この記事は、約7分で読めます

マンションの契約をする場合には、いくつかの段階を踏むことになります。それぞれの段階でしっかりとチェックせずに、安易に契約してしまうと後悔してしまうことがあります。この記事では、マンション契約の流れや、マンションを契約する前に知っておきたいチェックポイントについて詳しく解説していきます。

マンションを契約するまでの流れ

新築と中古では契約までの流れは異なりますが、マンションを契約する前には、まず、物件の見学から始めます。実際の物件(オープンルーム)、もしくはモデルルームなどを見学して、自分たちの暮らしやすい物件を探しましょう。好みの物件が見つかったら、物件の申し込みをします。この時、具体的にどの点が気に行ったかを明確にしておきましょう。

次に売買代金の支払い方法や、売り主に対する要望などを申込書に記入して、条件の交渉を行います。お互いの条件が合意すれば、契約となります。契約の前に、宅地建物取引業者は重要事項説明書を交付して、宅地建物取引士による重要事項説明がおこなわれます。これは、購入するマンションとこれから締結する契約の内容について、法律で定められた重要な事項の説明になります。重要事項説明を理解できたら、売買契約を結びましょう。その際には重要事項説明との相違点がないか確認します。また、物件を申し込む際に具体的に気に入った点が、思い違いではなく事実であることも確認します。それらを確認し内容に問題がなければ、契約書に住所、氏名を記載し、印鑑を押します。ちなみに、住所、氏名は必ずしも手書きである必要はなく、契約書に使用する印鑑は実印でなくても構いません。

最後に住宅ローンについてです。住宅ローンは、申し込みをした段階で事前審査を受けることが一般的です。事前審査の結果が出るまでに1週間ほどかかります。その後、売買契約を締結すれば本審査、融資という流れになります。本審査は2~3週間程度かかることが多いので、融資が実行されるまでには1カ月程度かかるのが一般的でしょう。スケジュールは金融機関によって異なりますので、住宅ローンの相談をする際に、あらかじめ審査にかかるスケジュールを確認しておきましょう。

物件の申込時のチェックポイント

物件を申し込む場合には、購入したいマンションが新築か中古かによってチェックするポイントが変わってきます。

まず新築マンションに申し込む場合ですが、新築マンションでは、先着順で申し込みを受け付けることが多くなっています。そのため、購入したいマンションの申し込みが先着順だった場合には、早めに申し込みが必要です。抽選方式の場合もありますので、その場合には決められた期間内に登録を行うのを忘れないようにしましょう。物件によっては、申込証拠金の支払いを求められることもあります。ただ、申込証拠金には明確な定義がありません。契約時に手付金に充当され、契約まで進まなかった場合には返還されることが多いようですが、トラブルになるケースもありますので、その趣旨と返還についての条件をしっかり確認しましょう。

中古マンションの場合には、買付証明書を売主に渡して条件の交渉をすることになります。購入価格や手付金の金額、引き渡しの時期といった条件は、書面で売主に伝えます。スムーズに交渉するためには、しっかりと自分の希望を伝えることが重要ですから、具体的にどの点が気に行ったのか、妥協出来ること、出来ないこと、どこまでなら妥協できるのかなど、あらかじめ考えをまとめておくといいでしょう。

重要事項説明のチェックポイント

重要事項説明は法律上説明が宅地建物取引業者に義務付けられているもので、宅地建物取引士によって必ず契約締結の前におこなわれます。説明に要する時間は1時間程度です。この説明には、難しい専門用語も出てきます。そのため、わからないことがあったらそのままにせず、逐一確認しながら説明を受けることが重要になります。重要事項説明をスムーズに進めるためには、事前に重要事項説明書のコピーをもらって、よく読んでおくといいでしょう。目を通してわからないことをチェックしておけば、当日にどこを質問すればいいかもわかって、円滑に進みます。

パンフレットや物件概要書に書かれている内容と違う、事前に聞いていた金額と違うといったこともありえます。重要事項説明をしっかりと確認すれば相違点にも気づけますので、見落としがないように注意して目を通しておきましょう。

売買契約書のチェックポイント3つ

1.数字に間違いがないか

売買契約書の内容は、重要事項説明と重複する部分も多くあります。そのため、しっかりとチェックせずに署名捺印してしまう人もいるのです。しかし、ズレがないとは言い切れないので、重要事項説明書と同様、事前に売買契約書(案)のコピーをもらい、相違点や理解が出来ない点がないかどうかきちんとチェックしたほうが安心です。金額や支払日といった数字部分の確認は特に重要です。間違ったまま契約してしまうと、後でトラブルの原因となるので注意しましょう。

2.付帯設備に間違いがないか

付帯設備に間違いがないかチェックするのも忘れないようにしましょう。こちらは、中古マンションを契約する際に起こりやすいトラブルの1つになります。たとえば、残しておくはずだった冷暖房設備が撤去されている、撤去するはずだった照明器具などの設備が残されたままになっているなどは、ありがちなトラブルです。きちんと確認しておかなければ、余計な撤去費用などがかかるので注意しましょう。また、設備が正常に作動するかどうか、確認されている不具合の内容、過去に修繕や補修した履歴、マニュアルの有無、メーカー保証の内容なども確認しておきたいところです。設備に関する一覧表を売主側で作ってもらい、文書にしておくとトラブルがあった場合でも安心です。

3.瑕疵担保責任の範囲や期限

瑕疵担保責任の範囲や期限もしっかりと確認しておきたいポイントです。瑕疵担保責任とは、購入したマンションに隠れた欠陥があったときに、売主が買主の損害について負うべき責任のことをいいます。瑕疵担保責任があると、隠れた欠陥を補修する費用などを負担しなければいけないため、売主側としてはそのような責任はできるだけ負いたくないものです。一方で買主側としてはリスクを回避するため、何としても瑕疵担保責任を負ってもらいたいという思いがあります。そのため、瑕疵担保責任に関する交渉は難航することも珍しくありません。個人間でのやり取りの場合には、瑕疵担保責任の範囲や制限も変わってきます。個人間の場合には瑕疵担保責任の期限に法律上の決まりはありません。そのため、当事者間で自由に決めることができるのです。トラブルを避けるためには細かく決めることが重要ですので、注意しましょう。

売主が宅地建物取引業者の場合で、新築物件なら、10年間の瑕疵担保責任を負うと定められています。中古物件の場合には、2年以上が義務となっています。また、この瑕疵担保責任を追求できる期間は、買主が瑕疵を知ったときから1年間と民法で制限されています。

なお、2020年の民法改正では、現行民法の瑕疵担保責任が廃止され、契約不適合責任が新たに規定されます。ここで詳しくは説明しませんが、マンションの契約に関わる重要な改正ですので、来年以降に売買を検討されている方は、必ず改正内容をチェックしておいて下さい。

マンションの契約時に支払う手付金とは?

耳にしたことはあるものの、手付金とは一体どんな役割なのでしょうか

マンションを契約する場合には、手付金を支払うことが一般的です。手付金の性格は売買契約書の中で定義されますが、解約を円滑にする目的が一般的であり、契約時に売買代金の一部として支払われるものではありません(残代金支払い時に売買代金の一部に充当されます)。手付金の目安としては、売買価格の5~10%程度が一般的になるでしょう。法律によって、宅地建物取引業者は売買価格の20%を超える手付金の受け取りは禁止となっていますので、手付金は多くても売買価格の20%以下となります。

売主が宅地建物取引業者の場合には、手付金の保全措置があります。保全措置とは、宅地建物取引業者が倒産などをした場合でも手付金が返還される仕組みのことで、万が一の場合でも安心です。

マンションの契約をキャンセルしたい場合は?

マンションの契約をキャンセルしたい場合には、売買契約前と売買契約後で異なってきます。まず購入申し込み時点でキャンセルする場合です。申し込みは売買契約ではありませんので、基本的には何の負担もなくキャンセルすることが出来ます。申込証拠金を支払っていた場合は、キャンセル時の返還が約束されていれば、申込証拠金は返還されます。

すでに売買契約をしてしまった後のキャンセルは、契約の解除になります。契約を解除する場合の手続きは契約書に明記されていることが多いので、それに従うこととなります。解約を円滑にする目的で手付金が授受されている場合では、手付金を放棄することで解除出来ますが、場合によっては違約金が発生することもあるので注意しましょう。たとえば売主側がオプション工事の発注や住宅ローンの手続きなどといった契約の履行に着手していた場合には、違約金が発生することが一般的です。

マンションの契約は細かくチェックを!

マンションの契約は、マンションの引渡しや大きな金額の授受、解除に関するルールなど確認事項が多いものです。そのため、それぞれの段階でしっかりとチェックをおこなうことが重要になります。確認を怠ると、物件概要書やパンフレットと金額が違う、余計な費用がかかってしまったなどと後悔してしまうことがあるかもしれません。後悔やトラブルなくマンションを購入するためにも、きちんとチェックして理解し納得した上で売買契約をするようにしましょう。

おすすめ記事