新築マンションを購入するときは、建物が未完成の状態で契約することが一般的です。契約時にパンフレットや図面、モデルルームや担当者の説明で物件の内容を確認し、完成後に物件の内覧会が行われます。つまり、内覧会は契約時に確認した図面や仕様、不具合がないかなどを、完成後の物件で確認する大変重要な機会なのです。気持ち良く新生活を始めるためにも、せっかくの機会を有効活用しましょう。ここでは、内覧会でチェックすべきポイントについて紹介します。

売主や施工会社が立ち会う内覧会の流れとは?

内覧会は、引渡し前にパンフレットや図面で思い描いてきたマンションを、実際にみて確認する大切なイベントです。まず、その具体的な流れについて押さえておきましょう。ちなみに、内覧会には、売主である不動産会社や施工会社が立ち会う場合とそうではない場合があります。ここでは、前者のケースについて全体の流れを説明します。

1.内覧会の進め方・流れについての説明

まず、マンションのエントランスにある受付に出向きます。そこで、部屋番号と名前を伝えた後、不動産会社の担当者から内覧会の進め方や流れについて説明を受けます。

2.施工担当者の紹介

内覧会には施工会社の担当者も同行します。それに先立ち、施行担当者の紹介を受けます。

3.室内設備機器の使用に関する説明

購入した部屋に到着すると、室内設備機器の使用方法や動作確認に関する説明を受けます。

4.室内のチェック

各部屋をまわりながら設備の状態や動作確認を行います。そのなかで気になる箇所や不具合がみつかったときは、施工担当者に伝えて「内覧会シート」に記載してもらいます。

5.指摘事項・再内覧の確認

室内のチェックが終わると、売主とともに「内覧会シート」の指摘箇所や内容をチェックします。設備の不具合、補修箇所があった場合は、補修工事後に「再内覧会」をするため、その日時を決めます。内覧会シートに署名捺印をしたうえでその写しをもらい、再内覧会時に持参します。

6.共用部分の説明

売主の案内で共用部分をみてまわり、エントランスドアや宅配ボックスなどの使用方法、駐車場や駐輪場の使用について説明を受けます。

内覧会のために準備すべきこと・持参すべきもの

せっかく時間を使って参加するのですから、事前に準備できることはしておきたいものですね

内覧会という貴重な機会を有効活用するために、準備すべき点、持参すべきものがあります。

【準備すべきこと】

内覧会には気持ちや時間に余裕を持って臨みたいものです。設備や仕上がりなどをチェックするために室内にいられる時間は30~60分が一般的ですが、不具合があった場合などはより時間がかかりますので2時間くらいあったほうが良いでしょう。事前に売主に伝えておきましょう。

内覧する時間帯も大事なポイントです。外が明るいうちにチェックするためには、午後3時になる前から始めましょう。また、内覧会では設備や共用部分によっては、確認・各種手続きなどで予定していた以上に時間がかかることもあります。当日は可能な限りほかの予定を入れず、内覧会に集中できるようにしておきましょう。

また、内覧会に行くときは、室温に合わせて調節できる服装がよいでしょう。特に、冬場では部屋が冷え込んでいることもあるため、簡単に着脱できる上着を着ていくと安心です。

【持参すべきもの】

・厚手のスリッパ・厚手の靴下

フローリングが冷たいと、足元から冷えることがあります。そのような状況を備えるためにも厚底のスリッパや厚手の靴下を持参しましょう。

・間取り図の写し

間取りとの相違がないかはもちろん、コンセントやスイッチなどの取り付け位置をチェックするためにも、間取り図の写しは必要です。なお、間取り図の写しは、マンションの契約時にもらえます。

・水平器

床や壁、棚などに歪みがないかチェックすることが大切です。水平器があると、床などの水平垂直精度のチェックに役立ちます。

・脚立

小さいもので良いので、手の届かない高い位置をチェックするために、脚立を持参しましょう。折り畳み式脚立は持ち運びに便利です。

・デジタルカメラ、ビデオカメラ

設備に不具合がみつかった場合、記録に残すために便利です。携帯端末のカメラもありますが、デジタルカメラやビデオカメラのほうが良いでしょう。

・メジャー

引越し時に持っていく家具やカーテンを配置するためには、室内の採寸が必要です。採寸の際には、スイッチやコンセントの位置や高さなども忘れずに確認しておきましょう。

内覧会でチェックすべき場所

内覧会の時間は限られているため、チェックすべき場所とその場所ごとのポイントを知っておくことが大切です。内覧会では、これらのチェックポイントを抑えて確認し、不具合があった場合は補修を依頼しましょう。

・玄関

玄関ドアの開閉、施錠や開錠の動作や閉まる速度に問題がないかチェックしましょう。特に、小さい子どもがいる家庭は、子どもが誤ってドアに手を挟まないようにするためにも、しっかり確認が必要です。

玄関外部については、玄関ポーチの扉の開閉動作のチェックやインターホンの通話確認などをしましょう。さらに、トランクルームやメーターボックス内の躯体の状態や扉の開閉なども忘れず確認しましょう。

また、エアコン室外機の排水経路がしっかり確保できていることも大事です。

・キッチン

キッチンはチェック項目が多いですが、日常的に使う場所だけはしっかりチェックしておきましょう。キッチンのタイルの貼り方は凹凸なく水平であり、タイル目地の充てんキレイに整っていることが大切です。壁とキッチンの取合い部分の防水シーリングがきちんとできているかも確認しましょう。また、吊り戸棚に要注意です。傾きや扉どうしの隙間が上下で異なるといった施工不良などが起こりやすい箇所です。

ハンドシャワー付いているところでは、ホースが元に戻るかどうか、何度か出し入れして確かめましょう。また、キッチンのカウンタートップの材質やキズ、割れなどをチェックしましょう。IHヒーターを導入しているところでは、こちらの動作確認も必要です。

・リビングや和室など

床のキズや床鳴り、幅木の取付状態、室内クロスの継手や汚れなどをまずしっかりと確認しましょう。ドアや引き戸の開閉状態や傾きがないかも要チェックです。 サッシの開閉速度や重さはサッシの種類によって異なります。開閉速度などを感覚的に覚えておくと、入居後に不具合が発生したときの目安にできます。

また、カーテンレールが水平に取り付けられているか、絵画を掛けるピクチャーレールが付いているところでは、端部処理や吊る荷重の表示有無も確認しましょう。 和室のあるマンションでは、襖の反りや襖どうしの擦れ合いなどのチェックが必要です。鴨居(かもい)や敷居にササクレや傷があると目立ちやすくなります。畳は、作業中にものを置くなどの原因で傷付いていることがあります。畳表に傷や色ムラがないかも確認しましょう。ハンガーなどが掛けられる、付け長押が水平になっているかどうかの確認も大切です。

・バス・トイレなど

ユニットバスの水漏れ有無を確認するためにも、内覧会がはじまったら最初に浴槽に水を貯めておき、テープを貼って水位が減っていないか確認しましょう。 また、洗面台の扉の開閉、給排水の状態の確認、排水管の漏水がないかなどを確認します。戸棚や三面鏡は取り付けの不具合が少なくないため、扉の開閉も含めてチェックが必要です。

また、トイレについても給排水の状態から便器やタンク、手洗い器の固定状態の確認が必要です。タオル掛けや収納棚の取り付け状態の確認、換気扇の動作確認も忘れずおこないましょう。

・バルコニーなど

手摺などがしっかりと固定されているか、手摺設置部分の外壁にひび割れなどないか確認しましょう。物干し金具の作動状況や、水勾配の状態を知ることも大切です。掃除用の流しがある場合は水が勢い良く流れるかもチェックしましょう。

マンションバルコニーは基本的に共用部分になり、専用の使用権が与えられています。そのため、避難経路の確保のために使用方法が制限されることもあります。避難ハッチがバルコニーに設置されているマンションでは、その使用方法についての確認も大切です。

忘れてはならないチェックポイント

内覧会では、購入検討時、あるいは契約時にもらった、間取り図の写しと異なっていないか、しっかりチェックすることが大切です。また、居室だけでなく収納スペースやコンセントの数・位置など、細部も見逃さないようにしましょう。そのうえで採寸を行い、床面積の広さだけでなく、床面からコンセントまでの高さを確認することが大切です。特に、現在使っている家具を使う予定であるとき、引っ越しまでに調達を考えている場合は、採寸した数値をレイアウトの資料として使いましょう。

また、気づきにくいですが、壁や床などの水平垂直精度や、取り付け物の固定状態などのチェックも大切です。こういったチェックは、リビングや居室、キッチン、洗面所など共通しておこないます。歪みがあると、のちのちいろいろな不具合がでてきます。

水回りの箇所については、給排水設備の水漏れの有無、換気扇の動作確認なども重要です。

さらに見た目だけでなく、歩いたときの感覚や異音が発生しないかどうかなどの確認も大切です。

なお、内覧会には、可能な限り家族全員で行くことをおすすめします。ひとりひとりの違う目線でチェックすることで、不具合などを見落とす確率も低くなります。1人とは違う視点でチェックできるため、思わぬ気付きがあるかもしれません。また、気持ち良く新生活をスタートするには、家族全員が納得することが大切なポイントです。

不具合が見つかったときはどうすべき?

内覧会のときに何らかの不具合が見つかったときは、その場で担当者に指摘することが大切です。引き渡し後に傷や汚れなどを申し出ても、いつ生じたものか判断しにくいため、対応してもらえない場合も少なくありません。

内覧会で見つかった不具合の内容は「内覧会シート」に記載され、それをもとに補修工事が行われます。補修工事が終わると、物件の引き渡しまでに「再内覧会」を実施して、補修箇所をチェックする必要があります。

再内覧会には、内覧会のときにもらった「内覧会シート」をもとに、補修箇所をしっかりチェックしていきます。ただ、補修箇所を確認するだけでなく、全体を再確認することも大切です。補修工事のために関係者が出入りするため、内覧会のときにはなかった、新たな傷や汚れなどができている可能性もあります。もし、何らかの不具合が見つかったときや気になる箇所がある場合は、再内覧会のときに遠慮なく伝えましょう。

再内覧会の実施時期は、引渡し時期や入居時期にも影響しますので、しっかりと希望を伝えましょう。

内覧会では納得いくまでチェックしよう!

内覧会は、物件の引き渡しを受ける前に、何らかの不具合がないかを確認できる貴重な機会です。内覧会では、細かいところまでしっかりチェックすることが大切です。そのためには、内覧会当日は十分な時間を確保しましょう。また、売主であるデベロッパーには、契約に基づいた完成物件を引き渡す義務があります。何らかの不具合が見つかったときは、遠慮なく指摘して補修工事をしてもらうことが大事です。

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