マンションの水漏れトラブル対策に! 入っておくべき保険とは?

マンションを購入する場合、マンションに関するさまざまなトラブルに備えることも必要です。たとえば、水漏れ対策です。水漏れによって住宅や家具が損害を受けるケースがあります。また、下の階に影響を及ぼすこともあるでしょう。そこで、水漏れトラブルとしてはどんなケースがあるのか、その対策はどうすればよいかについて解説します。

水漏れトラブルではどんな損害が?

マンションで暮らすようになると、時には水漏れのトラブルに見舞われることもあります。万が一に備えてくためには、水漏れにはどんなトラブルがあるのか、どんな損害が発生するのかを認識しておくことが大切です。主なトラブルとしては、3つ挙げられます。

壁や天井などに染みができる

目立たない程度の小さなものであれば、外見的にはそれほど気にならないでしょう。しかし、広範囲に染みができてしまえば、直す必要も出てきます。小さな染みであってもだんだん広がる可能性があるため、原因を特定し水漏れした所を修理することも必要です。

ソファやテレビなどが水に濡れて使えなくなる

家具や家電製品が使えなくなってしまった場合は、修理代がかかります。場合によっては、買い替える必要もあるでしょう。高額な家具や家電製品がダメージを受けた場合、損害は大きくなってしまいます。

広範囲なクリーニングが必要になる

漏れてしまった水が汚水などの場合、単にふき取って乾かすだけでは衛生的な問題が残ってしまいます。その場合は、部屋や廊下などの全体的なクリーニングが必要となり、多額のコストがかかる可能性も否定できません。

火災保険で水漏れのトラブルは補償される?

マンションでの水漏れトラブルへの対策としては、保険への加入が有効です。ただし、火災保険に加入していたとしても、全ての修理コストはカバーできない可能性があることです。たとえばトイレの故障によって水濡れが生じ、水濡れの補償がある火災保険に入っていた場合、住宅や家財の損害は保険金で補うことができますが、トイレ自体の修理代はカバーされないのです。保険は、特定の損害を保険金で補償する仕組みだからです。

水濡れによって壁にできた染みが大きくて張り替えることになった場合は、保険でカバーできる可能性があります。また、水濡れによってテレビやソファが使えなくなったケースでも、保険で賄えるでしょう。これらは、水濡れが原因で生じた損害であるため、保険金支払い対象となるのです。

ただし、火災保険の補償内容には注意が必要です。火災のみが対象になっている保険の場合は、水濡れは対象外になります。また、建物のみを対象にし、家財は対象外としている場合は、家具や家電製品の損害をカバーすることはできません。マンション購入時は、火災保険の補償範囲をどこまで広げるかについてもよく検討する必要があります。

保険に入っていても補償されないケース

住宅だけ補償して家財の補償が付帯されていない場合は、壁紙の張り替えはカバーできても、ウォシュレットの修理は対象外

マンションの水漏れ対策として火災保険に入っている場合でも、補償対象外となるケースもあります。保険に加入する際は、どこまでが補償範囲なのか認識しておくことが重要です。対象外となる主なケースは、4つあります。

故意によって引き起こされた水漏れ

火災保険に限らず損害保険は、故意によって生じた損害を対象外としています。故意に事故などを発生させて保険金をもらえるようになると、保険が事故を引き起こす原因になりかねないからです。水道などを勝手に修理して故障したことによる水漏れも、故意と判断される可能性があるため注意しましょう。

経年劣化による水漏れ

損害保険の原則は、損害が生じた事故原因が突発的なものであることとしています。パッキンなどの経年劣化が原因の水漏れは対象外となる可能性が高いでしょう。

天災によってトイレの水漏れが生じたケース

このケースでは、水漏れ扱いではなく水害扱いになります。別途、水害補償が付帯されていないと保険金を受け取ることはできません。

トイレの水漏れによるウォシュレットの故障

ウォシュレットは、壁紙などと異なり、家財扱いになります。住宅だけ補償して家財の補償が付帯されていない場合は、壁紙の張り替えはカバーできても、ウォシュレットの修理は対象外です。

保険を適用してもらうための対策

専門会社に水漏れ原因の調査依頼が必要なケースも

火災保険に入っていたとしても、水漏れトラブルがあれば必ず保険金を受け取れるというわけではありません。保険金の請求をしたうえで、保険会社が支払いを認めなければ保険金を受け取れないのです。保険金の審査の際は、水漏れがどのように引き起こされたのかを明確に示す必要があります。

トイレが詰まっていたり、お風呂の水があふれたりしたなどの場合は、水漏れの原因を特定することはそれほど難しくありません。しかし、マンションの構造内部で生じた水道管の亀裂が原因で水漏れが生じた場合などは、個人が原因を特定することは難しいでしょう。

そういった場合は、水漏れ原因を調査してくれる専門の会社に依頼することも必要になります。その場合、当然、費用がかかってしまいます。そういった原因特定にかかる費用まで保険でカバーしたい場合は、水漏れ原因調査費用補償を付帯しておくとよいでしょう。

水漏れの加害者になってしまった場合の対策方法

マンションで水漏れが起こった場合、自分が住んでいる部屋だけでなく、下の階の居住部分にまで損害が及ぶ可能性があります。一軒家にはない、集合住宅特有の問題です。下の階など、自らの住宅や所有している家財以外の損害については、火災保険だけではカバーできないことを認識しておきましょう。

下の階などに損害を生じさせてしまった場合、相手に対して損害を賠償しなければなりません。具体的には、修理代などを請求されるということです。そういった場合に備えるためには、火災保険以外に、個人賠償責任保険に加入しておく必要があります。個人賠償責任保険に加入しておけば、損害賠償金の支払いについて保険金を受け取ることが可能です。

個人賠償責任保険に加入しておけば、金銭的な問題は解決できます。しかし、賠償金を支払って終わりというわけにはいきません。しっかりと誠意ある対応をすることも重要です。マンションの場合は、階下の人との関係は継続します。よりよい人間関係を維持していくことも、快適に暮らすための重要なポイントです。万が一、下の階にも水漏れの損害が生じてしまった場合は、きちんと話をして丁寧に謝罪するなどの対応をするようにしましょう。

マンションに住むなら徹底したトラブル対策を!

マンションに住む予定がある場合は、トラブル対策は万全にすべきです。水濡れは、隣家や階下の住宅部分にも損害を生じさせる可能性があるため、購入時に火災保険や個人賠償保険などに加入しておくことが必要です。また、水漏れ以外のトラブル対策もしておきましょう。

個人賠償責任保険は、広く賠償責任による損害をカバーする保険です。隣人や近隣住民とのトラブルには、経済的な問題もつきまといます。誠意を見せるだけでなく、金銭的にも円満に解決できれば、深刻なトラブルに発展することも避けられます。快適なマンションライフを実現できるように必要な保険に加入して、万が一のトラブルに備えることも忘れないようにしましょう。

(最終更新日:2019.10.05)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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