょう。

戸建て住宅では、お互いが快適に過ごすために音への対策を事前にしておくことをおすすめします。特に寝室など静かに過ごしたい部屋に接する壁や床には、グラスウールを用いるとよいでしょう。

環境に優しく、人体に無害

グラスウールは原料の85%にリサイクルガラスを利用しており、環境保全の観点からも優れています。

また、人体への影響についても問題はありません。建材というくくりにおいて、注目されたアスベストのような有害性を心配する声もありますが、グラスウールに発がん性はありません。また、製造工程でアスベストを加えることもないので安心です。

ちなみに、アスベストは肺に入り込む1ミクロン以下の細い繊維であるうえに飛散することが人体への影響を大きくさせましたが、グラスウールは4~8ミクロンの繊維で、肺まで届くことはほぼありません。飛散する性質もなく、万が一、体内に入ってしまったとしても、体液によって溶かされます。

こうした特徴から、グラスウールは環境、人体双方に悪影響の少ない断熱材であるといえるでしょう。

火災発生時の耐火性が高い

震災の二次災害や火災への対策を考えれば、住宅の耐火性は重要なポイントです。一般的に発泡プラスチック系断熱材は火や熱に弱いものが多く、火災時の被害を大きくしてしまう可能性があります。

対して、グラスウールはほとんど燃え広がることがなく、有害ガスを発生させることもありません。したがって、壁面にグラスウールの断熱材を利用している家でもし火災起きたとしても、グラスウールが家全体に炎が燃え広がるまでの時間を延ばしてくれる効果もあります。

断熱材グラスウールの意外に知られていないこと

国の優遇制度や補助金制度が適用されるので、新築・リフォームを検討中の方はぜひ活用を

グラスウールを断熱材として利用するときに併せてチェックしておきたいポイントをご紹介します。後悔のない断熱住宅選びのためにもご確認ください。

高断熱性能を持つ住まいには、国の補助制度が適用できる

高い断熱性を持つ住宅は、冷暖房設備に頼ることなく室温調整ができるため、省エネに資するものとして国の優遇制度や補助金制度を利用することができます。住宅ローン減税や固定資産税の控除など、条件によって多様な制度が用意されていますので、これから新築やリフォームを検討している人はチェックしてみましょう。

メリットがたくさんあるグラスウールで、快適な断熱住宅を

グラスウールは代表的な断熱材として広く普及してきました。グラスウールよりも性能の高い断熱材もありますが、費用対効果を考えたとき、最も戸建て向きの断熱材だといえるでしょう。

今回は吸音性や安全性などの特徴をご紹介しましたが、このほかにもシロアリの食害を受けにくい、経年劣化が少ないなどのメリットがあります。断熱材の種類について検討している方は、こうしたグラスウールの特徴を含め、他の断熱材と比較してみてください。

取材協力/マグ・イゾベール株式会社

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