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マンションでありながら、戸建て住宅のような暮らしが手に入るメゾネット物件。「こんな家で生活してみたいな」とあこがれる人も多いのではないでしょうか。メゾネットタイプの住宅は一般的なマンションよりも“空間にゆとりがあり、開放的な雰囲気なのが魅力的”に見えますが、実際に住んでみたときのメリットやデメリットは気になるところです。今回はメゾネットタイプ住宅の特徴と、そのメリット・デメリットについて解説します。

メゾネットタイプのマンションとは

メゾネットタイプのマンションは、“住居内が2階層で構成されている”のが代表的な形です。

一般的にマンションは1階層のみのフラットタイプという造りで、15階の部屋であれば専有部分は15階のみとなります。一方、メゾネットタイプの場合は室内に階段や吹き抜けがあり、玄関は15階で専有部分が15階と16階という2階建てと同じように造られているのが特徴です。マンションとしては余裕のある造りで、日本では高級マンションに多く見られます。

メゾネットはマンションのすべての部屋で採用されるパターンは少なく、通常はフラットタイプの部屋がメインで、最上階とその1つ下の階など、一部のフロアにのみメゾネットタイプの部屋が設計されている場合が大半です。

また「メゾネット」という表記はしてあっても、実質1.5階の造りであったり、2階層部分が6畳程度の部屋1つのみだったりする間取りも存在します。一言でメゾネットといっても複数の解釈があるので、物件を探すときは図面をよく確認したほうがよいでしょう。

とはいえ、マンションでありがら、戸建て住宅のような双方のいいとこ取りの暮らしには魅力があります。実際に生活してみた場合、どのようなメリット・デメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

メゾネットタイプのメリット

メゾネットタイプの住宅は内部が2階層になっていることから、“立体的な造りで空間にゆとりを感じられる”のがメリットです。デザインや構造にこだわった物件も多く、大きな窓があったり2階層を吹き抜けにして天井を高くしていたりする部屋もあります。

こうした空間の使い方をしている場合、外からの光が採り入れやすく風通しもよいので、“マンションでありながら余裕のあるライフスタイルが実現可能”です。初めて訪ねてきた友人が家の構造に驚いたときなど「メゾネットになっているの」と説明することに優越感を感じる人もいるかもしれません。

また、メゾネットはバルコニーにも大きなメリットがあります。通常、マンションには各階に玄関があるので、それぞれに共用の廊下を用意しなければなりません。しかし、メゾネットタイプの場合は玄関のない階層に共用廊下は不要です。そのため、このスペースがバルコニーとしてデザインされ、自宅の南北または東西の両面にバルコニーが設けられている場合が多くあります。

洗濯物を干すスペースを十分に確保したうえで、家庭菜園やガーデニングを楽しんだり、家族団らんのスペースを作ったりできるというのは魅力的ではないでしょうか。マンションで生活しながら、戸建て感覚で専用の庭を持てるのもメゾネットならではのメリットです。

メゾネットタイプのデメリット

メゾネットタイプの物件は階段や吹き抜けの存在によって、ゆとりのある空間を演出することが可能です。しかし一方で、このような造りは“住居内の有効面積を減少させてしまう”というデメリットもあります。

階段や吹き抜けを設けるということは、そのぶん各フロアの居住スペースが狭くなることを意味するからです。ただ、構造上狭く見えるということはないので、物件を選ぶときは家族のプライベート空間と十分な収納が確保できるかどうかという基準がクリアできれば大きな問題にはならないでしょう。

費用面では、同じマンション内にあるフラットタイプの物件に比べると、メゾネットタイプの部屋のほうが家賃は高くなる点も予算によってはデメリットとなるかもしれません。

実際の生活では住居内が2階層に分かれていることで、フラットタイプに比べると家事導線や生活導線が長いという問題があります。たとえば、洗濯機を置いている場所と洗濯物を干す場所が別階層にある場合、洗濯物を移動させる必要が出てきます。

また、年齢を重ねたときに階段の上り下りが負担になってくるということを考えるのも重要です。とはいえ、これらの問題は戸建て住宅に暮らす人にとっては当たり前に存在するものなので、ライフスタイルの何を優先するかによっては大きなデメリットとはならない可能性もあります。

メゾネットの子育て世代に特有のメリット

子育て世代である場合、マンション内での騒音トラブルは気になる部分ではないでしょうか。

2013年に国土交通省が実施した「平成25年度マンション総合調査結果(平成26年4月23日公表)」によると、マンション内で起こるトラブル原因の第1位は「居住者間の行為、マナーをめぐるもの」で、全体の55.9%と半分以上を占めています。

居住者間の行為やマナーは細かく分けると、駐車場や駐輪場の利用方法やゴミの出し方、ペットのしつけなどさまざまで、なかでも「生活音」はトラブル原因となる割合が最も高く、34.3%でした。子育てにおいて音を立てないというのは難しいですから、人によっては対応策としてマンションの1階をメインに物件を探すという場合もあるかもしれません。しかし、メゾネットタイプの住宅であれば、こうした生活音の問題を軽減できるという大きなメリットがあります。

メゾネットの場合、住居内が1階部分と2階部分に分かれているので、子どもが遊べるスペースを2階部分に用意すれば騒音トラブルを回避できる可能性が高まります。子どもが歌ったり踊ったり、バタバタと走り回ってしまっても、マンションの真下の部屋へ直接音が響くことがなくなるからです。マンションに暮らしていても、子どもの生活音に関するストレスが軽減されるというのは、子育て世代にとっては大きな魅力ではないでしょうか。

メゾネットの子育て世代に特有のデメリット

子育て世代の人がメゾネットタイプの住宅を選んだ場合、代表的なデメリットには階段による家庭内事故の危険性が挙げられます。メゾネットはその構造上、どうしても階段を設置する必要があるので、転倒や転落といった事故が起こらないとは言い切れません。

2016年に厚生労働省が実施した「人口動態調査」では、交通事故を原因とした死亡者は年間で5,278人なのに対し、転倒・転落による不慮の事故で命を落とした人の数は8,030人と交通事故よりも多かったというデータも公表されています。

階段やステップに限ると転倒・転落事故全体の約8.7%と大きくはなく、そのすべてが子どもの事故というわけではありませんが、転倒や転落はよく起こるものなのだと心得て、その防止策が取られている造りを選択することが大切です。

メゾネットタイプの物件を見ていると、階段にもさまざまな造りがあることがわかります。たとえば、注意が必要なのはスケルトン階段の場合です。スケルトン階段は見た目がおしゃれで人気もありますが、段と段の間にすき間があるので、そのすき間から転落してしまう可能性もないとは言えません。

子育て世代の場合はすき間のない階段を選んだり、子どもが小さいうちは転落防止用のフェンスやネットを張ったりするなど対策が必要です。ただ、この問題も戸建て住宅であれば一般的なものなので、あまり神経質になりすぎず対策がしっかりできるかどうかという視点で見てみるとよいかもしれません。

物件数はまだまだ少ない!ライフスタイルと照らし合わせて選ぼう

マンションと戸建て、それぞれの魅力をあわせ持つメゾネットですが、日本では物件数自体が少ないので、予算や立地など細かい条件をすべてクリアできる部屋を見つけるのは難しいかもしれません。

したがって、メゾネットタイプの部屋を探すときは希望のライフスタイルについて優先順位を明確にしておくことが大切です。なかでも、居住スペースや家事導線にストレスを感じない造りになっているか、家庭内事故の防止策が考えられているかといった点はよく見ておくことをおすすめします。

日常的にストレスを感じてしまう生活では、メゾネット特有のゆとりある開放的な雰囲気を活かせなくなってしまうからです。自分たちのライフスタイルと照らし合わせながら、理想に近い物件を探していくとよいでしょう。

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