結婚やこれからの子育てを見据え、「マイホームを購入して住環境をととのえたい」と考えている人は多いでしょう。しかし、ある日突然辞令を出され、転居を余儀なくされる可能性が高い転勤族の人々にとって、マイホームの買い時は悩みどころ。単純に「欲しい時が買い時」とは言い切れません。そんな悩みを抱えている転勤族の先輩が、どんなタイミングでマイホームを購入したのか、生の声をお届けします。

今後の転勤を見据えた住宅購入のポイントとは?

転勤族の人々の多くが、「再び転勤を言い渡されるかもしれない」という想いを胸に住宅を購入しています。せっかくマイホームを購入しても、近い将来引っ越さなければならないかもしれません。それでも敢えて家を買うならば、どのようなポイントで家探しをすれば良いのでしょうか?

資産価値を意識。いざという時に貸しやすい物件を購入

寝室は天井が高く、ゆったりとした空間。普段は引き戸を開けてリビングと一体の空間として、来客時は閉めて生活感を隠せる。「空間にゆとりがあるからか、よく眠れるようになった気がします」寝室にはトレーニングマシンも設置し、毎日利用しているそう。
(参照元「資産価値を意識した家探し。高田馬場駅近くの新築物件を購入したKさん」:住宅購入者ストーリー)

Kさんは現在、転勤の標的(?)になりやすいと言われる独身ですが、「持ち家があれば、転勤について考慮して貰えるかもしれない」そんな思惑でマンションを購入したと言います。将来、結婚することも視野に入れ「掛け捨ての生命保険に入るよりも、住宅を購入して団体信用生命保険に入った方が家族に資産を遺せる」とも考えたそうです。

物価が上昇しても資産価値が下がりにくい、都内の好立地にある新築マンションを選んだというKさん。「物件の隣にオフィスビルが建つ予定のため、将来的に転勤やお子様の成長など住み替えが必要な事態が生じても、オフィスで働く人が希望額ですぐに借りてくれるのではないか」と考えているとのこと。どうやら死角はなさそうです。

今後の転勤を見据え、借地権付きのためリーズナブルな物件を購入

駐車場側から見ると、平屋建てのような装いの外観。「太陽光パネルの設置業者が、大きな屋根を見て頻繁にセールスへ来ます(苦笑)。興味はあるのですが、設置を前提に作られた家ではないため、耐久性があるのか心配で実現していません」
(参照元「借地権付き物件を購入。家族やゲストとコミュニケーションを育むMさん」:住宅購入者ストーリー)

アパートで暮らしていたMさんは、お子様の誕生を前に引っ越しを決意。ファミリー向けの広い賃貸物件が少ないエリアであったことから、住宅購入を考えました。購入した物件は50年契約の借地権付きで、毎月地代を支払う必要があります。しかし、その出費を加味してもリーズナブルに感じたことが購入の決め手となりました。

Mさんのように、転勤を言い渡される可能性がありながらマイホームを購入する人は少なくありません。通常より抑えた金額で購入できる借地権付き住宅は、転勤族にとって魅力的な選択肢と言えるかもしれませんね。

住宅購入後に転勤が決まってしまったらどうする?

夢のマイホームを購入し、「どうか、転勤を言い渡されませんように」と思いながら過ごす日々。しかし、その願いも虚しく、転勤が決まってしまうケースは少なくありません。せっかく手に入れたマイホームを売却して手放すのか、所有したまま賃貸に出すのか、はたまた家族を残して単身赴任をするのか、マイホームを購入した先輩たちは、どのような決断をしたのでしょうか?

土地を購入した2週間後に転勤を言い渡され、遠距離通勤を決意

リビングに暖炉を設置。「先日、友人が遊びに来た時には暖炉で焼き芋を焼いて大好評でした。今後はピザやパンを焼いてみたいですね」
(参照元「子育て環境にこだわって自然素材を取り入れたTさん」:住宅購入者ストーリー)

お子さまがのびのびと成長できるようにと、奥さまの実家近くに注文住宅を建てたTさん。リビングに暖炉を設置し、2階にはお子さまのためのセカンドリビングをレイアウト。自然素材をふんだんに取り入れるなど、こだわりがたくさん詰まった住まいを完成させました。

ところが…。実は、土地を購入した2週間後に転勤を言い渡されてしまったというTさん。現在は、2時間半の時間を掛けて通勤しているそうです。長時間通勤はツライ気持ちもあるそうですが、「愛着のある我が家なので、頑張って帰宅しようと思える」と、前向きなTさんが印象的でした。

通勤時間と生活の関係性や、通勤時間の有効活用については過去記事「通勤時間1時間以上ってどう思う? 通勤時間で生じるメリット・デメリットを比較」も参考にして下さい。

マイホームを購入後、転勤が決定。単身赴任生活に

新居を購入後、軽自動車から普通車に買い替えたというKさん。「道路幅は広くありませんが、不自由なく出入りできています」
(参照元「南区の建売住宅を購入。快適でエコな暮らしを実現したKさん」:住宅購入者ストーリー)

貸家暮らしを経て、45歳の時にマイホームの検討を始めたKさん。インターネットサイトで偶然見つけた広島市内の建売住宅に惹かれ、購入を決めました。

以前から興味があった太陽光パネルを搭載したり、庭に花や野菜を植えたり、お子様の友だちを招いてタコ焼きパーティをしたり。思い描いたマイホームを満喫しているそうです。しかし、Kさんは東京都内に転勤が決まり、現在は単身赴任中とのこと。月に1回、家族とマイホームで過ごす時間を楽しみにしているそうです。

転勤を経て、住宅を買い替えるという選択

一般的に、マイホームの購入は「人生最大の買い物」と言われます。しかし、転勤族であれば、転居の度にマイホームを購入し、前居を売却するという選択肢も存在します。「一度家を買ってしまったら、売却するのは難しそう」と思う人が多いと思いますが、買い替えにより、どこにいても快適な生活を叶えている人たちがいます。

2度の住宅購入を経験。いざという時に売却できる物件を選択

ビルトインガレージには、家族全員分の自転車を収納。「電動シャッターが設置されていたり、玄関ホールから直接行き来できる動線が作られていたりするのは注文住宅ならではだと感じています」
(参照元「愛知県から都内へ。転勤・転職を経て2度目の住宅購入をしたKさん」:住宅購入者ストーリー)

Kさんは結婚後、愛知県で注文住宅を建てて暮らしていました。しかし、東京都内へ転勤が決まり、たった10年で手放すことに。しばらくは貸家暮らしでしたが、転職が決まり、家賃補助が得られなくなってしまうことから住み替えを決意しました。

賃貸か購入か悩んだ末、中古の注文住宅を購入することに。決断の決め手は、前回注文住宅を建てた際、予想よりも高値で早期に売却できた経験でした。「もし売却することになっても、こだわって建てられた注文住宅であれば資産価値が見込めるため、ある程度の高値で売却できるのでは?」と考えているそうです。

住宅購入後、1年も経たずに本社が移転!

(参照元「浦和駅から徒歩圏内の新築戸建てを購入。愛犬との暮らしを実現したMさん」:住宅購入者ストーリー)

関西にある奥さまのご実家近くで新築マンションを購入したMさん。夢のマイホーム生活がスタートした喜びも束の間、転職した会社の本社機能が東京へ移転することになり、購入から1年も経たずに関東勤務が決まってしまったそうです。購入したマンションは「いつか関西に戻りたい」という想いから賃貸に出し、住宅ローンの支払いを続けながら、埼玉県浦和市で社宅暮らしを始めました。しかし、新築マンションからの転居とあってお世辞にも快適とは言えず、社宅ゆえ何かと気を遣うことも多かったそうです。

転機はそれから4年後、賃貸に出していた関西のマンションが空室となった時に訪れました。再び入居者を募集するには、まとまったリフォーム費用がかかります。「転職して関西に帰り、再び自分たちで住もう」という考えも頭をよぎったそうですが、給与減が避けられないことや、子どもたちが転校しなければならないことがネックでした。

関西のマンションを売却すれば住宅ローンを完済できることが分かり、Mさんは買い替えを決意。社宅の近くで新築戸建てを購入しました。定年後、再び関西で暮らしたい気持ちは今もあるそうですが、今は新居での暮らしに満足しているご様子です。

ライフステージの節目で3度の住宅購入を経験

(参照元「大阪市阿倍野区で3度目のマンション購入。終の棲家で賑やかに暮らすSさん」:住宅購入者ストーリー)

Sさんが最初にマイホームを購入したのは、結婚から数年後のこと。Sさんが生まれ育った神戸で新築マンションを購入しました。転勤後は賃貸に出していましたが、2回目の都内勤務が決まったタイミングで売却。パートナーの定年を機に社宅を退去した後は、千葉県市川市の中古マンションを購入し、快適に暮らしていたそうです。

しかし、一昨年に義理のお父様が亡くなったこと、Sさんご自身のリタイア時期が近付いていたことから、終の棲家として大阪への転居を決意。前居を売却して心機一転、新築マンションでの暮らしをスタートさせました。ご家族や昔からのご友人と気軽に会えるようになり、楽しい毎日を過ごされています。

まとめ

転勤族の皆さんにとってマイホームとは、いつまで住めるのか分からない存在だと思います。しかし「転勤族だから」とマイホームの購入を諦める必要はありません。買い替えや老後の暮らし方を視野に入れて計画的な家探しを実践すれば、もし転勤を命じられても、慌てずに対応できるはず。皆さんも、思い切ってマイホーム購入への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

この記事もおすすめ

いくつわかる?検定にチャレンジ

住宅ローンについて知る

住宅ローンをご検討中の方

この記事の執筆者
斎藤 若菜 住宅ライター

ラジオパーソナリティを経てフリーライターに。住宅・インテリア・不動産分野を中心として、介護・グルメ・トラベルなどのジャンルでも執筆。リフォームや注文住宅関連の住宅情報誌をはじめ、雑誌、書籍、新聞、インターネットなどのさまざまな媒体で取材・執筆を手掛けている。ARUHIマガジンでは、「住宅購入者ストーリー」などを担当中。

おすすめ記事