2018年のマンション供給、東京で減少する一方で埼玉・千葉では2割増加

住まい購入で多くの人が検討する、マンション。近年はタワーマンションをはじめ、投資の対象となり、不動産価値が高騰しています。

足元の状況はどうなのか。不動産経済研究所が4月17日に発表した、「首都圏マンション市場動向」をまとめてみます。

マンション供給は横ばいも東京都内は微減

不動産経済研究所のこの発表によれば、首都圏における2018年度の新規供給戸数は3万6,651戸となり前年度から0.5%の減少となりました。ほぼ横ばいです。

ただ地域別にみると状況が異なります。供給戸数を前年度と比較すると、東京都区部は5.7%減、都下は9.3%減、神奈川県は8.5%減。東京では2年ぶりに前年割れとなりました。

他方、供給が前年から増加した地域が「埼玉」(22.6%増)と「千葉」(26.4%増)です。

マンション平均価格はやや上昇

1戸当たりの平均価格は全体でみると5,926万円で前年度比0.1%の上昇、また1平方メートル当たりの単価は87.5万円で1.3%の上昇となりました。平方メートル当たりの単価は7年連続で上昇していますが、上昇幅は縮小しています。

これを地域別にみると東京都区部の平均価格は7,318万円で前年比4.4%上昇。一部の超高額物件が平均を押し上げていると思われますが、依然として価格の上りが止まっていません。

都区部、都下、埼玉県は価格が上がっている一方で、神奈川県と千葉県では下落しているそうです。

住みやすい街として注目されている埼玉・千葉

今回の2018年の首都圏マンション市場では埼玉・千葉の供給戸数が2割強の増加となっています。事実、両県には住みやすいとして魅力度があがってきている街が数多くあります。

たとえば川口は、埼玉県内でも人気のエリア。かつての工業エリアが居住ゾーンとして拡大、平成30年4月1日川口市は中核市に移行しています。

工業用地が開発され駅前もにぎやかに

東京駅までJR京浜東北線で23分と都心へのアクセスが良く、工業用地が開発され駅前もにぎやかになっています。「中学生までの医療費免除」など行政サービスの質も高く、池袋へのアクセスも20分ほどと、利便性や住環境を考えても住みやすい場所です。

(参考:【本当に住みやすい街大賞2019】第4位 川口:家族で楽しめる商業施設が充実した街)

一方、千葉で住みやすい街として脚光を浴びているのが柏の葉キャンパスです。

スマートに暮らす未来キャンパスシティ。駅前のタワーマンションも魅力的

千葉県柏市に位置し、一風変わった名前をもつ、柏の葉キャンパス。「世界の未来像」をつくる街として、環境・健康・知縁・創造、の4つのテーマに基づき、「公民学の連携」と「最先端の知の集積」によって、新しいまちづくりを推進しています。環境配慮型のスマートシティとしても知られ、近未来を予感させる場所です。

(参考:【本当に住みやすい街大賞2019】第5位 柏の葉キャンパス:スマートに暮らせる最先端の学園都市)

首都圏では2年ぶりに前年割れの結果となったマンション供給。一方で新たな注目エリアもでてきてデベロッパーも活発に動いていることが数字でもわかります。住環境や交通の利便性等を考慮すると、マンション市場の動向で地域別の注目度が見えてくると言えそうです。

(最終更新日:2019.10.05)
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