新築マンションの坪単価は過去最高値を更新。都心3区、東急線、京浜東北線、総武線は根強い人気

新築マンションのビッグデータを活用し、不動産情報プラットフォーム事業を行う株式会社マーキュリー(本社:東京都新宿区 代表取締役:陣 隆浩)は、首都圏で2018年に供給された新築マンションの平均坪単価を集計しました。その結果を駅別のランキングとして発表いたします。

各エリア軒並み最高値を更新

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首都圏の新築マンション価格が上昇を続けています。特に東京23区は過去5年間に渡り過去最高値を更新し続け、2018年には380.2万円まで上昇しました。

要因としては2つ考えられます。まず、2011年に発生した東日本大震災の復興需要に加えて2020年の東京オリンピック開催によるインフラ整備や施設の建築などにより建築コストが高騰したこと。

そしてもう一つも2020年東京オリンピック需要によるもので、地価の上昇という点が要因として挙げられます。

今回は、高騰している坪単価に注目し、1都3県で2018年に供給された新築マンションの平均坪単価を駅別に集計し、上位をランキング形式でまとめました。

東京都 坪単価ランキング 1位~10位

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まずは東京都のランキングです。

上位10駅のうち、6駅が港区という結果になりました。2017年は単価850万円以上の駅は1駅のみでしたが、2018年は3駅に増えています。

また、都心3区(千代田区・中央区・港区)に位置する駅が8駅となりました。都心3区は日本のビジネスの中心地として経済活動が活発なエリアですが、一方で高級住宅街を擁し、住宅地としても高い人気を誇っています。その為、坪単価も高単価となり多くの駅が上位にランクインする結果となりました。

2018年の注目駅は4位にランクインした渋谷駅です。再開発が進む渋谷駅を最寄り駅とするザ・パークハウス渋谷南平台とパークコート渋谷ザタワーといった大規模物件が供給されていますが、この2物件が渋谷駅の平均坪単価を大きく牽引しました。

23区全体では、平均を上回る坪単価400万円以上の駅が2018年は75駅となっており、2017年の61駅から大きく数を伸ばしました。これが要因の一つとなり、23区全体の平均坪単価が上昇したと考えられます。

神奈川県 坪単価ランキング 1位~10位

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前述した、過去5年間の平均坪単価推移で唯一下落しているのが神奈川県(横浜・川崎)です。

2017年はパークコート山下公園やガーラ・シティ新丸子駅前といった高額物件の供給で坪単価が跳ね上がりましたが、一時的なものだったと考えられます。

神奈川で特徴的なのは、東急東横線や東急田園都市線といった「東急線」沿線の需要が高いことです。東急線は地下鉄にも乗り入れており利便性が高いという特徴に加えて、自由が丘や武蔵小杉、二子玉川やたまプラーザなどのおしゃれタウンとしての知名度の高さや、「田園都市構想」を基にした街づくりにより、ブランド力が高まったことが要因だと考えられます。

今回のランキングでも上位10物件中6物件(※あざみ野駅含む)が東急沿線の駅という結果になりました。

埼玉県 坪単価ランキング 1位~10位

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埼玉県もじわじわと値上がりが続いています。

10物件中5物件がさいたま市のJR沿線駅という結果になりました。特に、JR京浜東北線の川口駅~大宮駅間を最寄り駅とする新築マンションの供給が多く、かつ坪単価が高い傾向が伺えます。

京浜東北線は都内の上野駅や東京駅、有楽町駅や新橋駅といったオフィスが集中する駅に停車する為、都内通勤者にとって京浜東北線は利便性が高いと言えます。

この傾向はほぼ例年通りと言え、埼玉県内における新築マンションは前述したJR京浜東北線の川口駅~大宮駅間を最寄り駅が主軸となっていると考えられます。

千葉県 坪単価ランキング 1位~10位

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千葉県は2017年の188.1万円から17.5万円アップし、205.6万円という結果になりました。

ランクインした多くが東京23区に隣接する浦安市や市川市に位置する駅という事に加え、JR総武線沿線の駅が多くランクインしています。

JR総武線は秋葉原駅や新宿駅を停車駅としており、都内通勤者にとって利便性の高い沿線だと考えられます。

その為、千葉県においては、例年JR総武線沿線に供給される新築マンションが県内の相場を牽引する傾向にあると言えます。

今回大きくジャンプアップした駅は4位の津田沼駅。総戸数759戸、平均坪単価266.0万の津田沼ザ・タワーが津田沼駅の坪単価上昇の要因となりました。

坪単価を牽引する駅は、ほぼ例年通りか

今回の調査により、「一都三県で新築マンションの坪単価を牽引する駅は、ほぼ例年と変わらない」ことがわかりました。

・23区ではビジネスの中心地かつ高級住宅地を擁する都心3区(千代田区・中央区・港区)を最寄りとする駅
・川崎市、横浜市では交通利便性が高く、ブランド力の高い東急東横線
・東急田園都市線を最寄りとする駅
・埼玉県では都内通勤者にとって利便性の高いJR京浜東北線の川口駅~大宮駅間を最寄りとする駅
・千葉県では23区に隣接する市、都内通勤者にとって利便性の高いJR総武線沿線を最寄りとする駅

それぞれのエリアで上記のような特徴を持つ駅は、今後もそのエリアの新築マンション供給の主軸として高単価で供給されると考えられます。

また、大きなトピックスとして2020年東京オリンピックを来年に控え湾岸エリアの需給動向が活発になると言われていますが、東京オリンピック需要が新築マンションの相場に対してどれ程のインパクトが出るのか、引き続き注目が集まりそうです。

ニュース参照元:PR TIMES
ニュース情報元:【2018年首都圏新築マンション駅別坪単価ランキング】

(最終更新日:2019.10.05)
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。
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