【気になる】マンション最上階は本当に暑い? 住むメリットとデメリット

「マンションの最上階はほかの階よりも暑い」という話を聞いたことはありませんか。「ほかの階と比べてなんとなく暑いかな」という程度ならいざ知らず「真夏のエアコンが効かない」「蒸し風呂状態」などと聞くと不安になってしまいます。一方で、最上階の部屋には見晴らしの良さなどメリットもたくさんあります。実際の最上階の暮らしはどのようなものなのでしょうか。

マンションの最上階は暑いって本当?

空から降り注ぐ真夏の暑い日差しはマンションの屋上を直撃します。マンションに使われているコンクリートは一度温められると簡単には冷えず、室内に熱を放射するという性質を持っています。その影響を最も多く受けるのはやはり最上階の部屋です。屋上部分の熱が最上階の部屋に降りてくることによって、最上階が暑くなるといわれています。そこで気になるのはマンションの断熱性能です。

マンションは外気の暑さや寒さを遮断するために断熱材を用いて建てられています。断熱性能は年々向上しており、なかでもマンションの建築方法で用いられるようになった「外断熱方式」は、建物全体を外側から断熱することによってコンクリート自体に熱が伝わりにくくなっており、高い断熱効果を実現しています。比較的新しいマンションでは、特に屋上について外断熱方式が用いられることが多いため、最上階だから必ずしも暑いとは限りません。

一方で、中古マンションを購入する際にはどのような断熱方式になっているかを確認する必要があります。不動産業者や売主に確認してみるとよいでしょう。より断熱効果を高めるための方法として、リフォーム時に断熱材を使用するという方法があります。購入して住んでしまったあとでは断熱材を施工するのが困難になるため、購入前に確認しておきましょう。

マンションの最上階に住むメリット

猛烈な暑さの対策ができれば、マンションの最上階に住むメリットはたくさんあります。何といっても、最上階からの眺望の良さは抜群です。場所によっては海や山を望めるなど、戸建住宅や低層階で生活しているときとは全く違う視界が開けます。都市部であれば夜景も楽しむことができます。マンションの周辺に植えられている木々も見下ろせる高さにあるため、風を遮るものがなく、心地よい風が部屋の中に入ってくるのも魅力です。少し暑い程度なら、窓を全開にすれば風通しが良いため、体感温度を下げることもできます。

 マンションでは上の階に住んでいる人の物音が気になることもよくありますが、最上階ではその心配がありません。また、将来的に近くに高い建物が建てられたとしても、最上階であれば日当たりの良さを確保できる可能性が高いでしょう。

マンションの最上階に住むデメリット

断熱機能が向上しているとはいえ、断熱材の種類や断熱の工法によっては、夏場はほかの住戸よりも暑い場合があります。新築マンションの場合はモデルルームなどで断熱について質問しておくと安心です。中古マンションの場合、もし夏場に暑くなることが確認できたなら、購入後、実際に住むまでのあいだに断熱効果を高めるためのリフォームができるかどうか、どれくらいの費用が必要かまで考えてから購入するとよいでしょう。

また、マンションの最上階は災害が起きた際、エレベーターが利用できないときには、移動が一気に不便になります。平常時だけでなく不測の事態が起きたときを想定して、避難経路などについても検討しておきましょう。部屋から移動できない事態も考えて、十分な備蓄を準備しておくというのも良い方法です。

さらに、プレミアム感のある最上階の部屋は、ほかの住戸よりも価格が高くなる傾向があります。住宅自体の価格だけではなく、修繕積立金や管理費などの維持費もほかの住戸に比べて高い場合がありますので、マンションそのものの価格と合わせて確認するようにしましょう。

最上階の部屋が暑いときの対策方法

断熱性能が高いマンションを選んでも、それでも部屋が暑いときは、暑さをシャットダウンするいくつかの方法を試してみましょう。

【1】最上階の風通しの良さを利用して体感温度を下げる

最上階の部屋は風通しがよく、窓を開け放てば気持ちの良い風が入ります。部屋の中が暑かったとしても、窓を開ければ部屋の中の熱い空気を入れ替えることができます。

【2】窓の断熱をする

外からの熱気は屋上からだけではなく、側面のコンクリート壁を伝って部屋の中に届きます。外気と接している面が多い住宅は、それだけ外気温の影響を受けやすくなるのです。外気と直に接する場所といえば窓ですが、二重サッシなど窓の断熱を施しているマンションは少ないでしょう。しかし、あらためてリフォームするとなると、お金も時間もかかります。そこで、工事などをせずにできる簡単な方法を試してみましょう。

窓のすぐそばに植物を植えて緑のカーテンを作ったり、すだれをかけて日差しを防いだりする方法です。角度を調節できるオーニングを取り付けてもよいでしょう。窓からの日差しを遮るだけで、驚くほど断熱効果が上がります。特に、緑のカーテンは見た目も良く、葉のあいだから降り注ぐ日差しは癒し効果も抜群です。最上階は風が強いため、いずれの対策をとる場合にも、しっかりと物を固定しておくことを忘れないようにしましょう。

【3】ベランダに「すのこ」やウッドデッキを敷く

ベランダは太陽の光が直撃するため、熱を溜め込みやすい仕組みになっています。すのこやウッドデッキを敷くことで、熱が直接コンクリートに届くのを妨げ、ベランダにこもる熱の量を減らすことができます。

最上階に住むのにおすすめなのはどんな人?

最上階の一番の魅力は、やはり抜群の解放感と眺望です。視界を遮られない開放的な眺めのある部屋に住みたい人は、最上階を選ぶとよいでしょう。眺望にこだわりがないという人にもメリットはあります。たとえば、最上階は上の階がない分ほかの部屋より比較的騒音について悩むことが少ないため、そういった音の問題が気になる人には快適かもしれません。

将来的にマンションを手放すことを考えている人も最上階に住むのにおすすめの人と言えるでしょう。将来マンションを売ったり、賃貸として貸し出したりする可能性を考えると、将来的に資産価値が落ちないようなマンションを買うことが大切です。社会的ステータスが高い人ほど高い場所に好んで住むといわれるように「絶対に最上階に住みたい」という人はたくさんいます。最上階ということが大きな強みになるのです。「転勤で引っ越す可能性があるから、賃貸で暮らし続けるか、マンションを購入するか迷っている」という場合は、資産を運用するという観点から最上階の部屋を検討してみてはいかがでしょうか。

断熱性能が整っていれば問題ない!

最上階は暑いといわれがちですが、断熱性能がきちんとしているマンションを選べば部屋の中に猛烈な暑さが侵入してくることもなく、快適な生活を送ることができるでしょう。このことから、マンションの最上階に住みたいと考えているのなら、断熱性能に優れたマンションを選ぶことが最も重要だということがわかります。

断熱効果が高く、最上階であってもほかの住戸と同じような室温であれば、風通しの良い最上階の部屋のほうがむしろ体感温度は低くなるかもしれません。断熱性能が整っているマンションを選んで、最上階に住むメリットを存分に享受してください。

(最終更新日:2019.10.05)
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