よく聞く「スマートホーム」って何? 利用シーンから導入メリットを解説

家の中にあるさまざまな家電や生活用品をインターネットに繋ぐことで、毎日の暮らしをより快適にしてくれるスマートホーム。家電量販店やテレビなどでも見かける機会が増えてきました。「便利」とは聞くけれど、一体、何がどのように便利なのでしょうか。スマートホームの仕組みや実際にできること、どんなシーンで役立つのかを具体的に紹介します。

「スマートホーム」とは?

IoTとAIで生活がより便利に進化

今まで単独で存在していた家電や生活用品をインターネットにつなぎ、暮らしが便利になるスマートホーム。ここに深く関わるのがIoTAIです。

IoTとは

IoTは「Internet of Things」の略語です。直訳すると「モノのインターネット」。わかりにくいですが、簡単に言うと今までインターネットに繋がっていなかったモノがインターネットに繋がり、情報をやり取りするということです。たとえば、電気のメーターがスマートメーターと呼ばれる新型のタイプに変わった家庭も多いのではないでしょうか。これは今まで人の手で行っていたメーターの目盛りの確認を、インターネットを通じて自動的に電力会社に送って確認できるものです。これによって、一軒ずつ検針していた電気会社の負担が減らせます。
また、細かく電気の使用量を記録することができるので、1日のうちで使用量の多い時間や使用量の多い電気製品をチェックすることも可能に。今までよくわからなかった電気の使用状態が“見える化”されるのです。こういった情報を可視化できるのもIoTの大きな特徴です。

AIとは

AIは人工知能のことです。さまざまな情報を積み重ねるだけでなく、人間のようにデータを分析し、より良い提案をしてくれます。たとえば、AIアシスタントが搭載されたスマートスピーカーは、音声認識ができるため、話しかけるだけで作動。過去の履歴からオススメの音楽を流してくれたり、照明やエアコンなどを作動させたりして、快適な環境をつくってくれます。手が離せない作業をしているときなど、あちこちにあるスイッチやリモコンまで歩いて行くのが大変という人にはうれしいデバイスです。

自宅をスマートホーム化するには?

スマホに家電のリモコンを集約して一括管理

まずはインターネットができる環境とインターネット接続に対応した機器が必要です。その上でWi-Fiを利用できる環境に設定しましょう。多くのスマートホーム化に役立つ商品はWi-Fi経由で利用できるようになっています。

導入するためのパターンは2つ。IoT化された商品を購入するか、購入後にIoT化するか、いずれかでしょう。

スピーカーや照明のほか、エアコンや洗濯機などもIoT化された商品が販売されています。たとえば洗濯機なら、洗剤の種類を登録して、適正な衣類と洗剤の量を教えてくれるといった機能があります。家電にプラスアルファの機能を搭載した商品となるため、一般的にはやや高めの値段設定になります。しかし、導入することによって日々の生活が便利になるため、買い換えのタイミングには検討してみるのもオススメです。

また、購入後にIoT化するには、さまざまな方法があります。その一つが電源コンセントと家電機器との間に接続するスマートプラグを使用しスマホや音声操作で電源オンオフの切り替えやタイマー設定などを行う方法です。このほか、スマートリモコンを活用し、家中の家電のリモコンをスマホアプリに集約し、外出先からでも家電などを動かせるようにする方法もあります。後付け商品は低価格なものもありますし、一つの装置でさまざまな家電を動かすことができるので、コスパも良いイメージです。

多くの家電量販店などでスマートホーム関連商品が販売されていますので、わからないことがあったら、スタッフに尋ねてみるとよいでしょう。では、どんなときに使うと便利なのか、実際の利用シーンからそのメリットをみていきましょう。

起床をサポートしてくれる

起きたい時間に自動的にカーテンが開きます

毎朝、起きるのに苦労されている人にオススメなのが、スマホアプリ上から設定した時間にカーテンを開ける装置です。この装置を使うと、起床時間に合わせて自動的にカーテンが開きます。また、テレビをつけたり、お気に入りの音楽をタイマーで流したりすると、複数の刺激でより目覚めやすくなりますよ。

初心者でも上級料理が簡単にできる

キッチンもIoT化でグッと便利に

オーブンレンジ冷蔵庫にIoT機能が搭載されている商品では、話し掛けることでメニューを提案してくれます。たとえば「ナスを使った料理を教えて」「10分で完成するメニューを教えて」などと呼びかければ、材料や手順を詳しく教えてくれます。
オーブンレンジであれば、その料理にあった火加減や調理時間をセットしてくれ、簡単に調理が可能に。冷蔵庫だと食材のベストな保管方法やそろそろ買い足したほうが良い食材をリマインドしてくれるので、食材をムダにすることなく使い切れちゃいます。

IHクッキングヒーターにもIoT化された商品が出ています。こちらでもレシピを提案してくれるほか、食材をひっくり返すタイミングや、火加減を変えるタイミングを音声で案内してくれます。センサーで測った温度でお知らせしてくれるので、おいしいタイミングを逃さずに調理できますよ。料理初心者でも難しいメニューに挑戦したくなりますね。

留守時の防犯も安心

アプリから施錠状況を確認できる鍵も登場

外出して、しばらく経ってから「あれ、鍵をかけたっけ?」と心配になった経験のある人は多いのではないでしょうか? スマホアプリから施錠状況を確認できる玄関の鍵もあります。帰宅するまで不安な気持ちを抱えたり、一旦帰って確認したりする手間がなくなると、かなりストレスも減りますよね。

そして、照明やテレビも外出先から作動できる装置もあります。毎日一定の時間だと、自動点灯だと思われてしまいますが、時間がランダムであれば、在宅を装うことができて、防犯効果が上がりますよ。

家族の見守りにも活用できる

外出先からペットと遊ぶことができるカメラもあります

玄関の鍵をスマホアプリから管理できる商品は、家族の見守りとしても有効です。遠方で暮らす高齢の親御さんがいる場合、外出されたかどうかを見守ることができます。また、共働き家庭などでは職場にいる間に、子どもの活動の様子を確認することにも使えます。

また、ペットを見守るためのカメラもあります。スマホアプリで操作してカメラの向きをコントロールしたり、呼びかけたりできます。外出先でもペットの様子を見られたら安心できますよね。さらにレーザーポインターがついた商品では、出先から操作してペットと遊ぶこともできるのだとか。勤務中の昼休みにペットと遊べたら癒やされて、午後の仕事もはかどりそうです。

帰宅前に室内の環境を調整できる

帰宅前に快適な室温に

一人暮らしの人は、帰宅直後に室内が暑かったり寒かったりして困るケースも少なくないのでは。エアコンがIoT化されていると、外出先からエアコンのスイッチをオンにしたり、設定温度を変更したりできるので、快適な室温の部屋へ帰宅できます。また、給湯器がIoT化されていれば、帰宅前にお風呂を沸かすこともでき、帰宅直後に入浴することも可能です。時短にもつながるので、忙しい人にはぴったりです。

生活上の困り事を解消して、より暮らしやすくしてくれるスマートホーム。続々と新しいスマートホーム関連商品が発売されています。「こんなこともできちゃうんだ!」という発見があるのも楽しいものです。家電量販店やWebサイトなどでスマートホーム関連の商品をぜひチェックしてみてくださいね。

(最終更新日:2019.10.05)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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