マンションの屋上は入れる? 入れない? ルールや有効活用方法を紹介

建物の屋上というと、みなさんはどのようなイメージを持っていますか? ドラマなどでは屋上のシーンをよく見かけますが、実際には開放されていない場合も多く見られます。一方で「学校の屋上階で部活動の練習をしていた」という人もいるかもしれません。屋上にはさまざまな活用法があるのです。そんな魅力ある屋上だからこそ、マンションに住んだ場合、屋上に立ち入ることはできるのか、気になる人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、マンションにおける屋上のルールや活用方法について紹介します。

マンションの屋上に関する一般的なルール

屋上を開放しているマンションは結構めずらしい!?

一般的なマンションの屋上は「契約上・管理規約上立ち入り禁止」となっているのが基本です。これを聞くと、便利に活用できそうなのにもったいないと思う人もいるかもしれません。確かに広々とした屋上スペースは、とても魅力的な空間ではあります。しかし、管理者側からすると、屋上を開放することには実は少なからずリスクがあります。立ち入りが禁止されるのには、それ相応の理由があるのです。

まず、マンションの屋上には建物全体の水道や電気系統の設備が設置されていることがあります。もしも屋上を開放していると、これらに住民が誤って触れてしまってトラブルが起きてしまう危険性があるのです。事故が起きて、当事者のみならずマンション全体に影響が出るような事態になってしまうと、多くの住民が不便を強いられることになる可能性もあります。そのため、こうした重要設備を隔離するには最初から屋上に入れないようにすればよいと判断されるのは合理的だといえます。

ほかにも、屋上を開放していたがために風で飛ばされるなどして屋上から物を落としてしまうといった事故が起こることも考えられます。事故の可能性を極力排除するのは、マンションの管理者の重要な責務のひとつです。住民が直接立ち入らずとも、不審者の侵入経路として利用されてしまうケースもありえます。
また、屋上の床に保護コンクリートなどの加工が施されていない場合、頻繁な人の立ち入りや靴底の堅い靴によって屋上に施されている防水層を痛めてしまうリスクもあります。このように、管理者側のリスクの排除、そして住民の安全性という観点から、マンションの屋上を利用できない物件は多いのです。

屋上が使えるマンションの探し方

屋上の危険性については上で触れたとおりですが、とはいえ、上手く活用できればさまざまな楽しみ方を生み出せるスペースであることも、また事実です。そのため「入居者にとってのメリットを優先したい」という姿勢で屋上を開放しているマンションは確かに存在しています。それだけ管理者にとっては、開放された屋上というものは「入居者への魅力的な付加価値となる」と判断される要素でもあるのです。では、そういった「屋上が使えるマンション」は、どのようにすれば見つけられるのでしょうか。

まず確実な方法としては「大家さんや管理会社に問い合わせる」ことが挙げられます。管理者本人に直接質問をすれば、何よりも正確な情報を得られるはずです。内見したタイミングなどで聞けばスムーズでしょう。もし立ち入りが可能なのであれば、そのまま屋上を見に上がることができる場合もあります。

また、なるべく管理している物件が多い不動産会社を頼るのも一つの手です。紹介することのできる物件が多いほど、そのなかに屋上を使えるマンションが含まれる可能性は高くなります。

ルーフバルコニーで代用という方法も

屋上が使えるマンションの数は多くはないため、どれだけ探しても屋上を使えるマンションが見つけられないこともありえます。その場合は、屋上を利用する生活を潔くあきらめてしまうのも選択肢として考えなければなりませんが、たとえばルーフバルコニーで代用できないか検討してみましょう。

ルーフバルコニーは屋上ではないものの、多くの場合は一般的なバルコニーよりも広くつくられています。天気の良い日にガーデンチェアでくつろいだり、テーブルセットを置いてお茶を楽しんだりという使い方であれば、ルーフバルコニーでも十分対応できるでしょう。ただしルーフバルコニーに関しては、管理規約で火気の使用禁止や悪臭、騒音等の防止が規定されていることがほとんどです。使用の際にはこれらのルールとマナーをしっかりと守って使用しましょう。

屋上が使える場合の有効活用法

いざ屋上が使えるマンションに住めるとなると、できる限り屋上を有効に活用したくなるものです。先にも述べたとおり、マンションの屋上にはさまざまな楽しみ方があります。広々とした屋上は、余暇を楽しむのに適した場所といえます。景色を眺めつつのんびり過ごすことで、日々の疲れもリフレッシュできるでしょう。

近隣で花火大会が催される地域であれば、屋上から花火を見るのも楽しみ方のひとつです。屋上が利用できれば、花火大会で大変な思いをしがちな場所取りは必要ありません。混雑とも無縁な特等席から、ゆったりと花火を楽しむことができます。

また、開放的な空間であることを利用して、写真撮影を楽しむのもよいかもしれません。身近な場所で撮影が行えるのは大きなメリットといえるでしょう。

屋上を積極的に活用している物件の例

マンションのなかには、屋上スペースを積極的に活用している物件もあります。「屋上が使用できることが付加価値となる」ということは前にも述べましたが、これをより前面に押し出して、マンションのウリとしている物件が登場してきているのです。
たとえば、屋上を菜園として開放しているマンションがあります。本来家庭菜園といえば、マンションではなかなかハードルが高いものです。しかし、屋上スペースを開放して菜園にすることで、多くの住民が楽しむことができるのです。屋上は一般的な菜園と比べて日当たりがよく、植物を育てるうえでは都合の良い環境であるといえます。また、セキュリティ面から1階で植物を育てるのには不安があるという人にも屋上菜園はおすすめです。

ペット入居可能なマンションの場合、屋上スペースをドッグランとして開放している物件があります。交流の場としても一役買っており、愛犬家同士の情報交換がはかどることでしょう。自宅マンションのドッグランで遊ばせてあげるだけならば、ワンちゃんが脱走してしまう心配はありません。また、近隣への散歩をする余裕がないときでも気軽に運動させることができるのは、忙しい人にとっては助かります。

そのほかのマンションの屋上活用事例としては、ソーラーパネルを設置して共用部分の電力に充てている物件も見られます。居住者が直接屋上スペースを利用できるわけではありませんが、太陽光から得た電力を充てることで、結果的に管理費などの削減につながるので、所有者にとっても長い目で見るとメリットになるでしょう。

ソーラーパネルを設置しているマンションもあります ※写真はイメージ

屋上が活用できるマンションを探してみよう

屋上を有効活用できるマンションは、管理の都合などもあり一般的とはいえないものの、確かに存在しています。「マンションの屋上を使える」というメリットはこれまで紹介したように多岐にわたり、そのどれもが魅力的に感じるのではないでしょうか。特に夏場などは、気候的にもイベント的にも屋上を利用するのにうってつけです。もし屋上を有意義に使いたいのであれば、入念に情報収集を重ねて屋上を使えるマンションを探してみましょう。

(最終更新日:2019.10.05)
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