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車を置いておくための車庫。単純にスペースを区切っただけの駐車場のほか、そこに屋根をつけたカーポート、車専用の小屋であるガレージの3種類に大別されます。単に車を置くだけならば駐車場でもいい気がしますが、決して安くはない愛車。敷地内でも屋外に停めておくのが不安になる人もいるのではないでしょうか。そんな人におすすめなのが、ビルトインガレージ。愛車を比較的安全に保管できる上に、いくつものメリットが存在します。そこで、ビルトインガレージのメリットや特徴、活用法について紹介します。

ビルトインガレージのメリット

海外の邸宅のようなビルトインガレージは憧れ

防犯対策につながる

屋外の駐車スペースは、敷地内であっても車がむき出しの状態であるため、無防備になりがち。車自体の盗難はもちろん、ワイパーを折る、ボディに傷をつけるなどのいたずら被害に遭う危険もあります。また、車の有無で在宅かどうかが一目瞭然なので、住居の防犯面でも不安があります。シャッターや扉付きのビルトインガレージならば、車があるかどうかがわかりにくいですし、ガレージへの侵入もしにくいため、これらの心配を減らすことができます。

愛車を眺める暮らしができる

ガレージの壁面を住居スペースに向かって窓があるタイプにすれば、室内から愛車を眺めながら暮らせます。車が好きな人には大きなメリットといえるでしょう。また、時間や天候に左右されずガレージで作業できるので、あれこれ自力でカスタマイズしたい人にとっても魅力的です。

プラスアルファの使い方も

バイクや自転車が好きな人にとっても、整備する場所を確保することができます。道具や車体を保管するスペースとして、ラックなどと一緒に設置すると充実した空間になりますよ。また、居住スペースには置きたくない屋外用のハシゴやバケツなども保管することができます。

整備スペースやシーズンオフのタイヤの保管場所としても便利

傾斜地を生かせる

住まいが傾斜地の場合は、積極的にビルトインガレージを検討してもよいでしょう。地面を掘り下げ、地下に車庫を設置するイメージですね。敷地内駐車場をあきらめることなく、車を維持できます。地面を掘削する費用は当然かかりますが、近所に駐車場を借りる費用を考えると、検討してみる価値がありそうです。

乗り降りの際、雨や雪に濡れない

住居スペースと繋がっているビルトインガレージの最大のメリットは、雨や雪など天候の影響を受けにくいことでしょう。悪天候の中、小さい子どもや体の不自由な人が車を乗り降りするのはとても大変。ビルトインガレージなら、その心配は少なくなります。また、雪国では出発前に車の上の雪をどけるのが一仕事ですよね。ビルトインガレージなら、ガレージ前の雪かきが終わればOK。毎日続く、雪かきの負担を減らすことができます。シーズンオフのタイヤをきれいなまま保管できるのも◎。

ビルトインガレージ付き住宅を建てる前に

では、実際にビルトインガレージが付いた住宅に住むにはどうしたら良いのでしょうか? 一番簡単なのはすでに建築済みのビルトインガレージ物件を購入する、または借りることですが、残念ながらそういった物件は多くはありません。自分好みに注文して建築するのがベストと言えるかもしれません。その場合の注意点をチェックしましょう。

注文住宅を建てるのがビルトインガレージ実現への近道

建築条件のつかない土地を購入する

住宅用の土地には2種類あります。建築するハウスメーカーが指定されている建築条件付きの土地と、建築条件のない土地です。ハウスメーカーが決まっていない土地であれば、ビルトインガレージの施工事例を多く持つ建築事務所から選ぶことができます。そうした建築事務所や建築士はネット上で検索すれば多く見つかるので、ぜひ探してみてくださいね。

容積率緩和と固定資産税

住居を建てる場合、建物の敷地面積や述べ床面積の割合についての規制があります。土地面積と建物の敷地面積の割合は「建ぺい率」、敷地面積に対する述べ床面積の割合は「容積率」と呼ばれています。これらは地域によって割合は異なるので、建築士や役所に確認が必要です。ビルトインガレージの建ぺい率は通常通りの算定となりますが、容積率については緩和が認められています。建物の延べ床面積のうち、ガレージの床面積が1/5までの広さであれば、延べ床面積には算入されないという特例が適用されます。一方で住居部分より低額になるとされてはいますが、固定資産税にも影響しますので、税額がおおよそいくらになるのか確認は必須です。

耐火性能を持たせる

ガレージが車を収納する用途であれば、内装を不燃材によって覆う必要があります。「デザイン的に無垢の木材にしたい!」というのは法律的にNG。そのほか、都市計画法による防火地域・準防火地域である場合は外壁なども一定の耐火性能を求められることになります。このあたりも建築士や役所に相談しましょう。

間取りで配慮すべき点

部屋の配置には要注意

1階の住居スペース

ビルトインガレージを設置するということは、1階に車専用の部屋があることを意味します。そのぶん、1階の住居スペースは減りますし、すぐ隣に寝室は配置しにくいもの。運転する人が決まっているならば、運転中は部屋に在室することもありませんので、隣はその人の部屋にするという選択もよさそうです。いずれにせよ、そばの部屋はエンジン音や排気ガスの影響を受けやすいことを考慮しておきましょう。

開口部の強度と換気扇

車という大きなものを出し入れするので、一定サイズの開口部を取る必要がありますが、それによって強度が足りなくなる可能性も。ここはある程度の予算を取って、しっかり作る必要があります。また排気ガスを換気しやすいよう、換気扇もつけるとベストですね。

セキュリティ

暗くなりがちなガレージの奥。明り取りの窓や照明で、明るさを確保しておきましょう。車庫入れの際の安全確保にもなりますし、不審人物の侵入を防ぐ効果もあります。また、シャッターや扉なども付けたいですね。人だけでなく、ネコが入り込んだり、風の吹き溜まりとなって、落ち葉やゴミが溜まったりするのを防ぐことができますよ。

車の買い換え

乗っている車に合わせたサイズのビルトインガレージにするのが効率的な気がしますが、いずれやってくるのが車の買い換え。家の建て替えより確実に短いスパンでやってきます。「家族が増えたから大きな車にしたい…」と思っても、ガレージのサイズが合わなくて購入できないという事態にならないよう、将来的な車の買い換えを見通したサイズのガレージを設計する必要があるでしょう。

アイドリングには気を付けて

閉めきった空間でのエンジンのかけっぱなしは危険!

換気扇をつけたり、開口部を広く取ったりしても、エンジンを長時間かけっぱなしにしては、エンジン音や排気ガス臭などが住居部分に届くことになります。また、ガレージ内の一酸化炭素濃度も上がってしまい、危険な状態になります。エンジンをかける前に、換気扇をオンにしたり、開口部を開けたりといった配慮は必要になります。また、車を深夜や早朝に動かす必要がある方は、ほかの家族への影響を検討したほうがよいでしょう。

まとめ

憧れのビルトインガレージ。注意点はありますが、建築士や建築事務所と相談していけば、きっと良いものになるはず。後悔のないよう、あきらめずにぜひ検討してみてくださいね。

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