【FP解説】ボーナスの“3大活用法”とは? 後悔しない使い道を知ろう

待ちに待ったボーナス! あなたは何に使いましたか? それとも何かに使う予定ですか? 貯金、旅行、ローン返済… せっかくまとまった金額を手にしたのですから、有意義に活用したいものですが、「いつの間にか、使ってしまった」という残念な結果になることもあります。ボーナス活用方法とその注意点を考えてみました。

「臨時収入」として、活用法を考えよう

ボーナス(賞与)とは、「企業が臨時に従業員に対して支給する金銭」

まず、念頭に置いておいていただきたいのは、「ボーナスをあてにしすぎない」ということです。なぜなら、ボーナス(賞与)とは、「企業が臨時に従業員に対して支給する金銭」であり、毎月の給料のようにその額や定期的な支払いが定められているものではないからです。会社の業績が悪くなったりすると、ボーナスの支給額が減ったり、なくなったりすることもあり得るからです。

したがって、住宅ローンやクレジットカードなどの「ボーナス払い」をフル活用していたり、日頃の家計のやりくりにボーナスが欠かせなくなったりしていればリスク大。期待した額が万一得られなければ、返済が滞り、日々の生活費が足りなくなり、家計が破綻に向かう可能性もあります。

よって、基本的には日頃の家計は毎月の給料でまかない、ボーナス払いは利用するにしても無理のない返済額に抑えたいところです。ボーナスは「臨時収入」として、活用を考えましょう。ただし、ボーナスは、宝くじに当たって運良く得たような臨時収入ではなく、給与同様に労働の報酬として得られるものとして区別して考えるべきですよね。散財することなく有効に活かしましょう。

ボーナスは使う? 貯める? 払う?

さて、日頃の生活費とは別に活用法を考えたい「ボーナス」ですが、その活用方法は大きく分けて3つあります。「使う(買い物など)」か、「貯蓄・運用(預貯金・株式・債券・投資信託など)する」か、「返す(住宅ローンなどを返済する)」か、です。3つのうち、どれに優先してボーナスを振り向けるのかは、今後、何をしたいのか、いくら必要なのか、その準備がどれくらいできているのかで違ってくるでしょう。

たとえば、近々予定している子どもの進学資金が不足していれば、ボーナスは進学資金準備に優先的に回されるでしょう。数年後にクルマの買い換えやリフォームなど、まとまった資金ニーズがあるなら、そのための貯蓄に回したほうがいいかもしれません。特に近々お金のかかる予定はなくても、老後資金などの準備ができていなければ長期運用を考えて、投資に振り向けるのもいいですね。住宅ローン返済が定年退職後も続くような返済計画になっていれば、ボーナスを繰り上げ返済に使って、返済期間を短くして返済負担を減らすこともできます。

帰省費用や家族旅行など、まとまった金額が必要な家族のイベントを実現させるのに使う場合もあるでしょう。とりあえず活用方法に迷ったら、普通預金や短期の定期預金などの元本割れすることなく現金化しやすい形で貯蓄しておくことになるでしょうか。

ボーナスの活用法を考えるなら、まず、考えられるボーナスの使い道を書き出して、優先順位をつけてみましょう。優先されるのは、目先の進学資金などの必要資金なのか、将来の準備なのか、家族の団らんのための支出なのか、借入残高を減らして返済負担をラクにすることなのか。ボーナスの額にも限りがあるので、「ああ、ボーナスはこちらに使うべきだった」と後悔することのないよう、優先順位を考えて、活用先を振り分けましょう。

「使った」「払った」お金は戻らない

ボーナスの使い道は、その後の支出予定も把握した上で、考えましょう

ボーナスの活用法を考える際、もう一つ、気をつけたいことがあります。

それは、「使ったお金」「払ったお金」は戻ってこないこと。当たり前のことですが、手元からなくなったお金を、将来使うことはできないのです。

たとえば、住宅ローンの繰り上げ返済にボーナスを使ったとすると、利息負担を減らし、返済期間を短縮することもできます。
しかし、その後すぐに、クルマや家電製品の買い換えなどのまとまった資金が必要になったら? 資金が足りなければ、自動車ローンなど別途借りなければいけなくなるかもしれません。そうすれば毎月の返済が膨らみ、家計に影響が出てきます。

住宅ローンの低金利状態が続いている分、焦って繰り上げ返済せず、資金を持っておく方が良い場合もあります。今本当に繰り上げ返済していいのかどうか、家計の負担にならないような判断が必要です。

なお、貯蓄や投資であれば、将来資金が必要になったときにも現金化できるので問題ないように思えますが、金融商品の選び方によっては、資金を減らす結果になるので注意が必要です。定期預金を預入期間中に引き出せば中途解約利率が適用されて想定した利息は受け取れなくなりますし、中途解約できない仕組預金もあります。

株式投資や投資信託などの価格変動する金融商品を利用していたら、ちょうど値下がりしている時期に資金が必要になれば、元本を下回る金額を手にすることになります。活用法に迷って、いったん預貯金で運用しよう、と考えるなら、普通預金や預入期間の短い定期預金などの、元本を減らさずに現金化しやすい金融商品を利用するべきでしょう。

ボーナスの使い道は、その後の支出予定も把握した上で検討を

まとまった金額を手にでき、比較的自由に活用法を考えられる「ボーナス」を活用すれば、子どもの進学資金の準備が早く進められたり、家族旅行の費用が捻出できたり、住宅ローンの返済期間が短くなったり…と、日々の生活が少し、豊かに、ゆとりあるものにできるはずです。だからこそ、ボーナスが出るたびに、そのときにあった効果的な活用法を考えていく必要があります。

(最終更新日:2020.12.10)
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