印鑑登録証明書の有効期限はいつまで? 「発行後3ヶ月以内」はホント?

さまざまな契約の際に必要となってくる書類のひとつに、印鑑証明書(正式には印鑑登録証明書)があります。以前に取得したまま、ずっと手元にあるという人もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんなときに気になるのが有効期限。印鑑登録証明書の有効期限は3ヶ月?  それとも6ヶ月?  実際のところはどうなのでしょうか。不動産登記や遺産分割協議書の申請のケースを例に挙げながら、印鑑登録証明書の有効期限について説明します。

印鑑登録証明書とは

重要な契約を結ぶときなどに、実印による押印と印鑑登録証明書の提出が必要

「印鑑登録証明書」は契約書類に押印された印鑑が、自治体に本人が登録済みの「実印」であるということを証明する書類です。重要な契約を結ぶときなどに、実印による押印と印鑑証明書の提出を求められます。

なお、印鑑登録をしたことを証するもの(主にカード型の形状)は印鑑登録証と呼び、印鑑登録証明書とは異なりますので注意しましょう。

また、個人の印鑑登録証明書と法人の印鑑登録証明書は取得方法、記載内容などが異なります。今回は個人の印鑑登録証明書について確認していきましょう。

印鑑登録証明書の記載内容

印鑑登録証明書に記載されている内容は以下の通りです。自治体によって内容が異なりますので、お住まいの地域のホームページなどを確認しましょう。

・登録した印鑑の印影
・登録番号
・登録年月日
・登録者の氏名
・住所
・生年月日
・性別

印鑑登録証明書を盗まれてしまうと、印影を元に実印を偽造される可能性がありますので、取り扱いには十分注意が必要です。必要なときに必要な枚数だけ取得することをおすすめします。

印鑑登録証明書の有効期限

印鑑登録証明書そのものは、登録している印鑑が変更にならない限り有効期限はありません

印鑑登録証明書そのものは、基本的に有効期限は存在しません。

登録している印鑑が変更になった場合や、別の市町村へ転居した事により印鑑登録廃止・登録手続きをしていない場合、婚姻などで氏名が変わって登録済みの印鑑と違いが生じた場合は元の印鑑証明書が無効となります。

売買契約などの際、発行から3ヶ月以内または6ヶ月以内といった印鑑登録証明書を要求される場合があります。ただし、これはあくまで提出先が印鑑登録証明書に有効期限を設定しているに過ぎず、印鑑登録証明書の有効期限を示しているものではありません。

印鑑登録証明書に限らず、各種証明書に対し○ヶ月以内のものを提出するように求められる場合は少なくありません。印鑑登録証明書に有効期限は存在しないとはいえ、円滑に取引などを行うためには取得時期の指定がある場合はそれに沿ったものを用意しましょう。

不動産登記の申請で印鑑登録証明書を提出する場合

不動産登記の申請で印鑑登録証明書を法務局に提出する場合、不動産登記令16条3項により「作成後3ヶ月以内のもの」を提出する必要があります。

遺産分割協議書とともに印鑑登録証明書を提出する場合

遺産分割協議書とは遺産を分割する際の協議(遺産分割協議)の結果を記載した書類のことです。

法務局に対し、遺産分割協議による相続登記の申請をする際には、この遺産分割協議書と印鑑登録証明書を一緒に提出します。この印鑑登録証明書には発行後何ヶ月以内といった有効期限は定められていません。

ただし、銀行預金や郵便貯金など、不動産の相続登記以外の遺産相続手続きに使用する印鑑登録証明書では、銀行や郵便局により発行後3ヶ月や6ヶ月以内などといった有効期限が定められているケースがありますので注意してください。

印鑑証明書が必要となるそのほかのケース

個人で印鑑登録証明書が必要になるケースは、基本的に実印とセットであることがほとんどです。実印自体はただの印章にすぎず、印鑑登録証明書とセットになることで初めて法的な効力を発生するからです。

主に以下のようなケースで、印鑑登録証明書が必要になります。

・マンション・戸建ての購入や売却をするとき
・土地を売買するとき
・抵当権を設定するとき
・住宅ローンを組むとき
・賃貸住宅に入居するとき
・遺産を相続するとき
・自動車を購入・売却するとき
・保険金を受け取るとき・放棄するとき

印鑑登録証明書は返却してもらえるか

手続きをする前に、印鑑登録証明書の返却を希望する旨を提出先に伝えるとよいです

不動産の手続きなどを行う際、複数の会社に印鑑登録証明書を提出するケースがあります。このとき、費用を抑えるためにもできれば印鑑登録証明書を使い回したいところですよね。

基本的には、コピーを取った後に印鑑登録証明書の原本を返却してくれますが、念のため手続きが終わったら印鑑登録証明書の返却を希望する旨、あらかじめ提出先に伝えておきましょう。

ただし、金融機関によっては原本を返却しないという方針のところもあるようですので、事前の確認が必要です。

まとめ

印鑑登録証明書そのものには有効期限は存在せず、過去に取得したものであっても問題なく使用できます。

ただし、不動産登記の申請の場合は、作成後3ヶ月以内のものと法律で決められていますし、そのほかの場合でも、提出先によっては○ヶ月以内に取得したもの、と指定されるケースがあります。

また、印鑑そのものが変更したり、入籍して姓が変わる、転居した際の手続きの不備などで元の印鑑登録証明書が使えないケースがあります。印鑑登録証明書に有効期限がないからといって、まとめて取得せずに、必要なときに必要な枚数を取得することをおすすめします。

(最終更新日:2019.10.05)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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