この記事は、約4分で読めます

職場にいながら、留守中の家の中の様子や、他の家族の帰宅をスマホで確認できる、我が家の「スマートホーム」化が急速に普及中。そんな中、忘れがちなのが窓や玄関の施錠。そこに着目した新サービスを紹介します。

侵入犯罪で最も多い手口は「窓」からの侵入

平成29年度の警視庁の調査によると、空き巣の侵入経路として最も多いのは、無施錠の窓や玄関など、開口部からの侵入で、45.4%にも上りました。次いで、開口部のガラス破り、次いで玄関の錠破りと続きます。(「警視庁 住まいる防犯110番 戸建住宅29年」より)

昨今は、犯罪の手口も巧妙になり、電話などで留守を確認してから侵入する空き巣もいます。

そこで、家を留守にする際、玄関や窓のカギをかけることは当たり前、のつもりが……。

ついカギをかけ忘れて外出してしまった、という失敗は誰でも一度や二度は経験したことがあるでしょう。当たり前ですが、玄関や窓の施錠こそが、何よりの防犯対策なのです。

こうした現状を受けて、現在、様々なメーカーがスマートホームの提案をしています。トヨタホームは、メールで家族の帰宅をお知らせするほか、外出先からスマホで戸締りの確認や施錠操作、窓や勝手口の開閉状態を確認できるなどのサービスを行っています。

ホームセキュリティで知られるセコムのサービスは、家族の外出や帰宅をスマホで管理するほか、専用センサーの設置により留守中の窓やドアの開閉を検知。異常があれば、「駆けつけサービス」として対処員がすぐに自宅に駆けつけてくれます。

住宅関連サービスを提供しているリクシルは、自宅の室内外に設置したカメラの画像をスマホで管理できるサービスを行っており、外出先から子ども、ペット、愛車などの様子を確認できるようになっています。

玄関や窓の施錠が防犯の“カギ”

建材メーカーとして、特に「窓」から住まいの安全と安心を考えているYKK APは、確実な施錠に着目した戸締り安心システム『ミモット』のサービスと運用を新しくスタートしました。自宅の窓や玄関にセンサー付きの錠をつけることで、外出時に玄関や窓の施解錠状況を確認でき、万が一何者かが自宅の玄関や窓を開けた場合もセンサーが感知。スマホアプリを通じて知らせしてくれるというもの。

最大の特徴は、関連機器の取り付けの手軽さと、操作のスマートさです。センサーは、電池や配線も不要な「環境発電」仕様。わずかな動作によって発電する仕組みです。これは、ボタンを押す力を利用して自ら発電する、トイレの温水洗浄便座リモコンに応用された事例などもあります。『ミモット』では、その技術を窓のカギ一体型のセンサーに採用しました。室内の窓のカギを施解錠する動作で発電し、センサーが施錠や解錠の状況を感知。その信号を発信し、室内の受信機からネットを通じて、スマホ上のアプリで確認できるのです。

窓周辺は、電源コードが這うようなことはなく、取り付け方もとてもシンプル。従来のカギを、対象のセンサー付きカギに取り換えるだけ。自分でも取り換えることができます。

従来のカギの上下部分にあるネジを外し、センサーが一体になっているカギに付け替えれば設置完了
専用の受信機を室内に設置して、各センサーからの信号を受信。受信機からの情報は、スマホの専用アプリで一括管理する

電気錠の玄関と連携させることで、さらに安心・安全

『ミモット』のセンサーは玄関ドアの電気錠とも連携でき、窓の施解錠と一括して管理することができます。

玄関の電気錠と連携した場合、玄関まわりに『ミモット』専用インターフェースユニットを取り付けることになる

玄関と窓のセンサーからの信号は、専用の受信機を通じて、スマホアプリに通知されます。窓を無施錠のまま玄関を施錠すると、すぐにスマホにお知らせが届きます。

管理システムのイメージ。窓、玄関、勝手口などの設置したセンサーからの信号を、専用の受信機が受け、ルーターなどを経てスマホへ

「お出かけ時戸締り通知」の画面。窓を無施錠のまま玄関を施錠して出かけようとすると、玄関ドアを施錠したタイミングでスマホに通知がくる

一方、玄関の施錠を忘れたまま外出してしまった場合は、スマホのGPS信号から、家から一定距離離れた時点で以下のような通知が来ます。

玄関を閉めずに外出した場合のお知らせ画面

外出先からセンサーを設置したすべての場所の施解錠を一覧で見ることもできます。

もちろん、外出時に家に誰もいないにも関わらず、玄関や窓が解錠されると、すぐにスマホに通知が来ます。

センサーを設置した箇所の施解錠一覧画面。ピンクが解錠状態、白が施錠状態を示す

価格は、受信機1台と窓センサー1カ所のセットで7万円(税抜)。さらに毎月の利用料として500円(税抜)が必要です。このセットを基本に、窓センサーの数を増やしたり、玄関や勝手口に対応していくことができます。商品契約はネットの専用サイトよりお申込み可能です(YKK AP 戸締り安心システム「ミモット」)。

目指したのは、事故を「未然に」防ぐこと

『ミモット』とは、「見守り」と「戸締り」を合わせた開発者による造語です。窓やドアの施解錠を管理するだけでなく、外出中に子どもがリモコンキーやカード・シールキーを使って玄関を解錠した際に通知する設定もあります。そもそも、YKK APが窓やドアの施解錠に注目したのは、無施錠による侵入被害が多いことでした。逆に言えば、「戸締り」を徹底すれば、侵入被害は減るということです。事件や事故を「未然に」防ぐ。そうすることで、家と家族を「見守り」、毎日の安全と安心を手に入れてほしい、そんな思いから開発されました。この4月から本格的にスタートしたばかりの新サービス。将来的には学校や老健施設などへの導入も視野にいれてサービスを充実させていきたいとのこと。今度の展開が期待されます。

この記事もおすすめ

住宅ローンをご検討中の方

この記事の執筆者
木内 貴子 ライター、翻訳家

ライター、翻訳家。

株式会社サマーシード代表。主に雑誌、書籍、webサイトなどのライターとして活動。得意分野は、アジア圏における政治からサブカルまで全般的に扱う。中国語書籍の翻訳も行う。

おすすめ記事