引っ越しの際、物件の防音性について気になる方が多いのではないでしょうか。木造、鉄骨造などの工法によってどの程度防音性が変わるのかご紹介します。また、すでに住んでいる場所で簡単にできる防音対策についても併せて考えます。

快適な暮らしに必要な建造物の防音性

どうしても発生してしまう生活音。自宅の防音性は重要です。

住まいを探す際の基準として重要視する方が多い「防音性」。周辺の環境音はもちろん、マンションなど集合住宅の場合は、隣や上階の生活音も気になります。プライベートな時間を過ごす場所だからこそ、リラックスできる静かな環境にこだわりたいですよね。

防音性を高める構造と防音施策

建造物の防音性に影響を与えるのは、構造と防音施策です。構造には、下記の4種があります。

1.木造
2.鉄骨造(軽量、重量)
3.鉄筋コンクリート造
4.鉄筋鉄骨コンクリート造

加えて、一層防音効果を高めるのに効果的なのが吸音材、遮音材、防振材です。これらを床や壁面に用いることで、高い防音性を期待できます。ただし、対策したい音の種類や音の入り方によって適切な材料は異なるため、構造と防音材の適性は時と場合によって変化します。

それぞれの構造と防音性の関係

構造による防音性の違いはあるのでしょうか

では、先ほどご紹介した構造によってどのように防音性が変わるのか、順にチェックしていきましょう。

音が筒抜けになりやすい木造のメリット・デメリット

木造とは、木で家を作る工法のことを指します。はりと柱によってフレームを造る構造上、壁面はどうしても薄くなりがちなのが木造の特徴です。他の構造と比較して壁の空洞が多く、防音性は低い傾向があります。

安いけれど防音には工夫が必要

木造は賃貸物件の場合、比較的安く借りられることが多いため、住んでから近隣の音に悩まされるという人も少なくないようです。自分で家を建てたりリフォームしたりする場合は、窓の二重化や壁面の防音対策を検討しましょう。

近年建設された木造の場合、防音性を鑑みたレイアウトや防音材を取り入れている建造物が多いようです。したがって、新築の物件であって、かつ周囲の騒音も問題ないエリアに住む場合は、木造だからと断念する必要はないかもしれません。

木造の特徴を生かしたぬくもりある住まいが魅力

防音性に乏しい木造ですが、木が持つ素材のメリットもあります。例えば、木は吸水性に優れているため、夏の湿気を吸い込み、冬の乾燥を防ぐのに効果的です。木のぬくもりを生かしたナチュラルテイストの住まいに憧れる方や、さほど防音性を求めない地域で快適な住まいを手に入れたい方は、木造が適しているでしょう。

意外と防音性は低い?鉄骨造のメリット・デメリット

鉄骨造は、先ほどご紹介した柱やはりの部分に鉄骨を用いた構造を指します。さらに、用いられる鋼材の厚みによって細分化されるのが「重量鉄骨構造」と「軽量鉄骨造」の2種です。6mmを境に分けられた2種は、主に建造物の規模によって使い分けられています。

基本の工法は木造と同じ

基本的に木造と同様の建造方式であるため、鉄骨造の建造物に高い防音性を求めることは難しいです。木造と比較して柱やはりに用いられる鉄骨が分厚い分、重量鉄骨構造のほうが音を伝えづらい傾向はあります。

ただし、重量鉄骨構造は大型施設やマンションに用いられるものですから、個人宅で防音のために選択することは一般的ではありません。したがって、鉄骨造は木造と同様の特徴を持つ構造であり、防音性についてはほぼ木造と同じと考えたほうが良いでしょう。

鉄骨造の賃貸物件でできる限りの防音を図る場合は、隣の部屋と接する壁面にクローゼットやトイレ等がある間取りの物件を選ぶ等の工夫が役立ちます。また、角部屋が残っている場合はそちらのほうが静かな環境を期待できるでしょう。

開放的かつ自由なスペースの家を作れる

その他の観点で見た鉄骨造のメリットは、開放的な空間を作りやすいことです。比較的スリムな柱とはりで建造物を支えることができ、木造と比較して少ない支えでのデザインを検討しやすいため、一軒家の場合は広々としたスペースを作れるでしょう。

木造と比べて、間取りの自由がきくことも鉄骨造の魅力です。住み方の変化に合わせて部屋の仕切りを変えたい場合や、大きな窓を持つスタイリッシュな家にしたい場合は、鉄骨造が適しています。

防音性No.1の鉄筋コンクリート造・鉄筋鉄骨コンクリート造

鉄筋コンクリート造と鉄筋鉄骨コンクリート造は、それぞれ柱や骨組みにコンクリートを流し込む工法を指します。いずれも壁面の空洞が埋まるため、遮音性に優れています。

コンクリート造は防音性が高く、他機能性にも優れている

鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造の建造物は防音性が高いだけでなく、耐火性や耐震性も高い点が特徴です。建物全体が重くなることから、地盤の準備も入念に行う必要があり、高い機能性を誇る分、準備にも手間がかかる工法です。

コストがかかることで手が出ない物件も多い

鉄筋コンクリート造や鉄筋鉄骨コンクリート造の欠点は、費用が高い点でしょう。賃貸や分譲の場合、高級住宅として売り出されていることも多く、予算との相談が必要です。また、コンクリート造だからと言って必ずしもすべての建造物が防音性に優れているわけではありません。中にはコンクリートの厚みがないために音が響いてしまう物件もあります。

構造や条件に合わせた防音対策法

ちょっとしたテクニックで防音性を高めることができます

ここまでご紹介したように、構造によって建造物の防音性は異なります。しかし、すでに住んでいる場所の防音性に納得がいかないからといって、すぐに引っ越すというのも難しいでしょう。今いる環境でできる防音対策について、いくつかご紹介します。

窓から入る音を遮断する

もしも外からの騒音が問題になっている場合は、窓の隙間を埋めることが有効です。リフォームが可能な環境であれば、二重窓にするとサッシの隙間から入る音を遮断できるでしょう。そのほか、後付け式の防音パネルやブラインドも販売されています。賃貸の場合は取り付けの条件なども確認したうえで、可能な対応を検討してみましょう。

家具の置き方を工夫する

隣の家からの音が気になる場合、面している壁に厚みを持たせることで音を遮ると効果的です。背の高い本棚や厚みのある洋服棚などを、音の気になる壁面に沿わせたレイアウトにしてみましょう。逆に、ベッドルームなど静かな環境を保ちたい部屋は、隣家が面していないエリアに移動するとストレスが軽減されるはずです。それが難しい場合は、市販の壁面用の防音ボードを立てると効果的でしょう。

カーペットや畳を敷く

マンションの場合、上下からの音が気になるケースもあります。住人の生活音はもちろんですが、排水管やパイプを通る水音が響くのも天井や床です。自分自身が音を上下階に伝えないための配慮という観点も含め、音を多く立てる場所にはカーペットや畳など、ある程度厚みのある敷物を用いると良いでしょう。

完全な防音は難しくても、構造の特徴を理解した選択は可能

建造物の工法による防音性とそれぞれの持つ特徴、そして自分が住む場所に対してこだわるポイントを検討することで、騒音問題で頭を抱えない生活を送ることができるはずです。

集合住宅の場合は、後から引っ越してきた人との問題など、事前に回避できないトラブルもあるかもしれません。その場合は、防音シートやカーペットなどの商品をうまく利用する方法も検討してみてくださいね。

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