「ついで冷凍」が共働き世代の最善策、ホームフリージング活用術

冷凍といえば残ったごはんを保存するくらいと思っていませんか?あるいは余った肉や魚などを冷凍庫に入れそのまま数lヶ月、「これはいったい何?」年末の大掃除で化石のような物体を発掘したりとか。これではせっかくの食材が無駄になってしまい、もったいないですね。今回は時短&節約に役立つ目からウロコの冷凍テクニックをご紹介します。

習慣にしたい「ついで冷凍」の心得

週末にまとめて調理や下ごしらえを行い、それらを冷凍しておくのが時短のコツ?

いえいえ、ただでさえ家事や育児、仕事と慌ただしい毎日なのにわざわざ下ごしらえする時間を取る必要はありません。賢いホームフリージングは毎日の料理の「ついで」に余った食材を冷凍しておくことがポイント。野菜炒めに使った玉ねぎの残り半分を「ついで」に薄切りやみじん切りにして冷凍。焼肉で余ったエリンギやシイタケといったキノコ類を一緒に冷凍。こうして「ついで」のひと手間で食材を冷凍しておくと、明日からの料理がぐっと楽になります。

節約にもお役立ち

薬味やトッピング用にほんの少しあればいい野菜、傷みの早い青菜など、買ってすぐに使い切れない食材はその都度冷凍。食品ロスを防げます。

焼き物や冷ややっこ、うどんにも欠かせない薬味
ショウガ」

◇保存期間:約1ヶ月
すりおろして酢を1~2滴加えフリーザーバッグへ。みじん切りならドレッシングなどに重宝します。平らにならしておくと必要な分だけ割って使えて便利。

味噌汁に冷奴に必要な分だけ
ネギ」

◇保存期間:約1ヶ月
小口切りにしたネギは、ザルで水分を切ってからジッパー付きバッグに入れ平たくして冷凍します。使う時には凍ったままでOK。

刻んで冷凍しておけば冷奴、味噌汁、チャーハンなどそのまま使えて便利

炒め物や青汁作りに便利
「ゴーヤ」

◇保存期間:約2週間
苦みの強いワタはスプーンで取り除き、厚さ1㎝の薄切りにしてそのままフリーザーバッグに。苦みが苦手な人はゴーヤ1本につき砂糖小さじ2、塩小さじ1を加えてよく揉み、10分置いた後、熱湯で10秒茹でると苦みが和らぎます。冷まして水分を切り、冷凍を。

うどんや鉄火丼にスタンバイOK
「長いも」

◇保存期間:約2~3週間
1本食べきるのが難しい長いもは、すりおろしてフリーザーバッグに入れ、平らに伸ばして冷凍。1回分ずつ分けられる小さめサイズがおすすめ。解凍は暖かい時期なら水をはったボウルの中へそのまま入れておけば10分ほどで解凍できます。

擦りおろした長芋をジッパー付き保存バッグに入れ、平らにして冷凍しておけば必要な分だけ割って使えます

加熱はもちろん、凍ったままスムージーにも
「ほうれん草・小松菜」

◇保存期間:約2~3週間
洗ってから水気を切り、適当な長さにカットして、そのままフリーザーバッグへ。凍ったまま、フライパンで炒めてソテーにしたり、ラーメンなどの具にもできます。小松菜は冷凍保存することで苦みや青臭さが抑えられるため、そのままスムージーなどにしてもOK。凍ったまま使えば氷を使わずに済むため一石二鳥。

お弁当の彩りに少しだけ必要な時にも重宝

追熟を防ぎ、美味しいままをキープ「バナナ」

◇保存期間:約1ヶ月
食べきれないまま熟れすぎてしまうのを防ぐなら冷凍がおすすめ。皮をむき、適当な大きさにカットしてフリーザーバッグに。凍ったままおやつにしたり、ヨーグルトと一緒に朝食にもおすすめ。また食欲がない朝には牛乳や豆乳と一緒に冷たいスムージーにしても。

短い時間でおいしく調理。これであなたも“料理の鉄人”?

食材の中には、冷凍することで旨味が増したり、火が通りやすくなるものも。ホームフリージングで家事も“働き方改革”しましょう。

数種類をミックスして冷凍しておけば万能
「シイタケ・エノキ・エリンギ・しめじ等」

◇保存期間:約1ヶ月
鍋ものなど1度に数種類使って少しずつ残ったキノコは、食べやすい大きさにカットし、まとめて冷凍しておきます。キノコ類は冷凍することで繊維が壊れ、うま味が増すとも言われています。そのまま味噌汁、パスタ、焼きそばなどの具にしてもいいし、炒めもののボリュームアップにも便利。

冷凍することによりうま味が増すキノコ類

あっと驚く!丸ごと冷凍
「トマト」

◇保存期間:約1ヶ月
トマトは良く洗い水気を拭いて切らずにそのままフリーザーバッグに入れて冷凍。使用するときは凍ったまま5分ほど室温に置き、上部に十字の切り込みを入れるとあら不思議!スルスルときれいに皮をむくことができます。トマトも凍らせることでうま味がアップし、繊維が壊れやすくなるため、煮込み時間を短縮可能。スープはもちろんミートソース作りにも最適です。

凍らせておくと皮むきも簡単

茹でて冷凍すれば調理時間も短縮
「春雨」

◇保存期間:約1ヶ月
茹でて水気を切り、1回分ずつラップに包みフリーザーバッグで保存。スープなどにそのまま入れられ、満腹感もアップ。解凍して酢の物やサラダにするのもおすすめ。その都度茹でるというひと手間が省けるので調理時間の短縮になるうえ、手軽に1品プラスできます。

凍らせた春雨とトマトでスープもおすすめ

揚げ物のパン粉も冷凍庫にスタンバイ
「パン粉」

◇保存期間:約2ヶ月
トンカツやフライの衣になるパン粉は蓋つきの薄型のトレイに入れてそのまま冷凍庫へ。調理が終わったら元のように保存しておけばOK。パン粉をいちいちバットに広げる手間が省けるだけでなく、パン粉の傷みも防げるアイデアです。

浅めの保存容器に入れて保存しておくと使いやすい

“おうちで冷凍”を使いこなせば、調理時間は短く、食費の節約にも

いかがですか? 冷凍アイデアを活用すれば、調理時間が短くなるばかりでなく、無駄なく食材を使い切ることができ節約にもつながりますね。目安となる保存期間を過ぎると、冷凍焼けを起こしたり、かえって風味を落とす場合もあるので、定期的に冷凍庫をチェックして、冷凍庫にある食材でスープなどを作るようにすれば無駄なく使い切れますよ。

<取材協力>
白川 達子(しらかわ たつこ)
料理研究家。クッキングサロンAND104主宰。
高松と神戸で料理教室を開講して39年。簡単に作れてなおかつ身体に優しいをコンセプトに1000以上のオリジナルメニューを開発。料理教室と共にカフェ、レンタルキッチンも運営。新聞などの掲載も多数。

(最終更新日:2019.10.05)
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