インテリアの基本、カーテンの合わせ方のコツ

カーテンには様々な色や柄があり、どれにしようかと迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。今回はインテリアに合わせるポイントやテイストやお悩みに合わせた選び方についてお答えします。

インテリアに合うカーテンとは?

インテリアショップやホームセンターに行くと、カーテンがずらりと並んでいます。選択肢が多すぎると、どれを選んでいいかよく分かりませんよね。インテリアの仕事をしていて意外に多い質問のひとつが「どんなカーテンを選んだらいいの?」というもの。皆さん、同じように悩まれているのです。

確かに、部屋の中で大きな面積を占めるカーテンはインテリアの印象を左右します。しかし、好みの色で無地ならば、たいていのインテリアに合わせられるので心配しなくて大丈夫です。難しく考える必要はありません。基本的にはファッションのコーディネートと同じです。たとえばボトムやシャツに使われている色に似たトップスを選ぶ、という考え方を、インテリアに応用するだけ。カーテンが黄色ならクッションも共布で作って、さらに黄色いオブジェを棚に置けばいい。インテリア小物とカーテンの色を合わせてしまえばよいので、実はとっても簡単なんです。

カーテンは、ラグやクッションと色を合わせると統一感UP

もしお気に入りのラグがあるなら、そのラグに使われている色と同系色のカーテンを選ぶと、統一感が出て印象が良くなります。柄モノを選ぶときには、手持ちのクッションやラグなどと、どこか共通した雰囲気を持つカーテンを選ぶようにすれば問題ないでしょう。もちろん、カーテンを選んでからラグを選ぶのもアリ。幾何学模様のラグやクッションと同じモチーフ、同系色のカーテンなら文句なく合います。

布のカーテンだけではなく、プリーツスクリーンやバーチカルブラインド、パネルカーテンなど、ウインドウトリートメント(窓周りの装飾をまとめてこのように呼称します)には様々な種類があります。面積の大きなカーテンを取り換えると、インテリアの雰囲気は大きく変わります。特に、布のカーテンは取り替えが簡単。気分や季節に合わせて、積極的に模様替えを楽しめます。

とはいえ、インテリアの主役は人の暮らしであって、カーテンやラグなどのアイテムではありません。ですから、カーテンだけが悪目立ちしたり、家具の良さを消し去ったりしないための配慮は必要です。たとえば、家具の色が濃い焦げ茶(ウェンジ)だったとしたら、カーテンはその色が映える色の方が良いでしょう(同系色にすると印象が重くなります)。また、家具やインテリアがナチュラルなのにカーテンの素材がツルツルしていると違和感があります。色のことは気にしていても、うっかり素材感をチェックし忘れることがあるのでご注意ください。

テイスト別マッチするおすすめカーテン

●ナチュラル

ナチュラルテイストのインテリアには、明るい光が差し込む様子が似合うもの。昼のレースカーテンには、シアーなタイプを選びたいですね。量販店だと一般的なレースカーテンが多いのですが、個性的なインテリアショップなら、刺繍が施してあるような、こだわりのあるデザインが見つかります。

●シンプルモダン

現代風のシンプルなお部屋では、冒険したくないなら主張の少ないカーテンが似合います。しかし、家具がシンプルで、インテリアオブジェなどの装飾も少なめな場合は、あまりにも寂しい印象になることがあるので、思い切って大柄な模様を選ぶのも良いでしょう。北欧風の大柄なパターンを探してみてください。部屋に飾るアートだと思って選ぶと迷いが少なくなります。

●クラシック

上品なクラシックテイストのインテリアには、ドレープの美しい3つ山ヒダのカーテンがおすすめです。ヒダというのは、プリーツのこと。窓の幅に対して2~2.5倍の生地を使う3つ山ヒダは高級な仕立てになります。市販品は2つ山ヒダで、窓幅に対して1.5倍程度の記事を使うため、見た目がややフラットな印象に。ヒダが少ないほどカジュアルな印象になることを覚えておきましょう。

部屋を広く見せるカーテン

さて、色には様々な効果があって、たとえば赤や黄色は気分を高揚させ、緑や青は人を集中させたり冷静にさせたりする、と言われています。また、暖色系は膨張して見えて、寒色系は収縮して見える、という話も聞いたことがあるはず。だったら部屋を広く見せるには何色を選べばいいのか(きっと、広く見える色があるはず!)と思う人もいらっしゃるでしょう。

目立たず部屋に馴染み、空間を広く見せるのは、特定の色ではなく壁の色に近い色です。たとえば白い壁に青や黄色で塗られている場所があったら、目立ちますよね。塗られている面積が大きいと、そこに区切りが生じて、部屋が狭く見えることがある。それと同じで、普通の家では、空間はできるだけフラットに見えるほうが有利です。とにかく部屋を広く見せたいというときは、壁がグレーならカーテンもグレー、壁が白ならカーテンも白を選んでください。

また、ストライプなら部屋が広く見えそうなのですが、これは条件によります。部屋から直接外に出られる掃き出し窓は縦長の要素が強いので、縦長のストライプを使えば、カーテンのドレープでさらに縦長が強められ、天井を高く見せられます(天井近くからカーテンを吊り下げられるとパーフェクトです)。横のストライプで部屋を広く見せたいなら、ドレープのないパネルスクリーンにするか、もともと横方向の印象が強いプリーツスクリーンを選ぶのが良いでしょう。

機能性からカーテンを選ぶことも

さて今回、カーテンのインテリア要素としての考え方をご紹介しましたが、カーテンはそもそも、強い日光を遮ったり、窓からの騒音をやわらげたり、外から見えなくしてプライバシーを確保するという機能があります。リビングや寝室など、その部屋で求められる機能のことも考えておく必要があります。

特に寝室の場合、カーテンの選び方ひとつで、快眠できるかどうかが変わります。ぐっすり眠りたいなら遮光カーテンの導入をおすすめします。遮光カーテンはその遮光率によって、1級遮光(遮光率99.99%以上)、2級遮光(遮光率99.80%以上、99.99%未満)、3級遮光(遮光率99.40%以上、99.80%未満)の等級があります。日中にカーテンを引くと、1級は人の顔が判別できないレベルの暗さが作れて、2級だと人の顔がわかるレベル、3級だと表情まで分かるけど事務作業は無理、というもの。寝室は1級または2級がおすすめです。ただし、朝、まわりが明るくなることで自然に目覚めたいという場合は3級を選ぶか、遮光性能のないカーテンで良いでしょう。

外からの音が気になるときや、冷暖房の効率を上げたいときは、厚手のカーテンを選ぶと多少の効果が期待できます。また、リビングの日当たりが良いのは幸せなことですが、家具や床の退色が気になる場合は、紫外線対策を施したUVカットカーテンを選んでください。

見た目も質感も良く、機能的なカーテンを選べるのが一番ですが、すべてを満足させるのは難しいことも。その際は、雰囲気を重視するのか、機能を重視したいのか、ご自身の優先順位をはっきりさせておくと迷いません。なお、入居の際に替えのカーテンを購入しておくと、思い立ったときに部屋のイメージチェンジができるので便利です。市販品で希望のものが見つからなければ、オーダーという手もあります。インテリアショップのオーダーカーテンは多少お値段が張るかもしれませんが、家具との相性などについてもアドバイスしてくれるので満足度が高いでしょう。

(最終更新日:2019.10.05)
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