マンションでも戸建てでも中古住宅市場が注目される中、リフォームへの関心も高まっています。少し築年数が経った物件でも、リフォームによって理想の家にできるかも。ちょっとワクワクする一方で、「価格の相場は?」「何を、どこをリフォームすればいいの?」「どこに頼めばいいの?」といった「?」がどんどん増えて行きます。三菱地所ホームでは、相場が分かりにくいリフォーム料金に「定額制」を提案し、好評を得ています。リフォームの「?」を解決するために、東京都港区赤坂にある同社のリフォーム専門ショールームを訪ねました。

「定額制」が教えてくれる今のリフォームにできること

出迎えてくれたのは、三菱地所ホーム・設計グループ・グループリーダーの菅和洋さん。注文住宅やマンションから住宅以外の建築物まで長年設計を担当してきたリフォーム事業部門の設計フェロー(研究員)です。まず案内されたのは、ショールーム入り口のボード。一般的なマンションの間取り図に「こんな悩みはありませんか?」と、リフォームをする際によくある「困り事」が並びます。

「三菱地所グループでは、注文住宅やマンションのオーナーの方々と、販売後も長いお付き合いを続けています。長く暮らすことや家族構成の変化、高齢化に伴う改善点、最新の快適さへの関心など、さまざまな要望をお聞きし、新たな商品開発に結び付けると同時に、そのノウハウをリフォームでも提供しています」(菅さん)

家探しをしていると「中古物件の魅力」に関する情報に触れる機会が年々増えています。一番の魅力は価格。そしてリフォームで自分好みの住空間を実現した施工例にも惹き付けられます。しかし、リフォームにかかる費用は? 「自分好み」と言ってもリフォームでどこまでできる? その実現にかかる費用と、物件の価格の合計は、何を基準に判断すればいい? 「リフォーム費用は見積もりをよく検討しよう」と言われても、細かな資材が積算されていく表を見ても、判断のしようがない……。

「『三菱地所』と聞くと、大きな開発をイメージすると思います。戸建て住宅や中古マンションのリフォームをやっていることを知ると、驚く方も多いですね。そして少なくない人が『でも、お高いのでしょ?』と聞かれます。弊社の建築品質を評価いただいている上でのことですが、そもそも『リフォームの価格』の目安が分かりにくいのも要因です」(菅さん)

戸建住宅の施工例。左がリフォーム前、右がリフォーム後。中古物件だけでなく、長く暮らした自宅のリフォーム需要も増えています。経年による老朽化に加え、長い生活の中でインテリアと室内空間の統一感がなくなることも「古さ」を際立たせてしまいます。「リディア ハウス」では三菱地所ホームが手掛ける注文住宅で採用している、水回り設備や最新の資材を用いたトータルコーディネートを4種類のパターンから選べます。
(写真提供:三菱地所ホーム。戸建住宅リフォームのショールーム「リフォームラボ赤坂」で展示されている施工例)

マンション開発の三菱地所レジデンス、注文住宅の設計・建築・リフォームの三菱地所ホーム、仲介の三菱地所ハウスネット、管理の三菱地所コミュニティなど、三菱地所グループの住宅部門を担う各社は、数年前から自社物件のオーナーだけでなく、広く一般住宅市場に向けてリフォーム技術を提供することに力を入れているそうです。

その主力商品の「リディア ハウス」と「リディア マンション」はリフォーム業界を驚かせました。戸建て住宅向け「リディア ハウス」は、床面積30坪で540万円。マンション向け「リディア マンション」は70平方メートルで498万円(いずれも税別)。その価格で、キッチン・バスルーム・洗面化粧台・トイレの水回りと、壁・床・天井・建具の室内空間のリフォームが可能な「定額制」だったのです。

マンションの定額制リフォーム「リディア マンション」の施工例。水回り設備や内装資材は三菱地所レジデンスが最新分譲マンションに採用しているものが選べます。毎年最新トレンドカラーを取り入れている室内の配色は7パターン。左はアウトドアリビング感覚の「キャメルチーク」。右はネオクラシックな空間を演出する「ミディアムサペリ」。(写真提供:三菱地所ホーム)

「定額料金」の中には資材・設備費や施工費だけではなく、インテリアコーディネーターによるコンサルティングも含まれています。しかし、これらはすべて「おまかせ」が売りではないと菅さんは言います。

「『リフォームは興味あるけど』で立ち止まっている方に、この値段でここまでできますよ、ということをまず知っていただくのが、発案意図でした。『リディア』を目安にして、予算を抑えたい、または、別の設備も加えてより充実させたい、などの個々の思いを広げる検討のきっかけにしていただきたい。そういう意味では、『リフォームに興味がある。でも何もわからない』というスタート段階で、赤坂やみなとみらいの弊社のリフォームのショールームを訪ねていただければ、実際の施工例や、オーナーの困り事を解決して積み重ねた『100のリフォームポイント』によって、何をどこまでリフォームするかが見えてくるはずです」(菅さん)

「リフォーム」という検討要素が増えると物件の選択肢も広がる

前述の「定額料金」は、間取りの変更を含まないプランです。「リディア」を目安に、居室間の壁を取り払った大空間や、使い勝手のいい動線を設ける室内環境の実現、よりグレードの高いインテリアの選択などの個別プランも選択できます。

新築マンションの人気が続く中、価格面や購入時期、立地等であきらめた「あこがれの居住空間」を、中古マンションの室内に実現することも可能です。「中古物件」や「リフォーム」は、ついつい「価格」を抑えることを目的と考えがちですが、最終的な居住空間の実現にかける費用バランスの検討手段と考えると、物件の選択肢も広がりそうです。

東京都港区にある「赤坂リフォームギャラリー」に展示されている「リディア マンション」の施工例。もとはキッチンとリビング・ダイニング、和室で構成された典型的マンションの間取りを、壁をなくし一体型に。さらにキッチン奥と浴室、廊下との動線をつなぎ、居住空間全体の利便性を高めています
上の写真右奥には、リビングと対面式の作業スペースも。収納は「物に住所を付けた、適材適所のオリジナル収納」が室内各所に設けられています。写真の収納は、ハウスキーピング用のアイテムを集約することができ、掃除機の充電も可能です

「空気」に四半世紀取り組んで来たからできるリフォーム

三菱地所ホームでは、2018年秋、定額リフォームの新プランを発表しました。「エアロテックFitリフォーム」です。「エアロテック」とは、同社と三菱電機が共同開発した全館空調システムです。24時間換気に加え、設定室温を自動で保ちます。しかも居室ごとに室温が設定でき、南側と北側の日照に違いがあっても全館変わらない体感の心地良さを実現します。両社の協力と開発はすでに四半世紀におよびます。早くから「空気」を住環境の一部として取り組んできたことで、現在、「エアロテック」は、同社の新築一戸建て住宅の9割以上で採用が広がっているそうです。その「エアロテック」も定額リフォームでの設置を可能にしたのです。

実際に「エアロテック」がどんな室内環境を実現するのかを体験するため、「マンション エアロテック」を設置しているモデルルーム(Re Gra)に入ると、その人気の理由が分かります。壁にはエアコンがないため壁がスッキリし、室温は床の小さな吹き出し口からの空気で管理されています。設定温度と室温の差に合わせて、一定温度の空気の吹き出し量を調整することで管理しているそうです。風の流れや吹き出し音はほとんど感じません。「エアロテック」を導入した家では、場所や時間での家の中の温度変化が少ないので、薄着になり、活動的になるなど、生活が変化したという声も多いそうです。

 

「マンション エアロテック」の吹き出し口。マンションの場合、二重床の空間を空気が流れるので、床面が冬は暖かく、夏はひんやりし、「ペットも喜ぶ」との声もあるとか。「赤坂リフォームギャラリー」の展示
「赤坂リフォームギャラリー」に展示されている、注文型高級リフォーム「Re Gran」の施工例。「さすがにここまでは。という来館者の方もいますが、定額制による『目安』が持てたことで、じゃあ自分は何にこだわろうか、という『もっと楽しむ』リフォーム計画を考えることがスタートするようです」(菅さん)

「エアロテックFitリフォーム」の定額料金は、戸建て住宅の場合、1・2階で910万円。1階のみで790万円(いずれも税別。間取り変更や間仕切り変更は含まず)。マンションの場合はフルスケルトンとして、床先行施工の二重床方式とする必要があるため1075万円(税別)。三菱地所ホームの戸建住宅や三菱地所レジデンスのマンションの最新資材の採用、インテリアコーディネーターのコンサルティングを含むのは「リディア」と同じです。

「古い物件だからリフォームする」だけではなく、定額プランによって価格の目安が見えることで、「自分」や「現在」「未来」のためにリフォームを考えることができそうです。

取材協力 三菱地所ホーム 

マンションリフォームのショールーム「赤坂リフォームギャラリー」

戸建て住宅のショールーム「「リフォームラボ赤坂」(完全予約制)
  
みなとみらいのショールーム「リフォームショールーム」

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