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政府の地震調査機関の震源モデルの見直し等に伴い、2017年1月から地震保険料が全国平均で大きく値上げされることになりました。ただ、保険契約者の負担を抑えるため、3段階に分けて改定することになり、2019年1月からの改定は、その2回目にあたります。今回の改定内容と保険料を抑える工夫を見てみましょう。

地震保険の保険料は、2017年、2019年、2021年の3回を通して、全国平均で19%の引き上げ

地震保険の保険料は、2011年の東日本大震災の影響や、その後の政府の地震調査機関の震源モデルの見直し等に基づいて、2017年1月から全国平均で19%値上げされることになりました。ただ、一度に引き上げると保険契約者の負担が大きくなるため、3段階に分けて実施することになり、1回目の2017年1月からは全国平均で約5.1%上がり、2回目の2019年1月からは同約3.8%の値上げとなっています。次回は2021年1月からとされています。

なお、地震の発生確率等は、地域によって異なるため、都道府県によっては、値下がりするところもあります。また、既に加入している地震保険については、保険期間中に保険料が改定されることはありません。2017年1月以降、2019年1月以降、2021年1月以降から始まる保険契約から、保険料が改定されます。

2019年1月からの改定内容は?

2019年1月の改定後の年間保険料(保険期間1年、地震保険金額1,000万円あたり、割引適用なし)は以下の通りで、2018年までの保険料と比較して記載しています。

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都道府県によって保険料は大きく異なり、最も安い「岩手、秋田、山形、栃木、群馬、富山、石川、福井、長野、滋賀、鳥取、島根、岡山、広島、山口、福岡、佐賀、長崎、熊本、鹿児島」と、最も高い「千葉、東京、神奈川、静岡」では、3倍以上の開きがあります。また、建物の構造によって、倍以上の開きがある県もあります。

上表は、保険金額1,000万円あたりの年間保険料を示しているため、たとえば、東京都のコンクリート造(イ構造)の住宅で、保険金額を2,000万円に設定した場合、1年間に支払う保険料は50,000円(=25,000円×2)ということになります。

ただし、建物の免震・耐震性能によって、10%から50%の割引適用を受けることができます。

※複数の割引を重複して適用することはできない。 ※割引の適用にあたっては、所定の確認資料の提供が必要(なお、2017年1月、および2019年1月からの改定によって、対象となる確認資料の範囲が広がり、割引の適用を受けやすくなっています)。 ※割引は確認資料を提出した日以降の保険期間から適用される。 ※クリックして拡大

地震保険料の負担を軽減する工夫は?

地震保険は、火災保険の特約として契約する必要があるため、火災保険と同じ保険会社で契約することになります。なお、火災保険の保険料は、契約する保険会社によって異なりますが、地震保険の保険料はどの保険会社でも変わりません。なぜなら、地震保険は、地震や噴火、津波などによる巨額の保険金の支払いに備えて、政府がバックアップする公共性の高い保険だからです。

保険料を軽減する方法としては、保険期間を長期にして保険料を一括で支払うやり方があります。地震保険の保険期間は、最長5年間に設定することができ、長くすればするほど割引率が高くなります。2019年1月の改定では割引率が引き下げられましたが、それでも、まとめて支払うことで保険料を軽減することができます。

たとえば、保険期間1年のときの地震保険料が10,000円とした場合、保険期間を5年の契約にして保険料を一括払いすると、10,000円×4.60=46,000円になります。1年ごとに10,000円ずつ5年で50,000円支払うよりも、合計で4,000円の保険料負担が軽くなります。

2019年1月の改定で値上げとなった都道府県では、次回2021年1月の改定でも値上げとなる可能性があります。
今のうちに5年契約に切り替えて、保険料を一括で支払えば、次回の値上げの影響を数年間遅らせることができ、保険料を節約することができます。なお、地震保険は火災保険の特約として契約するものであるため、地震保険を5年契約にするには、火災保険も5年以上である必要があります。

まとめ

近年、わが国では、各地で地震が発生していることもあり、地震保険に対する認知度が高まっています。そのため、地震保険に加入する世帯の割合も年々増加していますが、それでも2017年度での世帯加入率は、31.2%(損害保険料率算出機構による)にとどまっています。地震の被害の補償は、火災保険にはなく、地震保険にしかありません。万が一の際の生活再建のためにも、地震保険にはしっかりと加入し、その上で保険料の負担を軽くする方法を考えたいものです。

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