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千葉県は、待機児童数解消の取り組みに対する成果がみられる県でもあります。では、待機児童に対してどのような取り組みが行われているのでしょうか? また、待機児童の多い市町村、少ない市町村はどこなのでしょうか? 千葉の待機児童の現状や、子育てのしやすさについて考えていきます。

千葉の待機児童数は? 保育所等の設置に積極的な千葉

子育て世帯が多いイメージのある千葉の待機児童数を調査!

さっそく、千葉県の過去5年の待機児童数推移をみていきましょう。

待機児童数推移

※出典:千葉県健康福祉部子育て支援課「保育所等利用待機児童数及び利用定員数について」(平成30年8月10日) ※画像をクリックすると拡大されます

千葉県の待機児童数は、2017年に一度大幅な増加を見せているものの、以降は減少しています。2017年は待機児童の定義を厚生労働省が改めたことで全国的に待機児童数が増加した年でもあるため、千葉の待機児童数に対する取り組みは継続して効果が出ていると考えられます。

保育所等の利用定員数

 ※出典:千葉県健康福祉部子育て支援課「保育所等利用待機児童数及び利用定員数について」(平成30年8月10日)より抜粋 ※画像をクリックすると拡大されます

千葉県の特徴は、予算を投じた保育サービス拡大の積極的な動きです。保育所等の利用定員数を直近の2年間で比較すると、保育所、認定こども園、地域型保育事業それぞれ1,000人以上の利用定員数の増加がみられます。

0~2歳児の待機児童割合が約94%

では、待機児童にはどのような傾向があるのでしょうか。下記の表をご覧ください。

待機児童の年齢と人数構成比(2018年4月)

※出典:千葉県健康福祉部子育て支援課「保育所等利用待機児童数及び利用定員数について」(平成30年8月10日)より抜粋 ※画像をクリックすると拡大されます

千葉県の待機児童の内訳のほとんどを占めるのは、0~2歳児です。特に1歳児の割合が66.8%と高くなっています。前年度との比較では、ほぼすべての年齢において待機児童数の減少に成功していますが、特に減少しているのは0歳児の割合でした。したがって、現在は早期預かりを実現する保育サービスの拡大が成果を出し始めている段階と考えられます。

千葉在住・千葉勤務の保育士が多い傾向

千葉の保育サービスの拡大が成功している背景には、保育士として活躍する人材が潤沢である一面もあるでしょう。
千葉県健康福祉部子育て支援課による「千葉県保育士実態調査 結果報告書(平成29年)」によると、県内保育士登録者の約88%が現在も千葉県内に住んでおり、かつ約85%が県内で保育士として勤務しています。
また、就職継続希望に対する回答では約77%が「今後も保育士として働きたい」と回答しており、従事経験年数が5年以上の保育士も多いことがわかりました。
給料への不満や子育てとの両立を懸念した退職はあるものの、多くの保育士が就業の意志を持ち、県内にとどまって保育サービスを支えている点が千葉の魅力のひとつです。

千葉県内の市区町村別待機児童数ランキング

切実な待機児童問題。転居先に選ぶ市町村で明暗が別れることも!?

では、千葉県内の市区町村の待機児童数をランキング形式でみていきましょう。
千葉県では、全54市町村のうち、柏市、松戸市、野田市、我孫子市、銚子市、館山市など32市町村が待機児童ゼロを達成しています。下記は待機児童数が多い上位10位までの市区町村です。

【千葉県】市区町村別待機児童数(平成30年4月)

※出典:千葉県健康福祉部子育て支援課「保育所等利用待機児童数及び利用定員数について」(平成30年8月10日)より抜粋 ※画像をクリックすると拡大されます

待機児童数がもっとも多いのは市川市で、次いで100人以上の待機児童数がいる市は浦安市、八千代市、習志野市、印西市となります。この5つの市のうち人口数トップ5に入っているのは市川市のみです。

区市町村別人口数(平成31年2月)

※出典:千葉県ホームページ 市区町村別人口と世帯(平成31年3月1日現在) ※画像をクリックすると拡大されます

上記からわかるように、市区町村の人口と待機児童数の相関性はほとんどみられません。なお、人口がもっとも多い千葉市の待機児童数は8人。さらに、柏市は平成27年より待機児童ゼロをキープし続けています。なぜこうした待機児童数の差が生まれるのでしょうか。市川市と柏市を例に考察してみます。

市川市の待機児童数の多さは都心へのアクセスの良さが原因?

市川市の保育サービスへの取り組みを確認すると、JR総武線沿線(市川駅・本八幡駅周辺)や東京メトロ東西線沿線(妙典駅周辺)での保育所整備により一層力を入れていることがわかります(市川市ホームページより)。
市川市はJR総武線・武蔵野線東京メトロ東西線と東京~千葉間を多方面から結ぶ路線が集中する市で、東京勤務の人が住みやすいエリアとして人気です。したがって、現在の市川市には、子どもを預けて働きたいと考える世帯が集中しているのかもしれません。

また、市川市では多世代家族を応援する取り組みを進めており、代表例として祖父母世帯と子育て世帯(18歳まで)が同市内に住むことで店舗割引などが受けられる「多世代ファミリーカード」事業が挙げられます。東京に勤めつつ、子育て世帯が市川市を選択するメリットも多いことから、移住者が増え、市川市の待機児童数を増加させてしまっている可能性も考えられます。保育所の設置は進んでいるものの、申込数に追い付いていないのが現状といえるでしょう。

柏市では再エントリー制度で入所がかなう可能性も

一方、待機児童ゼロの柏市では、入所が実現しなかった家族に対する充実したサポートが行われています。保留児童保護者には保育士による相談窓口が設けられ、入所を実現するための情報提供やヒアリングが実施されます。また、「再エントリー制度」の活用も注目すべき点です。再エントリー制度とは、1次審査の保留者に対して空きがある認可保育園の情報を提供し、当初希望していなかった園を希望園として追加できる制度です。平成 30 年入園では、再エントリー制度で入園した児童は79人となっています。

こうした保留者へのケアのほか、施設自体の受け入れ人数を増やすことにも力を入れています。新規施設の設置はもちろんですが、既存の施設を活用して受け入れ人数を増やすという施策も取り入れていることから、スピーディな対応が実現しているようです(柏市報道発表資料 平成27年4月28日より)。

千葉は理想のベッドタウン? 子育てをするときに考えたいこと

海沿いエリアでは人口が減少している市町村も

待機児童数については一定の成果がみえる千葉県ですが、実際の子育てを考えたときに住みやすいエリアなのでしょうか。また、東京へのアクセスが便利なのにも関わらず、なぜ埼玉や神奈川と比較して待機児童数の増加がみられないのでしょうか。その理由を考えてみます。

災害による影響を鑑みて海沿いを避ける傾向?

千葉の人口推移を確認すると、横ばいを続けてきた人口推移が初めてマイナスに転じたのは2011年<平成29年千葉県毎月常住人口調査報告書(年報)より>。その後、2013年までマイナスが続きましたが、2014年は増加に転じています。
減少率の高い市の共通点の一つには、海沿いのエリアであることが挙げられ、東日本大震災の際に液状化現象が著しかった地域も含まれます。災害は全国どこに住んでいても起こる可能性がありますが、今後家族が住まう場所として、千葉の一部が海に面している点を懸念する人がいたとしても不思議ではありません。

交通アクセスの混雑は覚悟しなければならない

千葉は東京とのアクセスが非常に良い一方、電車・自動車ともに交通の便に対する不満やストレスの声が多い特徴もあります。通勤ラッシュの混雑や、高速道路の渋滞など、主要な路線・自動車道では交通のトラブルが起こりやすいと考えておきましょう。また、台風や強風等による交通機関の乱れの影響を受けやすいエリアでもありますので、注意が必要です。

東京近郊の中では比較的子どもを預けやすい千葉

待機児童解消に対して県全体で積極的な取り組みが進む千葉は、今後子育てをする世帯にとって住みやすい県といえるでしょう。待機児童数の少ない市では、保留児童に対する充実したサポートもありますので、今後子どもを預けて働く希望があるのならば、満足のいくサービスが期待できます。

ただし、待機児童数の多い市と少ない市の差が大きいので、事前の確認は必須です。また、子どもを預ける保育サービスの課題は解決されても、交通の便に対する不満などの長期的な視点で見た問題があるかもしれませんので、自身または配偶者のキャリアプランと照らし合わせて検討してみましょう。

(最終更新日:2019.10.05)

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