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2019年6月1日から、ふるさと納税の新制度がスタート。過度な返戻品競争を避けるため、改正地方税法により、返礼品を「寄付額の3割以下の地場産品」に限定し、ルールを守る自治体にのみ税優遇を認める制度へ移行することになりました。総務省は2019年5月14日、ふるさと納税の新制度を利用できる地方自治体を公表しています。現在の状況をまとめました。

東京都は、ふるさと納税の新制度参加を辞退

都市部では本来入るはずだった税収が、他の自治体に流れてしまう事態に

ふるさと納税制度を利用すれば、寄附金から2,000円を引いた金額を上限として、所得税と住民税の控除を受けることができます。合わせて返礼品を設定している自治体が多く、ふるさと納税制度はお得度の高さから、一躍ブームとなりました。しかし、ふるさと納税制度が盛り上がるほどに、都市部では本来入るはずだった税収が、他の自治体に流れてしまう事態に。

東京23区をはじめとする財政が健全な自治体はそもそも、国から地方交付税を受けていません。そこに輪をかけて、ふるさと納税で税収減となった訳で、東京都は予てから、ふるさと納税制度そのものに反対の意思を表明していました。そのため、6月からスタートする「ふるさと納税」の新制度への参加を辞退したのです。

大阪府泉佐野市などの4市町がふるさと納税の対象除外

ふるさと納税の新制度を利用できない、つまり税優遇を受けることができないことが決まったのは、大阪府泉佐野市、静岡県小山町、和歌山県高野町、佐賀県みやき町の4市町。いずれも、Amazonギフト券などの金券を提供していたことが除外の理由だと言われています。4市町は3月にも、2018年度の特別交付税が大幅に減額され、災害関連以外は配分されていませんでした。

小山町の池谷晴一町長は、ふるさと納税で多額の寄付を集めた手法を批判し、4月に現職を破って町長に当選したばかり。税優遇から除外する自治体を公表する前に、総務省を訪れて謝罪の意を示していましたが、除外対象となってしまいました。「新しい制度については、総務省と何回も打ち合わせをしながら、品目を減らして3割以下にしてきた」「何で過去の経緯が入ってきたのかはっきりして欲しい」と語っています。

一方、攻めの姿勢が何かと話題になってきた泉佐野市の担当者は「新ルールにのっとった形で総務省に申請を出していたので、指定されないという情報を聞いて非常に驚いている」と語っています。

大阪府泉佐野市が5月31日までの期間限定で始めたキャンペーンは、返礼品とAmazonギフト券を合わせた実質の返礼率が、最大60%! 「寄附者の皆様に新しいふるさと納税を体感していただくことで、問題や課題を知っていただくため」のキャンペーンだとしています。

画像元:泉佐野市ホームページ

これら4市町と東京都に関しては、ふるさと納税制度を意識して寄付をしても税の優遇措置は受けることができず、純然たる寄付として扱われます。今回除外された4市町は来年の10月まで、再認定を受けることができません。

参照:総務省「ふるさと納税に係る総務大臣の指定について」

43の市町村は、税優遇の適用期間を4ヶ月に限定

また、下記の43市町村は6月1日以降、ふるさと納税の対象となる団体として認められたものの、税優遇の適用期間を6月1日から9月30日までの4ヶ月間に限定。7月中に総務省へ再度申請を出し、指定を受けなければ、税優遇が適用されません。前述の4市町ほどではないものの、寄付の集め方に問題があったとされ、イエローカードの状態と言えます。

税優遇の適用期間を4ヶ月に限定されている43の市町村

まとめ

今まで以上に制度への理解が必要となっています

2019年6月以降、ふるさと納税を利用するにあたり、還元率が際立って高い返礼品を見つけることは難しくなるでしょう。ふるさと納税を行っても税優遇を受けることができない自治体もあるため、ふるさと納税を利用する側が知識を得て、納得できる自治体を探すことが、今まで以上に求められます。

損得に振り回され過ぎず、「本当に応援したい自治体に寄付をする」ことを念頭に、ふるさと納税を活用したいですね。

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